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ケーススタディ - nano・universe

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参考資料 ケーススタディ ケーススタディ - nano・universe

株式会社ナノ・ユニバースは、常に時代の一歩先を見つめ、進化し続けるセレクトショップ、およびオリジナルブランドです。ファッションブランドとのコラボでトレンドを構築するとともに、企業と取り組み新しい価値の創造、機能性の高いオリジナル商品の開発、またこれまでにないオンスタイル【New ON STYLE-ネクタイ不要】の提唱と発信をしている企業です。

今回は、アプリ「nano・universe」の企画段階から「店舗とECの融合」を実現させるアプリへと成長させたナノ・ユニバース経営企画本部 WEB戦略部長の越智将平さんより、アプリの特性を活かしてどのようにクロスユース展開し、Adjustを施策戦略にご活用いただいているかを、具体的な事例を交えながら語っていただきました。

アプリのコンセプトと立ち上げのきっかけ

「デジタルへの移行」を企業戦略のひとつとし、越智さんとチームメンバーがアプリ「nano・universe」をリリースしたのは2014年。当アプリは、ナノ・ユニバースの「本店をアプリで作ろう」というキーワードのもとに立ち上げられたそうです。「この業界の本店といえば、銀座とか、表参道とか、そういう一等地に店を構えるのが一般的ですが、ナノ・ユニバースはそれをアプリにしてしまいましょうということで。コンセプトとしては、どちらかというとブランディングをする意識が強かったです」

最初に構築したアプリには、紙による店舗での入会動線を完全にやめ、代わりにアプリで会員管理をする機能を導入しました。CRM統合の一環として行われたものの、初期のアプリは会員証としての機能しかない状態からスタートしたとのことです。

EC機能を追加したのは、アプリをローンチした直後でした。当時はZOZO TOWNやAmazonなどの直営ECサイトが急成長しており、アプリ立ち上げ前はECモールを中心に売上げをとっていたそうです。外部のECサイトに頼るビジネスモデルから脱退し、「自社の会員基盤を基にしたチャネルを主体にしたかった」と越智さんは回想します。

現在のアプリはさらにアップデートされ、「店舗とECをしっかりと相互送客する、クロスユースの促進をコンセプトとして立て直し、今に至ります」。画期的な機能と仕組みが凝縮したイノベーティブなナノ・ユニバースのアプリは、ユーザーだけではなく業界内外のマーケターにも注目されています。

アプリの特性を活かせるビジネスを展開

ナノ・ユニバースがモバイルアプリを積極的に開発してきた理由を伺ったところ、注目したいポイントが4つ挙がりました。

  1. ユーザーの利用継続性

    会員基盤を基にビジネスをする場合、ログインが長く継続されるのはウェブブラウザよりもアプリであること、また、ブラウザと比較しアプリの方が圧倒的にコンバージョン率が高い傾向がありました。

  2. チェックイン機能

    「nano・universe」の機能のひとつである「チェックイン」機能がアプリに導入できることが大きなメリットでした。チェックイン機能とは、「例えば、ネットを使っていた人が店舗にご来店いただいた時に、(アプリから店舗にチェックインしていただくと)その履歴をデータに残すことができる仕組みです。ユーザーには『チェックインスタンプ』というインセンティブをユーザーに与えることで、チェックインを促しています。来店データをちゃんと計測できるというのは、クロスユースの絶対の要になります」

  3. 商品検索導線のユーザービリティ

    アプリは検索動線のスピードが圧倒的に速いというメリットがあります。「弊社のアプリはコンテンツが盛りだくさんなので、そういった意味でもアプリしか選択肢がありませんでした」

  4. 店舗スタッフが勧めやすいアプリであること

    ナノ・ユニバースのアプリは、Web広告経由よりも店舗スタッフの接客によるダウンロード獲得率が圧倒的に高く、その割合が9割を占めます。さらに、接客によって顧客がダウンロードした場合、デジタル広告経由で獲得した顧客よりもLTVの指標が平均3.5倍も高く、その顧客が「非常に大事なカスタマーとして定着化していく」傾向があることがわかりました。

