動画シリーズ「The Lowdown」で インクリメンタリティを解説

Anne Verhoeven

2019年9月30日

2019年は、世界のデジタル広告費が約3,330億ドルに到達し、その3分の1はモバイルマーケティングに関連する広告費が占めると予測されています。その一方、新規ユーザーの獲得に予算を増やすあまり、獲得済みのユーザーに対しても広告投資をしてしまう「オーガニックの奪い合い」が発生しています。マーケターが閲覧とクリックベースのKPIに頼ってROASを計算し、有料広告キャンペーンを過剰評価する恐れがあるのです。

広告費の無駄とデータの歪みを防止するため、モバイルマーケターの間で話題となっているのが「インクリメンタリティ」です。インクリメンタリティは、広告費がコンバージョン率の向上にどれだけ貢献するかを計測するものさしです。有料広告を経由したインストールとオーガニック流入を区別することで、広告費の計算を誤ったり、本来であればオーガニックであるはずのインストールに余計な広告費をかけてしまうことを回避します。インクリメンタリティテストにより、オーガニックと有料トラフィックの明確な全体像を得るとともに、コンバージョンの純増分(または有料広告キャンペーン費用からのインストール)を把握することができるため、戦略的なマーケティングが可能になります。

AdjustのWeb動画シリーズ「The Lowdown」のエピソード1では、グローバルコミュニケーションリーダーのマイケル・パックスマンが、インクリメンタリティ計測を3つのステップに分けて説明します。

1. マーケティング施策を一時的に中止してみる

広告費がかからないオーガニック流入を把握する効果的な方法は、マーケティングを一時的に中止してみることです。オーガニックインストールのベースラインがわかり、新規ユーザーにかかる費用を推定する手がかりになります。

インクリメンタリティテストは複雑なプロセスですが、その仕組みの簡単な例にA/Bテストがあります。A/Bテストにより、オーガニック(ベースライン)と有料キャンペーンによる効果の増分の差を計測します。例えば、広告を見ていないグループA(コントロールグループ)と、広告を見せるグループBがあります。グループAとグループB間のインストール数の増加がリフトとなり、グループB内で広告費によって発生したコンバージョンの割合が純増分となります。インクリメンタリティを把握して、有料広告キャンペーンでインストール数がどれだけ増加したか、また、広告費をどう調整するべきかを判断してください。

2. 地域に合わせて戦略を立てる

Adjustの独自調査によると、MENA(中東、北アフリカ地域)では有料ソースからのトラフィックを大幅に増加していますが、アジア太平洋地域では依然としてオーガニック検索が主流です。こうした地域間の違いは、季節要因から文化や習慣の違い、あるいはブランド認知度などによって生み出されます。インクリメンタリティをより正確に読み取るために、ベースラインを頻繁に確認することをお勧めします。マイケルは次のように述べています「ある地域ではオーガニックユーザーを奪い取ってしまう広告であっても、他の地域では必ずしもそうとは言い切れません。よって、マーケティングを展開する各地域に合わせた戦略を構築する必要があります」

3. アプローチを変えてみる

インクリメンタリティテストを行い、どの広告がオーガニックを奪い合っているのかが把握できたら、その情報を元に行動に移す必要があります。Viberのユーザー獲得リーダーモシ・ブラム氏は、先日行われたAdjust Mobile Spreeで次のように述べています「有料広告マーケティングの結果によってインセンティブを得ないUAチームメンバーをオーガニックインストール担当とすることで、オーガニックの奪い合いが縮小されます」。ブラム氏によると、このチームメンバーには、ユーザーを奪い合う広告展開を中止する権限を与えなければなりません。これは、有料広告戦略をさらに大きな成長へともたらす広告へと改善するための第一歩となります。結果として、クリエイティブを制作し直したり、戦略的にキャンペーンを見直したりすることになったとしても、インクリメンタリティ計測を行うことで実践的な洞察が得られ、データに基づくキャンペーンを改善することができます。

また、ユーザー行動は時間が経つにつれて変化することを忘れないでください。インクリメンタリティテストを定期的に行うだけではなく、機敏で順応性のある戦略とマーケティングの発想を持つようにしましょう。

次回の「The Lowdown」でも、今日のモバイルマーケターが直面する課題を詳しく解説し、対策へのヒントをお届けします。どうぞお楽しみに!

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