ブログ Conversion Hubのアドバンスト設定でSKANを最大限活用する方法

Conversion Hubのアドバンスト設定でSKANを最大限活用する方法

Adjustはこの度、SKAN(SKAdNetwork)ソリューションスイートの一部である「Conversion Hub」をフルリリースしました。Conversion Hubは、スマートで簡単、かつ効果的なconversion valueマッピングを実現するAdjustのオールインワンソリューションであり、その機能はDatascapeやSKAN指標、SKAN広告費用、SKANパートナー管理画面によって補完されています。このリリースを記念して、Conversion Hubの核となる2つの機能、スマート設定とアドバンスト設定を紹介するブログ記事を2回にわたってお届けします。1回目となる今回は、アドバンスト設定に焦点を当て、マーケターが効率的で制限のない、複雑なconversion valueマッピングを活用する方法について解説します。

SKAdNetwork(SKAN)に精通した経験豊富なマーケター向けのアドバンスト設定では、複雑な条件や粒度の高いCVを無制限に作成し、より高いレベルのマーケティングを実施することができます。Conversion Hubのアドバンスト設定は、一括マッピング、収益ソースとconversion valueの紐付け、各conversion valueへのタイムインターバル コンディションのマッピングなど、Appleのあらゆるconversion value機能をフルサポートするソリューションです。それでは、アドバンスト設定の仕組みと、2023年のiOSキャンペーンのパフォーマンスを最大化するための方法を詳しく見ていきましょう。

iOSキャンペーンの完全最適化とSKANインサイト

SKANと自社アプリのユーザージャーニーを熟知しているマーケターは、最大限のインサイトを引き出して、より強力なiOSキャンペーンを実施するための高レベルな機能を必要としています。こうしたマーケターは、収益データに直接結びつかないとしても、アプリ内のどのイベントの組み合わせが価値の高いユーザーをもたらすかを正確に把握するための情報をすでに持っているかもしれません。また、そのイベントがいつ発生するかが確認でき、インストール後6〜8時間でユーザーが特定のイベントを実行した場合、そのユーザーが長期的に見て価値の高いユーザーになることを確信しているでしょう。

このような粒度レベルの情報を取得するには、非常に具体的で複雑なconversion value設定が必要です。Adjustは、SKANの新たな機能やユーザープラクティス、パートナーのインサイトに基づき、Conversion Hubを効果的かつ包括的な機能を備えたツールへと進化させました。その核となる機能であるアドバンスト設定では、タイムインターバル設定や、同一のconversion valueに複数のコンディションをマッピングする機能、イベント数またはセッション数をマッピングするオプション、任意のCV設定を自由にマッピングするオプションをご利用いただけます。どれだけ高度かつ複雑な条件でconversion valueを設定したいかに関わらず、クライアントのニーズに応えるためのさまざまなツールが用意されています。制限に縛られることなくSKANマーケティングとconversion value設定ができる時が来たのです。

またAdjustでは、63のconversion valueのマッピングが煩雑な作業であることに目を向け、一括マッピング機能を導入することで作業のスピードアップを図りました。このツールは、一度に複数のconversion valueを選択して条件を割り当てられる機能です。例えば、マッピングのベースとなるのが収益範囲であり、最小値と最大値がわかっている場合、収益範囲の線形または指数分布を選択することで、すべてのconversion value(または定義したサブセット)に対してこれらの収益範囲を割り当てることができます。なお、クライアントの状況に適している場合や、アプリのフロー上最も理にかなっている場合は、6ビットのマッピングも利用可能です。Conversion Hubでは、アプリ固有のニーズに合った最適な設定が選べます。

アドバンスト設定の使用事例:生鮮食品デリバリーアプリ「Amazing Groceries」

ここからは、Adjustのデモアプリ「Amazing Groceries」を例に、アドバンスト設定の機能と、それを活用して制限なく複雑なconversion valueマッピングを行う方法を紹介します。Amazing GroceriesのマーケターはSKANの経験が豊富で、conversion valueの全容と可能性を把握しています。また、ユーザー獲得や継続率、さらにROIを向上させるために、CV設定を継続的に最適化したいと考えています。さらに、複雑なconversion value設定を作成・最適化して、iOSキャンペーンに関連するアプリの主要な指標をできるだけ正確に反映したSKANインサイトを収集することを目的としています。

Amazing Groceriesの戦略で重点が置かれているのは、クロスプラットフォーム/ネットワーク計測、ユーザー獲得、アプリ内イベント、キャンペーンの粒度です。食材ボックスの定期購入キャンペーン、季節の変わり目セール、プレミアム配送、店舗受け取り機能のリリースなど、複数のキャンペーンを実施しています。商品検索、買い物かごへの追加、商品閲覧、リスト閲覧、チェックアウトなど、複数のアプリ内エンゲージメントイベントを対象とし、「購入完了」が収益イベントとして計測されます。

Amazing Groceriesは、アドバンスト設定の以下の機能を活用することで、既存の戦略を疎かにしたりリスクにさらしたりすることなく、SKANの専門知識をさらに深めることができます。

  1. Conversion Hubでは、ユーザー登録からアプリ内サブスクリプションまで、ユーザージャーニーの全ステップにおけるイベントファネルを簡単に計測できます。
  1. 特定のタイムインターバルを計測することも可能です。時計アイコンをクリックすると、インストール後どのタイミングで特定のイベントや収益が発生したかという条件を付け加えることができます。一般的に、クライアントがインストール後の特定期間内のイベントのみを計測したい場合、その期間外に発生したイベントや収益はconversion valueを更新しません。よって、この機能を使用することでより具体的なデータを取得できるようになります。例えば、インストール後12時間以内にあるユーザーが「ユーザー登録」を行わなかったとします。するとAmazing Groceriesのマーケターは、そのユーザーが今後アプリに価値をもたらす可能性は低いと考え、conversion valueを小さく設定した条件と合わせて、12時間のタイムインターバルをあらかじめ追加します。
  1. 関連するイベントを選び、アプリのユーザーにとって有意義なカウント範囲を割り当てることで、セッションとイベントのカウントを簡単に計測することができます。Amazing Groceriesは、カウントのイベント計測をより小さなconversion valueに割り当てています。これは、フローの初期段階でユーザーがこれらのアクションを少なくとも一度は実行する可能性が高いためです。一方で、収益計測はより大きなconversion valueに割り当てられています。
  1. 一括編集では、63のconversion valueすべてを数秒でマッピングできます。例えば、総収益(アプリ内購入と広告収益)を計測する場合、Conversion Hubは最適な配分を計算し、最大限レベルの粒度でこの収益を計測します。以下の例では、総収益が大きなconversion value(CV 51〜62)にマッピングされているのがわかります。なぜなら、アプリ内収益や広告収益が同じユーザーから発生した場合、マーケターはどのクライアントがどの収益バケットに属するかを把握したいと考えるためです。
  1. Conversion Hubの強みであるフルサポートを活用して、Amazing Groceriesはconversion valueにマッピング可能なあらゆるタイプの条件を利用できます。例えば、収益をイベントやセッションと一緒にグループ化する際、以下の「CV 63」のように、フルマッピングに必要な条件を活用することが可能になります。

Conversion Hub、アドバンスト設定、スマート設定、さらにSKANソリューションスイートのその他の機能を活用してSKAN戦略とiOSパフォーマンスを促進させる方法についてご質問がある方は、今すぐAdjustまでお問い合わせください。

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