    また、ナノ・ユニバースが店舗スタッフのアプリリテラシーの向上と教育に多くの時間とリソースをかけていることも、店舗でのダウンロード数が高い要因のひとつだと考えられます。店舗スタッフには入会案内の仕方をはじめとする成功率を高めるためのマニュアルが提供され、随時意見を取り入れながら改善を続けているそうです。越智さんはこう説明します。「『何を聞かれても答えられます』というリテラシー武装をしている人であれば、自信をもって『絶対ダウンロードした方がいいですよ』というのを気持ちを込めて言ってくれるので、マニュアルは気合を入れて作っています」

上記のようなアプリの特性をナノ・ユニバースのビジネスモデルに活かせることが、アプリを開発する上で重要だったそうです。

Adjustの導入について

ナノ・ユニバースがAdjustを導入した経緯について、越智さんはこう述べています。「SDK導入前は、アプリは上手くいっていたのですが、計測が全然できていませんでした。アプリをフルネイティブ化するスケジュールとロードマップがなかなか見えない中で、計測SDKの導入が後回しになっていたのです。Google Analyticsで取れるデータは前段階で見ていましたが、あまり正確ではありませんでした」

導入前にあった課題点については「当時マーケティングオートメーションでプッシュ通知がまだ使えていなく、リテンションが上手く設計できていなかったことや、しっかりとディープリンクを実装した広告展開ができていなかったことに課題がありました」

また、上記にも触れた「チェックイン」などの店舗に関連した機能も、アプリの計測データなしでは効果が正確に判断できませんでした。しかし、越智さんによると、Adjust導入後は「アプリページを開いてくれたかどうかや、一回購入した方のその後のF2、F3転換まで前情報となるKPIが計測できるように」なったとし、ビジネス戦略として最も注力している店舗とECの相互送客と、連携を評価するクロスユース率が大きく改善できたと評価しています。

これらの改善点に加えて、越智さんはAdjustスタッフのサポートについて次のように述べています「弊社のアプリはとても良い成果がでていますが、それを実現するために、ツールを利用する上でのAdjustさんのサポートはもとても助かっています」

データとイベント設計

柔軟で無制限に設定ができるAdjustのイベント設定機能を活用しているナノ・ユニバースは、ユーザーとアプリ、そして実店舗をつなげる数多くのキャンペーンやリターゲティング戦略を成功させています。

データ取得を本格的に開始した当初は「Web上で興味を持ったユーザーを店舗に促す仕組みを成長させたかった」と越智さんは語ります。

取得しているデータは、商品IDやサイズ、服のカラーなど、商品に関連する一般的な情報に加え、店舗での購入履歴のデータをイベントとして計測しています。イベント設計は、越智さんが管轄されているチームの開発担当者が行っています。

『マイページ』のクーポン機能は、ナノ・ユニバースがイベント計測を通して効果を改善した機能のひとつです。越智さんによると、「クーポンの使用状況は、Eコマース側のシステムで判断はできるものの『クーポンの存在自体を知ってもらっていたかどうか』を確認するのは難しい」とのこと。「イベント設計を細かくするようになってからは、クーポンを見られてはいるけど使われなかった場合は、内容が良くなかったかどうかを確認することで、チェックアクションが起こせるようになりました」

アプリの特性を活かしたメディアにリターゲティング

越智さんとチームはRemergeと連携して、Adjustで取得したデータを基にリターゲティング施策を行っています。「アプリの利用率も月を追うごとに増え、アプリのアクティブユーザー数が増えている以上は、アプリに対してリターゲティングをちゃんとしたいというのが、媒体利用の目的でした。そして、パートナーパラメーター(商品IDやユーザーID)を媒体に送信することができる特殊な連携をAdjustとRemergeで実装し、初期段階から成果を生み出す環境を構築していただきました」

