フード&ドリンク

ケーススタディ: Evino

続きを読む
参考資料 ケーススタディ ケーススタディ: Evino

Evinoについて

Evinoのミッションは、ブラジルでワインを大衆化することです。ブラジルでは、ワインは特別な高級品だとみなされており、長い間そのように考えられてきました。北米や西ヨーロッパ諸国ではワインを毎年何十リットルも飲むのに対し、ブラジル人は平均で約2リットルしか消費していません。

Evinoは、ユーザーに簡単な情報へのアクセス、幅広いセレクション、手頃なワイン宅配サービスを提供することで、ブラジルでサービスを広めようとしました。2013年にチームが始動したとき、このスタートアップ企業はデスクトップWebでのプレゼンスに注力し、Eメールマーケティングで既存のユーザーとエンゲージしていました。Envinoでは顧客にEメールでオファーを提供し、顧客をWebサイトにリダイレクトして購入を完了させます。そのため、リストの拡大は必須であり、これが安定したビジネスの基礎となっていました。

ところが、ユーザーはモバイルデバイスにシフトし始めました。Evinoでは現在35歳から50歳のブラジル人をターゲットとしていますが、このセグメントはデスクトップコンピューターよりもモバイルデバイスを優先して利用しています。モバイルデバイスはノートパソコンやデスクトップコンピューターの何分の1かの価格で購入でき、モバイルデータ通信も安価です。月収が平均600米ドルをわずかに超える市場では、特に重要なポイントになります。2015年の10月から2016年の3月までの6か月の間に、このセグメントでモバイルデバイスのみを使用してインターネットにアクセスする顧客のシェアは3分の2増加しましたが、デスクトップを利用する顧客と両方を利用する顧客は大きく減少しました。モバイルのみを使用する顧客のシェアは全体で約10パーセント増加し、全ユーザーの4分の1を占めるようになったのです。

課題

実証済みのWebマーケティングをモバイルに導入

そこでEvinoは、Webサイトの機能の全てをモバイルデバイス用に改変してユーザーに提供するiOSアプリを開発し、2015年の11月に公開しました。しかし、アプリストアに公開するだけでは、新しい顧客を獲得するには不十分です。例えば、iOSのApp Storeに公開されている全アプリのうち、90パーセント以上がリストの上位にランキング表示されません。また、Evinoは消費者が日常的に探すような商品を販売しているわけではないため、アプリをApp Storeに公開するだけで顧客を引き付けることは困難でした。

Evinoのチームは、自社のモバイル戦略の三本柱を以下のものとしました。

  1. オーディエンスを増やして新しい顧客に接触するために、マーケティングチームは様々な種類の広告キャンペーンを短期間でテストし、どのメッセージが正しいオーディエンスに届くかを見つける必要がある。
  2. 広告キャンペーンの評価と変更は、実際の投資利益率に基づく必要があるため、チームは様々な活動の成果を数値化し、ユーザーが購入顧客にコンバートする頻度を表示する管理画面を必要としている。
  3. しっかりとしたEメールニュースレターがあれば、iOSユーザーをすぐにモバイルアプリにリダイレクトし、ただちに適切なオファーを示すことができる。しかし、様々なユーザーをプラットフォーム毎に動的にリダイレクトする単一のリンクをどのように作成して複数のEメールキャンペーンを実施できるか。また、どのようにすれば、適切なオファーを適切なタイミングでユーザーに最も簡単な方法で示すことができるか。

ソリューション

モバイル消費者の行動を把握

EvinoはAdjustのオープンソースSDKを初期に導入しました。

Adjustとの連携により、Evinoではアプリをダウンロードしてインストールしたユーザー数や、その後ユーザーがアプリを開いた回数を計測できました。さらに、アプリ内イベントトラッキング機能を搭載することで、サインアップやログインの回数、表示した商品、ユーザーがワインをアプリ内のカートに追加した回数なども確認することができました。

同社は自社サーバーもAdjustと連携していたため、ユーザーがモバイルアプリで行った行動をデスクトップのWebサイト上でのユーザー行動にも関連付けることができました。ポストバックやWebフックとも呼ばれるこの連携では、コールバックが使用されています。これらは基本的に特定のイベントを表すメッセージで、イベント計測時にAdjustサーバーからEvinoサーバーに送信されます。Evinoのチームは、顧客IDや暗号化されたEメールアドレスを使用することで、Webサイトとモバイルアプリのデータを照合し、ユーザーの行動方法に細かくアクセスできました。

