ブログ マネタイズ手法を比較:アプリ収益化のトレンドと展望

マネタイズ手法を比較:アプリ収益化のトレンドと展望

モバイルアプリ市場の価値は、2026年までに4,070億ドルに達すると予想されており、よりクリエイティブな方法でアプリの収益化を図る事例が増えています。競争の激しい市場で勝ち残るために、マーケターは収益化戦略を最適化して多角化する方法を見つける必要があります。したがって、もっとも人気の高い収益化の手法について最新情報を把握しておくことがますます重要です。この記事では、アプリ収益化のトレンドとその仕組みについて取り上げ、今後のアプリビジネスモデルの展望について解説します。

アプリ収益化:知っておくべきトレンドとその仕組み

1. アプリ内広告

アプリ内広告はアプリの中に配置する広告で、アプリ収益化エコシステムの重要な構成要素です。Statistaによると、2019年のモバイル広告費用は1,900億ドルに達しました。この金額は今後も増加し、2022年までに2,800億ドルに達すると予想されています。収益化モデルとしてのアプリ内広告はすべての業種に関連があり、ユーザーの端末への広告表示に対して支払いを受けることができます。広告形式には様々なものがあり、バナー広告・インタースティシャル広告、ネイティブ広告、動画広告、動画リワード広告、プレイアブル広告などがあります。詳細はこのガイドでもご確認いただけます。

アプリ内広告のトレンド

動画リワード広告:この広告形式は、広告表示にゲーミフィケーションを追加したものです。ユーザーは、広告の視聴に対してリワードを受け取れるため、アプリ内広告を見るきっかけになります。例えばモバイルゲームでは、30秒間の広告を見たリワードとしてコインや追加ライフをユーザーに付与する場合があります。

ゲーム内広告に焦点を当てたeMarketerのレポートによると、動画リワード広告はもっとも普及している形式で、Unity Adsはゲーム内広告の中で「もっとも多く採用されている収益源」と評しています。

動画リワード広告の大きなメリットは、多くの場合オプトイン方式を採用している点です。つまりユーザーは、提示されたリワードに関心がない場合、これらの広告を完全に回避できます。プログラマティック広告テクノロジー企業のOpenXによると、ユーザーの77%はリテイラーからリワードとして割引がもらえる場合、すすんで30秒間の動画広告を見ており、多くのアプリ開発者から選ばれる形式となっています。

プレイアブル広告:モバイルゲーム上の広告の場合、その品質をアピールするにはユーザーにゲームを実際に体験してもらうのがベストです。プレイアブル広告はそれを可能にします。ユーザーは、インストールせずにモバイルゲームの一部をプレイできます。機能が充実するにつれて広告主もこの形式を好んで選択しており、米国のマーケティング専門家の間でも高い評判を得ています。

ネイティブ広告:ネイティブ広告は、アプリのユーザーエクスペリエンスを低下させずに広告主から収益を生み出します。この広告形式は、アプリの見た目や使い心地を再現するように設計されており、ユーザーに広告を表示すると同時に満足度の高いユーザーエクスペリエンスを提供します。プログラマティックに販売されているモバイル用のネイティブ広告は、すべてのネイティブ広告費用の84%を占め、合計180億ドル以上に達しています。ネイティブ広告はアプリの設計と機能性にマッチする必要があるため、より創造的なアプローチが求められます。

PubMaticのAPAC担当アプリ内スペシャリストであるラシャーン・ファン氏は、モバイルのアプリ内広告は5Gのおかげで間もなく大幅に増加すると述べています。ファン氏は「5G端末はモバイルでのユーザーエクスペリエンス、特にモバイルゲーム分野、モバイル動画ストリーミング分野などの高解像度テクノロジーや対話型テクノロジーのパフォーマンスを大幅に高めると予測される」と話します。これにより、広告主には広告の品質を高めるための機会が多くもたらされます。

Adjustによるユーザーレベルでの広告収益計測

Adjustは、アプリ内広告という重要な領域をサポートします。Adjustのユーザーレベルでの広告収益計測レポート機能により、アプリ内広告の収益化を正確に測定できるため、ユーザーがさまざまな広告にどう反応しているかを確認できます。この機能を使用して、収益を構成するユーザー数を計測し、もっとも有益なユーザーをアプリにもたらすネットワークを把握できます。ユーザーレベルでの広告収益計測レポート機能は、任意のセグメンテーションレベルで広告収益をきめ細かく分析し、データ主導型のインサイトによりパフォーマンスを最適化することで、ターゲティングを強化します。

また、この機能を使って顧客生涯価値(LTV)をより正確に計算できます。これが可能なのは、Adjustを使用してユーザー獲得コスト、アプリ内で発生した収益、広告によるコンバージョンからそのユーザーが生成した収益額を追跡できるためです。これらのデータポイントを取得することで、LTVをより高い精度で計算できるようになります。ユーザーレベルでの広告収益計測レポート機能の詳細は、こちらをご覧ください。