現在Remergeと実施しているのは、「アプリの特性を活かしたメディア」に対してリターゲティングを中心に広告を出稿し、コンバージョンの獲得と継続率の最適化をすることです。このリターゲティング施策は「開始した当初から想像以上の成果が上がって、結構びっくりしています」。越智さんによると、成果が顕著だったのが「マンガ系のアプリや料理系アプリです。コロナ禍に入り、ステイホームのために利用が増加したようなアプリからの売上げが、分かりやすいぐらい伸びました。このあたりのチャネルを今注視しています」

Adjustとネットワークの特殊な連携を開発いただき、アプリでの売り上げがさらに促進されました。

株式会社ナノ・ユニバース

データ管理と共有の流れ

ナノ・ユニバースのデータ管理は社内の解析担当が実施しており、各種システムからGoogle Data Studioでデータを抽出し、レポーティングをしています。また、細分化された顧客情報はCRMチームが都度要件に応じて作成、共有しています。

データは社内のチームだけではなく、実店舗のスタッフにもレポートされています。「店舗でもリピーターを増やすというような指標があるので、そういった部分ではもちろん活用しています」。ただし、EC側のデータを店舗が活用する仕組み作りはこれからだと越智さんは述べています。「来期の戦略改修の中に入っているんですが、事前にアプリの方で得た情報というのが、店舗に来た時にちゃんとサービスに活かされるように取り組んでいます」

実店舗でのアプリ活用と新たな接客構想

越智さんによると、「nano・universe」では年間約80万回のチェックインが発生するそうですが、現在、入店とチェックインをしたユーザーに対して、モバイル上でも「接客」するシステムを開発しているそうです。

「当たり前なんですけど、店舗はすごくアナログなんですよね。店舗でのレコメンド手段は、ユーザーが事前にWebでいろいろ見てきているにも関わらず、全くパーソナライズされていません」。EC上の機能として当たり前にある「人気コンテンツ」や「レコメンド」を店頭の顧客にも提供できるようにしたいと、越智さんは説明します。

「『接客』というのはどちらかというと最後のコンバージョンの決め手であるべきで、ユーザーが欲しい商品を見つけた後に、サイズなどそういう最後の悩みに対して答える機能だと思います。ただ、そのコミュニケーションが好きな人とそうではない人がいて、体験がすべてなのに、過剰な接客が体験を損なってしまうと良くありません」。

ナノ・ユニバースの来季の企画として、アプリのテクノロジーを活用して店内の「おすすめ商品」を入店ユーザーに提示したり、品番号から「今日のコーディネート」を作成して提案したり、あるいは、チェックインと同時に店舗スタッフが過去の接客情報を確認できるようにすることで、より細かい接客ができるような仕組みを考案していると、越智さんは新たな接客構想を語ってくださいました。

Adjustの「アンインストール・再インストール機能」でリテンションを改善したい

最後に、越智さんが今後検討しているAdjustの機能を伺ったところ、「アンインストール・再インストール機能」に興味があるのだそうです。「累計ダウンロード数だけを追いかけるのは、非常に危険」だとし、次のように述べています。「基本概念として累積ダウンロードは絶対必要ですが、Adjustを入れてからのダウンロード数をちゃんと見ているので、累計ダウンロードは、ほぼ社内的には言葉として上がらなくなっています。我々としてはある程度適正に見ているかなと思いつつ、じゃあ、どういうふうにどういうことでアンインストールされるのか。今後、新規顧客を一気に掴むための新規入会キャンペーンなどを実施すると思うので、その翌月のアンインストール値を確認できたらいいですね。キャンペーンがどういう内容であったらリテンションが良くなるかなど、とても大事だと思います」

さいごに

今回は、ナノ・ユニバースの越智さんより、実店舗とECが相互に成長していくためのアプリビジネス戦略について、興味深い事例をお話しいただきました。ファッション・アパレル業界だけではなく、他の業界のマーケターの方々にもぜひご参考いただければと思います。ナノ・ユニバースに導入いただいているAdjustについての一般的なご質問や、この事例でふれたAdjustによるイベント設計、「アンインストール・再インストール計測」、ネットワークと連携したリターゲティング施策などにご興味がある方は、Adjustまでお気軽にお問い合わせください。

Adjustは50,000を超える世界中のアプリから信頼をいただいています