また、Adjustのリアルタイムな管理画面を使うことで、Evinoでは必要なときに、これらの数値をすべて利用できるようになりました。様々なアイデアやコンセプトのテストを即時評価できるため、テストによって期待した効果が現れないときは特に便利なツールです。

AdjustのオープンソースSDKを搭載することで、Evinoはあらゆるユーザーのインタラクションとアプリ内イベントの計測が可能となり、マーケティングチームは集約および詳細なデータに完全にアクセスできるようになりました。

ブラジルのソーシャルメディアでワインのプロモーションを企画

FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア広告は、Evinoにとってのモバイル利用の大きなチャンスでした。ブラジルの平均的なFacebook使用者のコネクションは450件で、世界の平均はその3分の1程度です。ブラジルでのFacebookによるモバイル広告のコストが比較的安いことは、Evinoが予算の割に非常に多くのオーディエンスに接触できることを意味しています(平均のインストール単価は約1ドル)。

これらのネットワークでは、デモグラフィック属性により特定の顧客セグメントをターゲットにすることができます。Facebookは、性別、年齢、住所、興味に関してユーザーが提供したデータを活用できる、数少ないプラットフォームの1つです。ただし、優れたROIを達成するために、Evinoのマーケティングチームは様々なターゲット顧客グループがワインの定期的な消費者となる見込みを評価する必要がありました。

EvinoのFacebookキャンペーンがAdjustの収集データに基づいて評価できるように、AdjustとAPI連携しました。データはFacebookキャンペーンを運営するために必要なものですが、このAPIにアクセスできる「Facebookマーケティングパートナー」は、世界で一握りしかいません。Adjustなら、管理画面からFacebookアプリIDを入力するだけで簡単に連携することができます。

キャンペーンは、開始されるとすぐにAdjust管理画面に表示されます。Facebook広告を見た後にアプリをインストールし、広告をクリックしたユーザーは、そのキャンペーンにアトリビューションされます。キャンペーン、クリエイティブ、またはアドグループは、そのキャンペーンから取り込まれたユーザーのグループに関連付けられます。それらのユーザーがトリガーした活動は、インストール直後であっても数週間後であっても、その最初のコンバージョンにアトリビュートされます。

Adjustでは、Facebook広告キャンペーンごとにすべてのセッション、購入、またはその他のユーザー活動が集計され、管理画面またはCSVレポートに表示されます。

その後、EvinoのマーケティングチームはAdjust管理画面にログインし、長期のユーザーエンゲージメントが最も高くなったFacebookキャンペーンを確認することができました。結果が出たキャンペーンとそうでないものを、日々確認することができました。

Adjustが計測サービスとして統合されたことで、Evinoは、ソーシャルネットワーク広告をオーガニックパフォーマンスや他のメディアで獲得したユーザーのエンゲージメントと直接比較できる管理画面にアクセスできるようになりました。Facebookキャンペーンが完全に最適化されたら、チームはGoogleのような他のインベントリを利用することを予定しています。

モバイルEメールマーケティングでユーザーにエンゲージ

最後の難問は、モバイルであっても、強力なEメールリストを通じてユーザーをどのようにエンゲージするかということでした。Evinoでは、Eメールキャンペーンを幅広く使用して、特定のオファーを日々プロモーションしています。これらのキャンペーンには、アプリで獲得した新しいサブスクリプション利用者も当然含まれています。

EメールキャンペーンのユーザーをiOSアプリに送るために、同社ではユーザーがリンクをクリックしたのがデスクトップからなのかモバイルデバイスからなのかを見分けることができる埋め込みリンクが必要でした。デスクトップコンピューターのユーザーはメインのWebサイトに送られますが、モバイルユーザーはアプリに送られます。さらに全ユーザーに対し、プロモーション中の特定のオファーをニュースレターで表示する、順応性のある動的なリンクをすばやく生成する必要がありました。

これを実現するために、EvinoではまずAdjust経由でユニバーサルリンクを実装しました。ユニバーサルリンクとは、アプリ開発者がWebサイトとモバイルアプリの間の関係を作成できるiOSの機能です。Adjustでは、Adjustのサーバーでホストされている広告固有のサブドメインに、アプリ開発者が自分のアプリを関連付けられるようにすることで、このプロセスを簡素化しています。ユーザーがこのサブドメインへのリンクをクリックすると、Adjustでは関連するコンテンツを開くアプリに(Adjust SDKを介して)直接通信します。

