ブログ フリーミアムアプリの作り方:注目したいメリットとベストプラクティス

フリーミアムアプリの作り方:注目したいメリットとベストプラクティス

アプリ内購入や月間サブスクリプションプランなど、アプリの価格モデルや収益化モデルを開発することは、どのマーケットのアプリ開発者にとっても重要です。しかし、持続可能性があって収益性と質の高いユーザー体験をバランスよく両立させる価格モデルを見つけるのは大変です。このガイドでは、フリーミアムアプリのサブスクリプションモデルについて、マーケターなら知っておきたいポイントをすべて紹介します。

フリーミアムアプリ収益化モデルとは?

フリーミアムは、アプリを無料で経験する機会をユーザーに提供する価格モデルです。ユーザーは特定の機能を持たないアプリを無料で使用し続けるか、あるいはサブスクリプションサービスやアプリ内購入によって課金し、プレミアムコンテンツにアクセスするかを選択できます。

フリーミアム収益化モデルの大きな利点は、ユーザーがお金を払ってインストールする必要があるアプリよりもはるかに大きな規模でユーザーを獲得できることです。また、サブスクリプションの収益は2020年に130億米ドルに達し、このモデルの人気は上昇しています。これは、前年と比較して33億ドルも増加しました。Netflix、Spotify、最近ではEpic Gamesなどの主要なアプリが、サブスクライブ機能やApp Store、あるいはGoogle Playストアを経由して課金する機能を削除していることを考えると、この成長は顕著です。

フリーミアムモデルを採用する場合、収益化戦略を広範囲にわたってテストし、レビューや最適化をする必要があります。ユーザーが望む課金方法やユーザーにサブスクリプション登録を促す追加機能を特定しましょう。また、顧客の意見を分析することも、より多くの収益を生み出してユーザーエクスペリエンスの課題を特定するための良い方法です。

フリーミアムモデルを採用する利点

フリーミアムモデルはさまざまな形でマーケティング目標の達成に役立ちます。フリーミアムアプリを収益化する5つの利点は次のとおりです。

  1. より大きなオーディエンスにリーチできる

    ユーザーは無料アプリをより好んでダウンロードしており、このことはモバイルマーケターにとってもいくつかの利点をもたらします。たとえば、オーディエンスの一定の割合は有料アプリをインストールしませんが、ブランドに慣れ親しめば、フリーミアムアプリのサブスクリプションへの出費を促すことができます。もう1つの利点は、オーディエンスが拡大すると、より多くのデータを分析してマーケティング戦略を最適化できるようになることです。

  2. 収益化戦略を組み合わせて、潜在的な収益の最大化を図る

    アプリのマーケターは、必ずしもサブスクリプションに興味をもっていないユーザーでも収益化できる可能性があります。アプリ内広告やアプリ内購入は、複数の収益ソースを実現するためにフリーミアムアプリと合わせて使うことができる他の収益化モデルです。

    ユーザーがお金を払ってアプリのエクスペリエンスを向上させ、アップグレードしたいと思ったとき、広告を削除する機会やアプリ内購入で割引する機会があれば、効果的なインセンティブになります。

  3. 大ヒットするチャンスが増える

    多くのマーケターは、大半のユーザーはアプリをアップグレードしないことを想定していますが、この点をあまり心配する必要はないかもしれません。なぜなら、アプリを開くユーザーが増えると、アプリはさまざまな方法でバイラル広告を無料展開できるようになるからです。アプリ内広告による収益創出に加え、こうしたユーザーがブランド認知と肯定的な口コミによるオーガニックインストール増加に貢献します。

  4. 肯定的なレビューを最大限に活用できる

    理論上、ユーザーはアプリストアで良いサービスを提供する無料アプリに関して、肯定的なレビューを書く傾向があります。これは、ASOの取り組みに役立ち、カテゴリーランキングを押し上げ、アプリストアの評価を通じて生成されるオーガニックインストールの数を増やします。

  5. コストを削減する

    アプリの機能を階層別に分けると、顧客生涯価値(LTV)が高いユーザーに配慮してリソースを割り当てることができます。無料バージョンでも問題なく動作してユーザーのニーズに応えることが重要ですが、アプリのペイドユーザーや機能の最適化を最優先することができます。このようにして、モデルが収益を生むために必要な運用価格を決定できます。

フリーミアムアプリとサブスクリプションモデルの3つの例

フリーミアムアプリのための収益化モデルはさまざまな方法で開発できますが、その採用方法はアプリのカテゴリーによって決まります。ここでは、人気のフリーミアムアプリとそのサブスクリプションモデルの実例を3つ紹介します。

デート(マッチング)アプリ:Tinder

2021年2月時点で、Tinderは53.8%のデート市場シェアと、6,600万人の月間アクティブユーザー数(MAU)を獲得しています。この数値をもたらした要因の1つはデートアプリの無料アクセスだと考えられます。

  • Tinderでは、複数のサブスクリプションプランを提供しています。ユーザーは無料でアプリをダウンロードし、潜在的なマッチをスワイプし、年齢と距離に関する好みを設定できます。ただし、ユーザーが(別のユーザーとのマッチングを回避するために)左にスワイプすると、そのプロファイルは完全に消失します。ユーザーが1日にライクできる数にも制限があります。すべて無料であるこれらの機能とともに、Tinderはデートオーディエンスに対して複数の有料サービスをアップグレードとして提供しています。
  • Tinder Plusは、ライクが無制限、「リワインド」して以前にスワイプしたユーザーを見つける機能、より多くの「Super Like(スーパーライク)」を与えるプレミアム機能です。Super Likeは通常のマッチよりも目立つように設計された限定的なライクで、ユーザーのマッチングの可能性を高めます。また、ユーザーは、アプリでの認知度を月に1回高め(ブースト機能)、広告なしで利用することができます。
  • Tinder Goldは、Tinder Plusのすべての機能に加え、誰が自分をライクしたかを確認する「Likes You」などの機能を提供しています。

