ブログ ハイパーカジュアルゲームアプリを成功させる方法

ハイパーカジュアルゲームアプリを成功させる方法

ゲームパブリッシャーのVoodooが驚異的なダウンロード数の増加を達成し、2017年にGoogle、Facebookに続く世界第3位のゲーム開発企業となったとき、ハイパーカジュアルゲームは業界のバズワードとなりました。ハイパーカジュアルゲームには需要があり、非常に大きな成功を収める可能性があることが明らかになったのです。それ以降、人気はとどまることを知らず、年間で20〜25億ドルの収益を生み出しています。

この記事では、ハイパーカジュアルゲームアプリの開発と収益化、および業界に参入するために必要なツールなど、このタイプのモバイルゲームについて知っておきたいポイントを解説します。

ハイパーカジュアルゲームとは

ハイパーカジュアルゲームは、ものを積み重ねたり、回転させたり、あるいは落下させたりなどのシンプルなメカニクス(ゲーム内の挙動を規定する機能とルール)を用いた、簡単にプレイできるモバイルゲームです。このタイプのモバイルゲームは、ユーザーがすぐにタップしてプレイできるように軽量設計されており、オンボーディングも最小限で済みます。これが上手く行われると、ハイパーカジュアルゲームのシンプルさはユーザーにとって非常に魅力的で、何度もプレイしたくなります。

ハイパーカジュアルゲームは、ターゲットとなるオーディエンスによっても定義されます。ハードコアゲームは、1つのゲームに多額を出費するロイヤルユーザーをターゲットにしますが、ハイパーカジュアルゲームは市場全体のユーザーにアピールします。優れたアクセシビリティとシンプルなメカニクスにより多くのユーザーを惹きつけ、フリーミアムな収益化モデルでビジネスを生み出します。

ハイパーカジュアルゲームは通常、1つのメカニクスと最小限のインターフェイスを備えています。ユーザーがハイパーカジュアルゲームアプリを起動した時、数秒以内にゲームにアクセスできることが重要です。ゲーム自体がシンプルなため、見た目が美しく、満足してもらえる進行モデルを兼ね備えていなければなりません。このようなゲームは、短いセッションで何度もプレイできるように設計されています。また、ゲームのデータ容量が少なく済むためデバイスの負担にならず、よってアンインストールの可能性も低くなるのが利点です。

昨年のAdjust Mobile Spreeでは、Adjustのプロダクトマネージャーであるポール・シンが、業界のエキスパートとハイパーカジュアルゲームの台頭について対談を行いました。その中で、Miniclipのユーザー獲得責任者、ジョナサン・ウィンターズは、ハイパーカジュアルゲームの人気について次のように述べています。「このタイプのゲームは、大量生産、高速生産を重要視して開発されています。業界のトッププレイヤーは複数のタイトルを同時にリリースしています。」より詳しい専門家のインサイトについては、以下の動画をご覧下さい。

ハイパーカジュアルゲームの作り方

ハイパーカジュアルゲームを作成する前に、ゲーム開発の基本を学ぶことが重要です。これには、開発に必要な技術的適性やゲームのメカニクス、最適な結果を得るためのテストの重要性が含まれます。

コーディングせずにハイパーカジュアルゲームを作成する方法

コーディングの知識がなくても、ハイパーカジュアルゲームを作成することが可能です。例えば、オンラインコミュニティがある無料プログラミング学習ツールScratchでは、インタラクティブなゲームを作成することができます。このツールはプログラミングの核となる概念を理解するのに役立ちます。また、Unityが買収したBoltなどのビジュアルスクリプティングツールは、コードを書きたくないゲーム開発者向けに特別に開発されました。コードを書かずにハイパーカジュアルゲームを作成してみたい人のために、オンラインコースも提供されています。

ハイパーカジュアルゲームの9つのメカニクス

ハイパーカジュアルゲームの開発に取り組む前に、ゲームを機能させるメカニクスを学ぶことが不可欠です。典型的なハイパーカジュアルのメカニクスはシンプルで基本的なジオメトリを使用しています。ユーザーを惹きつけるゲームを作成するための9つのメカニクスの例を、以下にご紹介します。