Eメールキャンペーンには、AdjustのトラッキングURLをニュースレターリンクとして実装しました。そのため、サブスクリプション登録者が使用しているデバイスが自動的に特定されます。デスクトップコンピューターのユーザーはフィルターで即時に除外され、Web上のオファーが表示されます。iOSユーザーには、代わりにユニバーサルリンクが提供されます。アプリを既にインストールしたユーザーには、アプリ内で自動的にオファーが表示されます。アプリをまだダウンロードしていないユーザーは、App Storeにリダイレクトされるよう設定しました。

アプリをまだインストールしていない第2のユーザーグループが初めてアプリを開いた際は、新たなメソッドが適用されました。Adjustではユーザーの広告クリックに関する情報をアプリに即座に提供することができるため、Evinoはユーザーを元のオファーに送るか、別のオファーをアプリに表示するかを選ぶことができます。この情報を利用して、アプリではユーザーが関心を持つオファーに基づき、最初のユーザーエクスペリエンスをカスタマイズすることも可能です。

この新しいメールキャンペーンでは、ユーザーを「デスクトップのWebサイト」、「App Store」、または「アプリ内の特定のオファー」に直接リダイレクトさせるべきかどうかを判断するリンクが1セット準備されました。Evinoがしなければならなかったことは、唯一Adjust SDKを実装することだけでした。

結果

モバイルデバイスのアクティブユーザーと収益が増加

Evinoではモバイルアプリの使用が急激に増加しましたが、これはEメールニュースレターを購読し、よりいっそうスムーズでシームレスな体験を提供された顧客と、ブラジルで人気のソーシャルネットワークから獲得したモバイルを優先的に利用する新しい顧客によるものでした。

四半期ごとの週の平均アクティブユーザー数は、2015年第4四半期の開始から7倍以上に増加しました。

ワイン宅配の新規事業があらゆる面で著しく成長する中、2016年の夏は、モバイルデバイスによる収益が月間で3倍以上に増加しました。ルイ・ダニエル・アレグリア(Luis-Daniel Alegria)氏は、次のように話しています。「モバイルデバイスによる収益化は、前進していくモバイルアプリの強さを反映したものであるため、私たちの重要なメトリクスの1つです。私たちの目標は、全収益の半分をモバイルアプリから得ることです」

ユーザー獲得コストを2/3削減することが可能

夏期にEvinoチームがFacebookで広告クリエイティブの継続的な評価と調整を行った結果、Evinoのユーザー獲得コスト(CPA)が2/3減りました。成功したクリエイティブは、アプリ自体の画像の数を減らし、その代わりに満たしたワイングラスを表示したものでした。

実験の結果、クーポンはあまり効果がないことがわかりました。20レアル(約6米ドル)のクーポンを提供しても、CPAを下げるための広告へのエンゲージメントは十分に増えませんでした。チームはすべてのキャンペーンのパフォーマンスデータを手元で表示できたため、実験をすばやく評価し、そのキャンペーンの数量を減らすことができました。

新しい顧客の購入は週末に集中

チームは非常に具体的なユーザー行動の傾向に気づきました。それは、人々がモバイルデバイスを通じて多くの買い物をするのは、これまでずっと客足が伸びなかった週末だったということです。このインサイトをもとに、チームはモバイルユーザーに対して週末にキャンペーンシフトし、ダイレクトレスポンスを改善しました。

アレグリア氏は、次のように述べています。「要するに、私たちはモバイルアプリを通じて全く新しい顧客セグメントを開拓したということです。Eメールからアプリへのスムーズなリダイレクトができなければ、モバイル優先の顧客にアクセスできなかったでしょう。そして、Facebookで適切なオーディエンスを見つけることができたことが、これらの新しいユーザーを開拓できたことの重要な要因です」

高いユーザーエンゲージメントと増加するユーザーベースは、EvinoのApp Storeでのポジショニングにも反映されました。Evinoはブラジルのフード&ドリンクランキングでマクドナルドやピザハット、Foursquareなどの主要ブランドに並んで常に8位を確保しました。ランキングの上位にいることは、徐々に増加するオーガニックユーザーの獲得にも貢献し、Evinoのフード&ドリンクのカテゴリーリーダーとしての地位をさらに固めました。

iOSアプリがフローに完全に連携されたので、今後はこの成功をAndroidで繰り返すことを期待しています。Androidアプリにはすぐに使えるディープリンクが既に実装されています。Adjustによって EvinoはAndroidユーザーにEメールとターゲティング広告を直接送ることが可能です。

次なる挑戦は、ソーシャルネットワーク以外のアドネットワークや新たなプロモーション施策を調査することです。Adjust管理画面には、バナー広告や動画広告の表示、あるいはGoogle検索さえも追加することができます。それらを稼働しながらEvinoは、今後のパフォーマンスを計測していきます。