TinderのMAUのうち、660万人(10%)が有料サブスクライバーです。Tinderは、ユーザーがアプリに望むことに応じて、さまざまなサブスクリプション階層を提供してユーザーを引き付けることで、これを実現しています。Tinder Platinumは、ユーザープロファイルが潜在的なマッチに優先的に表示される「Priority Likes」、マッチする前にSuper Likesにメッセージを送信できる「Message Before Match」など、さらに多くの機能をユーザーに提供します。

エンターテイメント:Spotify

Spotifyは、(2021年第2四半期)時点で3億6,500万MUAと、音楽ストリーミング界の巨人としての地位を短時間で確立しています。さらに、ユーザーのうち1億6,500万人がプレミアムサービスのサブスクライバーで、前年より20%増加しています。

Spotifyのフリーミアムモデルでは7,000万以上のトラックと2,900万以上のポッドキャストを無料でストリーミングできますが、ある一定のリスニング時間が経過した後か曲がスキップされた後に、広告が表示されます。サブスクリプション登録をしたユーザーは、広告なしでサービスを利用でき、トラックをダウンロードしてオフラインで聴くことができます。Spotify Premiumは最初は無料トライアルとして使用できますが、トライアル後は、個人、ペア、家族、学生向けのさまざまな価格プランが用意されています。

Spotifyの多様なサブスクリプションプランは、ユーザー個々のニーズに応じる方法を示す好例です。このアプローチが利益を生んでいます。Spotifyの四半期収益(2021年第2四半期)はプレミアムユーザーだけで20億ユーロに達し、さらに2億7,500万ユーロが無料版の広告ストリーミングによって生み出されました。

健康とフィットネス:My FitnessPal

MyFitnessPalは2億人のユーザー数を確保している健康とフィットネスアプリです。2020年は、1億2,800万ドルの収益を達成しました。MyFitnessPalを無料インストールすると、ユーザーは食事を記録する機能にアクセスできます。さらにMyFitnessPal Premiumにサブスクリプション登録すると、カスタマイズ可能なゴール設定機能やガイド付きのフィットネスプラン、より詳しいパフォーマンス分析やインサイトが提供されます。サブスクリプション登録者は、進捗状況をCSVファイルでエクスポートし、日々のカロリー目標を調整することもできます。

MyFitnessPalの広告なしサブスクリプションモデルは、2021年7月以降で600万ドルの収益と80万回のダウンロードと、この価格モデルを検討しているあらゆるアプリにとって、フリーミアムモデルが強力であることを証明しています。

フリーミアムアプリの作り方:5つの効果的な活用方法

1. KPIを定義する

KPIを定義することは、ターゲット全体に迅速にリーチするのに貢献するだけでなく、どのイベントを計測するかを特定するのにも役立ちます。フリーミアムアプリはオーディエンスへ大規模に広告展開ができる場となりえるため、ユーザー獲得コストチャネル(CAC)、継続率、離脱などのKPIを検討することをおすすめします。このKPIを基に、非課金ユーザーを課金ユーザーファネルへ導く施策を策定します。

また、適切なイベントを計測することで、アプリサービスを改善するための方法を特定できます。たとえば、Spotifyが曲数あたりの広告頻度を変え、離脱率が上昇した場合は、その分析に基づいてこの頻度を再調整することができます。

2. ユーザーに有料プランの無償トライアル期間を提供する

ユーザーにとって、無料サービスと有料サービスには大きな違いがあります。そのため、無料トライアルの提供は2つのサービスをつなぎ、ユーザーがプレミアムバージョンの利点をより深く理解できるようにするための有益な方法です。はじめに無料トライアルを試すことでユーザーは有料機能を利用する価値があることを確信でき、マーケターは長期サブスクリプションに関心を持っている可能性がある多くのユーザーのインサイトを得られます。

3. アプリの無料バージョンを過小評価しない

サブスクリプションを促進して収益を生み出すことが目標であっても、アプリの無料バージョンの重要性を過小評価せず、ユーザーファネルの重要なステップのひとつだと考えてください。ユーザーは、サブスクリプションにコミットする前に、アプリの機能とUXを十分に理解する必要があります。アプリの無償版の品質がよく、ユーザーにとって貴重なものであることを確信してもらうことで、大きなMUAを獲得でき、それが有料サブスクライバーの増加につながります。無料バージョンとサブスクリプションプランの両方でポジティブなユーザー体験を提供することが大切であり、無料バージョンからさらに優れた機能にアップグレードするためのオプションと合わせて提供する必要があります。

4. 市場調査

競合のフリーミアムアプリのパフォーマンスを調査することは、アプリの成功事例と陥りやすい過ちを知るための良い方法です。また、無料バージョンとサブスクリプションパッケージでどの機能がユーザーに提供されていないかを検討したいものです。そこから特定の機能を自社の無料バージョンに含めるよう検討するなど、より包括的なサービスを競合アプリのユーザーに提供することができます。

5. データの精度を高めてサブスクリプションビジネスを成長させる

適切なチャネルに投資し、離脱を防止し、ユーザーLTVが向上していることを確認するには、顧客のライフサイクルと収益が生み出される仕組みを理解することが必要です。Adjustのサブスクリプション計測ソリューションは、最も精度の高いデータを1カ所に集約し、サブスクリプションビジネスの成長に貢献する機能です。

さらに詳しく知りたい方は、アプリ収益化のトレンドに関する完全ガイドをご覧ください。または、モバイルアプリトレンドレポート2021で、業界インサイトの最新情報をご確認ください。

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