1. タイミングメカニクス

「タップメカニック」とも呼ばれるこのメカニクスでは、ユーザーが適切なタイミングで画面をタップしてアクションを完了させなければなりません。例えば、「Run Race 3D」のユーザーは正確にジャンプするために画面をタップします。

このメカニクスは、速度を上げてゲームの難易度を上げるためにも使用できます。1983年にリリースされた「マリオブラザーズ」や1991年のセガジェネシスの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」など、大人気アーケードゲームと同様のエクスペリエンスを実現できます。

2. 上昇・落下メカニクス

このメカニクスは、デジタル環境で上昇または落下するオブジェクトを表示します。例えば、Voodooの「Helix Jump」では、ユーザーが障害物を次々と避けて行かなければならない跳ねるボールのような錯覚を作り出します。

上昇・落下メカニクスで、プレイヤーがオブジェクトや環境をコントロールできるようにすることもできます。速度を上げるなど変数を変更して、さらにゲームの難易度を上げることも可能です。

3. パズルメカニクス

このタイプのハイパーカジュアルゲームでは、ロジックを適用してモバイル画面上でオブジェクトを正しく配置することが求められます。例えば「Roller Splat!」は、どんどん難しくなるコースでボールを転がすゲームです。

パズルメカニクスを使ったハイパーカジュアルゲームでは、難易度とアクセシビリティのバランスを保つことが重要です。ゲーム開発者は、ゲームの難易度を徐々に上げつつも、全てのレベルに同じロジックを適用するように心掛けなければなりません。セッションの途中でパズルのデザインを変えると、ユーザーが苛立ちを覚えてゲームに興味を失ってしまう危険性があります。ゲームのチュートリアルを用意する必要はありませんが、ゲーム開発者は最初のいくつかのレベルでユーザーがゲームの性質を学べるようにゲームをデザインするといいでしょう。

4. 積み重ねメカニクス

これはユーザーがオブジェクトを積み重ねていくゲームです。このメカニクスを使うゲームは、他のメカニクスを併用して使う場合が多くあります。例えば、ユーザーはオブジェクトを正しく積み重ねる前にオブジェクトを変形または回転させなければなりません。ユーザーがより大きなオブジェクトを構築している場合、積み重ねメカニクスによってインセンティブが得られます。

5. アジリティ(敏捷性)メカニクス

タイミングゲームと混同しがちですが、アジリティゲームでは速く、正確にモーションを繰り返す必要があります。例えば、「Timberman」はユーザーが枝にぶつからないようにしながら木を切り倒すゲームです。

6. 成長メカニクス

このタイプのメカニクスを使うゲームでは、ユーザーは最も大きいオブジェクトとなって吸収することで先に進みます。こうしたゲームで昔から人気なのが、ヘビがオブジェクトを食べることで体長が伸びる「Snake」というゲームです。これに比べて現代のゲームははるかに洗練されていますが、基本的な原理は同じです。

7. 回転メカニクス

回転メカニクスを使うゲームでは、ユーザーは3D環境で左右に回転することが求められます。このメカニクスを使うと、他のゲームよりも難易度が上がる可能性があるため、回転メカニクスを使う場合は簡略化されたコントロールを実装することが重要です。

8. 方向転換メカニクス

これが回転メカニクスと異なるのは、ユーザーが特定の要素を回避しながら、モバイル画面上でオブジェクトを正確に操作できる点です。例えば「Aquapark」では、ユーザーはウォータースライダーを滑り降りるキャラクターを操作しなければなりません。ただし、コース外にそれてトラックのコーナーをスキップすることもできます。

9. マージメカニクス

マージメカニクスを使うゲームでは、満足できるゲームの進行モデルが重要となります。例えば「Merge Dogs」では、ユーザーが2匹の犬をより価値の高い品種に交配するゲームです。