2. フリーミアム/サブスクリプション収益化モデル

多くのアプリはフリーミアムサービスを提供しており、ユーザーはアプリを無料でダウンロードし、広告付きで機能を楽しむことができます。試したことのないアプリを購入するユーザーは少ないため、フリーミアムサービスを実装してユーザーがサブスクリプションを購入する前にアプリを試せるようにする手法が人気です。このサービスを提供することにより、ユーザーに商品価値を示し、製品に購入意義があると納得させることができます。アプリが無料だとユーザーを獲得しやすいため、フリーミアムモデルは引き続き多くのマーケターから選ばれる手法となるでしょう。さらに、プレミアムサービスにサブスクリプション登録しないユーザーも、アプリ内広告で収益化することができます。

ユーザーはサブスクリプション収益化モデルを通じて、広告を表示させないようにすることもできます(他にも色々な特典があります)。Sensor Towerのレポートによると、米国の上位100のサブスクリプションアプリの収益は2019年に21%増加し、38億ドルから46億ドル以上へと伸びています。このモデルで成功を収めたのがSpotifyです。アプリをダウンロードさえすれば、断続的に広告が表示されるSpotifyですぐに音楽を楽しめますが、広告表示が無いプレミアムサービスを利用する場合は月額料金を支払う必要があります。新規ユーザーは、まずプレミアムサービスを無料トライアルとして1ヵ月試すことが可能です。これにより、ユーザーはこの優れたサービスを体験した後、サブスクリプションを始めるかどうかを判断できます。

インフルエンサーマーケティングの活用

インフルエンサーマーケティングでサブスクリプションサービスを宣伝するのもオプションのひとつです。ソーシャルメディアの著名人や人気ブランドと連携する手法ですが、多くの場合、ソーシャルメディアアカウントで製品をPRすることに対して代金が支払われます。ブランドマーケティングに効果的なため、17%の企業がインフルエンサーにマーケティング予算の半分以上を費やすことを計画しています。例えば、ヘルス&フィットネスアプリは、フィットネス分野のさまざまなインフルエンサーと連携して、効果的にプレミアムサービスを宣伝することができます。さらに、そのインフルエンサーのファンに割引コードを提供して、インフルエンサーの知名度アップに貢献しつつ、サービス購入につなげることも可能です。この効果によりコンバージョンへつながったユーザーの特定もできます。

3. アプリ内購入

アプリ内購入は多くのモバイルアプリにとって必要不可欠な収益源です。Google Playストアの全アプリの95%は無料で提供されており、アプリ内購入などによって収益化がされています。世界的に見ると、モバイルユーザーは3,800億ドルをアプリ内購入に費やしており、収益を増やすためにアプリ内購入がどれだけ効果的かを示しています。

モバイルゲームでは、アプリ内購入は消耗品と非消耗品に分けられます。消耗品はゲーム内通貨などの一時的なもので、非消耗品は一度だけ購入する必要があるものです。レベルやキャラクターのスキンのロック解除などが非消耗品のアプリ内購入にあたります。

アプリ内購入はモバイルゲームに限りません。ソーシャルメディアアプリのRedditは、Reddit Coinsというアプリ内通貨を導入して成果を挙げています。同社の公式Webサイトには「他のユーザーの模範となる投稿やコメントに贈ることを目的とした仮想商品」と説明されています。またRedditは、ブランドロイヤリティを高めることでユーザーのアプリ内購入を促しており、Reddit Coinsは「信頼できるユーザーによる掲示板コミュニティの継続的改善を促している」と述べています。

収益化予測:今後の展開

アプリ収益化の現在のトレンドをたどるだけでなく、近い将来に市場に影響を及ぼす可能性があるトレンドを見据えることも必要不可欠です。ここでは、すべてのマーケター必見のアプリトレンドおよび収益化をいくつか紹介します。

複数の収益源がますます重要に

アプリを収益化するための方法を複数用意しておくことが賢明です。それによりセーフティネットとして機能するだけでなく、ユーザーが自分の好みに合わせてアプリの利用方法を決定できるようになります。多くのアプリが直面している問題として、収益に寄与するオーディエンスがごく一部に限られているということがあります。アプリテスト会社のSwrveのレポートによると、アプリに課金するゲーマーはわずか2.2%しかおらず、全収益の46%はそのグループの10%を占める高額課金ゲーマーに由来していました。収益化モデルを多角化すると、少数の高額課金ユーザーへの依存度が低くなり、アプリ収益を増やしてより堅牢で包括的な収益化戦略を構築できます。

