ブログ iOS 14.5以降のアトリビューションの重複を回避するために

iOS 14.5以降のアトリビューションの重複を回避するために

AppleのiOS 14.5は、業界を大きく揺るがしている複雑なトピックです。この1年間、私たちは多くの広告主やアドネットワークの皆様に、さまざまな変更点が今後どのような影響を与えるかをお話ししてきました。今回は、iOS 14.5について詳しく解説するブログシリーズの第一回をお届けします。

本日は、特に注意したい重要トピックとして、SKAdNetworkを他のアトリビューション方式(AdjustトラッカーURLなど)と一緒に使用した場合の重複の可能性についてご説明します。

アトリビューションの重複

まず、Self Attributing Networks(以降、SANsと省略:API経由で自らアトリビューション計測を行う連携パートナー)についてお話します。ほとんどのSANsは、SKAdNetworkのアトリビューションによってキャンペーンのパフォーマンスを計測することを発表しています。

広告主がSANsの広告インベントリだけを購入する場合は問題ありません。この場合、広告チャネルはSKAdNetworkのみのため、アトリビューションソースも1つです。しかし、SANs以外の複数のメディアチャネルで展開する広告主にとっては、問題が生じる可能性があります。

一部のアドネットワークやアフィリエイトネットワークが、広告成果の請求目的で、確定的アトリビューション(Deterministic Attribution)とSKAdNetworkの両方をサポートしていると仮定しましょう。このようなハイブリッドキャンペーンでは、一定の割合で重複が発生します。

例えば、非SKAdNetworkのキャンペーンを実行していると仮定します。もしソースアプリ(広告配信先アプリ)とターゲットアプリ(自社(広告主の)アプリ)の両方でIDFAの共有にユーザーが同意している場合、そのチャネルはIDFAを使用してインストールを計測します。しかし、ユーザーが過去30日間に別のメディアソースからSKAdNetworkの広告をクリック(または閲覧)した場合、SKAdNetworkはそのインストールにクレジットを付与するため、SKAdNetworkと非SKAdNetworkの両者より二重に請求が発生してしまうことになります。また、SKAdNetworkのインストールは集約データとして提供されるため、重複を排除することが不可能です。

改めて解説しますと、ユーザーがソースアプリで同意し、非SKAdNetworkの広告をクリックし、ターゲットアプリをインストールして同意した場合、アトリビューションはIDFAで行われ、SKAdNetworkのデータは送信されません。広告を配信したアドネットワークは、IDFAでアトリビュートされたポストバックを受け取り、そのユーザーに対する広告成果を広告主に請求します。

ここで、ユーザーがあるチャネルからインストールする前に、同一ユーザーが別のアドネットワークが配信したSKAdNetworkの広告をクリック(または閲覧)した場合、SKAdNetworkはそのユーザーに対する請求をそのチャネルに返し、広告主に請求します。

2つの異なるチャネルが2つの異なるアトリビューション手法を使用しているという理由だけで、広告主が同じユーザーに対して二重に広告費用を請求されるという非常に現実的なリスクがあります。

  1. メディアソースの選択は慎重に

SKAdNetworkのアトリビューションは不正対策が万全とはいえず、不正業者がクリックを偽装し、SKAdNetworkをだましてアトリビューションさせる可能性が否めません。つまり、正当なトラフィックソースからのアトリビューションを奪い取ることができるのです。現時点ではSKAdNetworkが不正を検出するようには構築されておらず、ラストクリック (またはビュー) と見なされたものに対してアトリビューションを返しています。また、SKAdNetworkにおける不正のリアルタイム除去はどのMMPでもできません。

さらに、この新しいモバイルエコシステムでキャンペーンを再構築するには、多くの努力を必要とします。そのため、広告主の皆様は、何よりもまずは拡張性のあるソースを優先されるのではないかと思います。Adjustは、まずは広告主にとって優先度が高く、比較的規模の大きいプラットフォーム、ネットワークパートナー、DSPに集中することが良策ではないかと考えています。

  1. すべてのチャネルで、SKAdNetworkを請求のデフォルトに設定してみる。 各メディアチャネルがどのように広告成果の請求を処理しているかを理解します。

API連携ネットワークがアトリビューションにSKAdNetworkを使用することを考えると、SKAdNetworkに対して請求するようデフォルト設定する必要があります。これは、重複請求を回避するための唯一の方法です。ネットワークにCPIの成果報酬を支払う場合は、SKAdNetworkのインストールに対して請求するように依頼する必要があります。ダイナミックCPMからCPIの最適化を狙う広告主は、これらのネットワークにSKAdNetworkのインストールを使用してバイイングを最適化し、メディアコストを人為的に増大させないようにすることが必要です。

広告主の皆様には、上記の手順を踏んでいただくことでより適切な支払い設定が可能となり、少なくとも過払いが回避されると考えています。

長期的な視野で

そうは言っても、短期的には複雑になる可能性のある問題や考慮したい事項が複数あります。今後の計画と最善策を検討する際には、以下のような課題を念頭に置く必要があります。

  1. SKAdNetworkをサポートしていない古いバージョンのSDKについて、ネットワークはどう対応するのか?SKAdNetworkのビュースルーアトリビューションをサポートしていない新しいバージョンのSDKの場合はどうなるか?広告主はこれらのSDKを経由するトラフィックに対して、どのように広告成果を請求されるべきか?このトラフィックにアクセスできなくなってしまうのか?すべての広告主がこれらの課題を理解し、使用する各ネットワークから回答を得られるようにすることが重要です。
  2. iOS 14.5以前のSANsはどうするのか?iOS 14.5以前については、現在のアトリビューション手法が残るのか?もしそうであれば、市場はiOS 14.5以前のすべてのトラフィックに対してこれまで通りの運用を行い、14.5以降に対してはSKAdNetworkのみを使用することができます。このアプローチならよりクリーンに対応でき、iOS 14.5の採用が徐々に増加していく中で、業界全体が適応するための時間を得ることができます。しかし、上述の通り、どのチャネルに不一致があっても重複する可能性があります。そのため、すべての広告主の皆様には、最も信頼できるメディアソースに、この業界の変化にどう対応しているかを問い合わせていただくことをお勧めいたします。

まとめ

  • まずは広告主にとって優先度や規模が大きいネットワークパートナー、DSPに注力し、スケールや効果を確認し戦略を再構築しましょう。
  • SKAdNetworkをサポートしていない古いバージョンのネットワークSDKのトラフィックや、従来の計測とSKAdNetworkを併用した場合にどのように請求が発生するかを確認してください。
  • パートナーに、iOS 14.5以前とiOS 14.5以降のトラフィックに対してどのように請求する予定なのかを問い合わせてください。

iOS 14の導入に関してご不明な点がございましたら、お気軽に担当のカスタマーサクセスマネージャーまたはテクニカルアカウントマネージャーにお問い合わせください。また、間近に迫ったiOS 14のプライバシーに関する変更に備える方法については、Adjustブログでご確認いただくか、iOS 14リソースセンターをご確認ください。

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