このゲームの目的は、似ている2つのオブジェクトを見つけて、それらを使ってより価値のあるものを作り出すことです。マージメカニクスを使うハイパーカジュアルゲームは、マージプロセスおよびゲームの進行状況に対してユーザーの関心を維持させるために、見た目が美しくなければなりません。このタイプのハイパーカジュアルゲームでは、複数のメカニクスを採用する場合もあります。例えば「Merge Dogs」では、ドッグレースで犬同士を競わせることもできます。

ハイパーカジュアルゲームのパフォーマンスをテストする

優れたハイパーカジュアルゲームを作成するために重要な要素の1つは、ゲームの難易度とプレイのしやすさのバランスです。すぐにゲームを開始できるのが重要である一方、開発者は、難しすぎたり簡単すぎたりするゲームを作りたいとは思わないはずです。そのため、開発者はさまざまな速度でメカニクスのA/Bテストを行い、ユーザーを苛立たせることなくゲームに夢中にさせる最適なバランスを見つける必要があります。さらに、ユーザー体験を損なうことなくアプリを収益化する方法もテストしなければなりません。

ハイパーカジュアルゲームの収益化

ハイパーカジュアルゲームを成功させるには、収益化が不可欠です。このジャンルはアプリ内広告により収益を生み出すため、実装可能な広告の種類と、それらがどのようにユーザーエクスペリエンスに組み込まれるかを理解しておくことが重要です。

3種類の広告フォーマット

  1. 動画リワード広告
    広告ネットワークUnity Adsが市場で「最も多くの収益を生み出すフォーマット」と呼ぶこの広告フォーマットは、広告を閲覧したユーザーにインセンティブを付与します。例えば、30秒の動画広告を見たユーザーにゲーム内の通貨またはライフポイントを付与する、などです。インセンティブを受け取ったユーザーはそれを使ってゲームを進めることができ、ユーザー、広告主、パブリッシャーにとってもwin-winのシナリオとなります。OpenXの調査では、77%のユーザーが、割引を受けるためには30秒の動画広告を見ると回答しました。動画リワード広告の実装は、継続率とセッション時間を向上させるのにも賢明な方法です。
  2. バナー広告
    一部の広告主は、ユーザーがバナーを無視してしまう「バナー・ブラインドネス」にうんざりしているかもしれませんが、モバイルバナー広告はハイパーカジュアルゲームの収益化に使用できます。Liftoffの調査によると、この従来の広告フォーマットは、その広告キャンペーン向けに特別に作成されていない動画広告よりも効果的である可能性があります。さらにこの調査では、Androidのインストール後のエンゲージメントに関してはバナー広告がネイティブ広告よりも優れていることが明らかになりました。
  3. インタースティシャル広告
    インタースティシャル広告はスクリーン全体に表示されるため、ユーザーが必ず目にすることになります。この広告フォーマットは静的フルスクリーン広告ですが、動画、店舗検索機能、再生可能なコンテンツなども含めることができます。Mobile Free To Playのディレクターであるトム・キニバラは、GameAnalyticsの記事で次のように述べています。「プレイアブル広告は、ゲームをいなくてもユーザを楽しませることができるため、優れたパフォーマンスを発揮します。」さらに同氏は、広告がゲーム内に違和感がないかたちで配置される必要があると言います。「プレイヤーのインタラクションや体験を適切に把握しているアドネットワークは、高いクリック率とコンバージョン率を保持しつつ、ユーザーがより長い時間プレイするハイパーカジュアル広告を生み出しています」

開発者は、ユーザーがハイパーカジュアルゲーム上のインタースティシャル広告をスキップできるようにするかどうかを決めなければなりません。広告をスキップできればユーザー継続率とアプリ滞在時間は向上するかもしれませんが、収益に大きな影響をもたらします。開発者は広告に対してA/Bテストを行い、これらの指標において優れたパフォーマンスを保ちつつ、収益を確保できる適切なバランスを見つけることが重要です。

広告フォーマットの種類についてより詳しく知りたい場合は、アプリに最適な広告フォーマットを選択する方法(英語のみ)をご覧下さい。合わせて、Adjustのコントロールセンターが広告管理に役立つ方法およびアプリの収益化ガイド(英語のみ)もご覧下さい。

Adjustの最新情報をお届けします