アプリ内入札により激化する広告インベントリの競争

すべての広告主が互いに同時入札するようになります。

アプリ内入札は、パブリッシャーの広告インベントリをオークション形式で購入するための高度な手法です。基本原則として、広告主はインベントリに対して互いに同時に入札します。過去12ヶ月で、Facebook Audience Networkによる入札を使用するアプリの数は7倍増加しましたDigiDayによると、アプリ内入札により、アクティブユーザーあたりの1日の平均収益(ARPDAU)は13~27%増加しています。これにより、Game Insightなどのモバイルゲーム開発会社は、より多くのインベントリをアプリ入札経由でオークションするようになっています。同社は現在、インベントリの95%をアプリ入札で運営しています。これがますます一般的になるにつれ、アプリ入札はあらゆるデマンドソースにインプレッションを勝ち取る機会を与え、パブリッシャーはインベントリを最適な価格で獲得できるようになります。

拡張現実の台頭

Appleの2020年第1四半期の業績発表で、Apple CEOのティム・クック氏は以下のように述べました。「企業と消費者の両方から必須であると見なされる新技術はめったにありません。それが、「拡張現実(AR)」が私たちの生活に深く根付いていくと考える理由です」。拡張現実がモバイルアプリ業界でますます一般的になるにつれ、マーケターはARテクノロジーを利用するアプリを収益化する方法を探しています。NianticのポケモンGOは、拡張現実アプリがアプリ内購入によってどう収益化できるかを示す好例です。アプリのゲーム内ショップで、ユーザーは「ポケコイン」を使用してゲームアイテムを購入できます。ゲームをプレイしてポケコインを獲得することも可能です。

もう1つのARによる収益化の成功例はIKEA Placeです。これはIKEAが提供する無料アプリで、ユーザーはARテクノロジーを活用し実寸台の家具を自宅に「設置」できます。これにより、ユーザーに商品の外観イメージが強く印象付けられ、店舗に到着する前に購入に対するユーザーの確信が高まります。IKEA Placeは、Appleの拡張現実フレームワークであるARKitを使用して構築され、すぐに同フレームワークを使用して構築された無料アプリのうち人気第2位になりました。モバイルマーケティングでの拡張現実の詳細については、こちらのこちらの記事(英語のみ)をご覧ください。

業界のトレンドに関する詳しいインサイトについては、「App Trends 2020」 レポートをご覧ください。昨年からのトレンドや市場ごとのパフォーマンスベンチマークなど、重要なインサイトを紹介しています。ユーザーレベルの広告収益がモバイルマーケティング業界に画期的な変化をもたらす理由については、こちら(英語)をご覧ください。

さらに、ソーシャルメディアプラットフォームとアプリの統合も重要です。これにより、ユーザーは、ハイスコア達成などのゲーム関連のコンテキストをソーシャルメディアで共有しやすくなります。アプリを無料で宣伝するチャンスであり、ゲームのコミュニティを構築するのにも役立ちます。ソーシャルメディアのプラットフォームとアプリを連携させることで、トレンドを分析し、競合相手リードすることができます。

また、全体的な戦略の一環としてインフルエンサーマーケティングを取り入れることも必要です。インフルエンサーマーケティングの予算は2020年に65%増加すると見られており、企業の17%はマーケティング予算の半分以上をインフルエンサーに費やしています。また、TwitchなどのゲームプラットフォームでDAUが現在増加していることから、インフルエンサーマーケティングは今後も引き続きアプリの宣伝において重要な手法になっています。

オートメーションツールを使用したマーケティングパフォーマンスの効率化

企業の68%は何らかの形でオートメーションを使用しており、この数字はオートメーションツールが高度化するにつれて増加すると考えられます。オートメーションツールにより、モバイルマーケターは単調な繰り返し作業をツールに任せ、データ分析と戦略構築により多くの時間を費やせるようになるため、作業を最適化できます。

Adjustの米国担当クライアントサクセスディレクターであるメリッサ・コールマンは、オートメーションがモバイルマーケティング業界に及ぼすいくつかの大きな変化について説明しています。コールマンによると、マーケターは現在「多数のチャネルを開き、各種ツールを使いながらデータをまとめなければならず、その負担は大きく」、そのため「繰り返しの単純作業を自動化する機能を備えた、マーケターの働き方を変える新たなマーケティングオートメーションツールに大きな期待が寄せられている」と話します。オートメーションにより、時間を節約し、ターゲティングを強化するための創造的な作業に集中できるようになるのです。

ユーザー獲得の詳細については、ブログ記事「課金ユーザー獲得ガイド」(英語)をご覧ください。モバイルマーケター向けのガイドについては「Back to Basics:Adjust モバイル マーケティング ガイド 2020」を、オートメーションの詳細についてはこちらの関連記事をご参照ください。


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