ブログ 同意率と広告収益を調査:iOS 14の真のインパクト

同意率と広告収益を調査:iOS 14の真のインパクト

1ヶ月前にiOS 14.5がリリースされましたが、それがモバイルアプリ開発者とマーケター、そして業界全体に与える影響が明らかになってきました。Adjustはアップデートの公開と同時にデータ分析を開始し、それに伴う変更や動向の全体像を把握して、最新情報を共有してきました。iOS 14.5の影響は、アトリビューションだけではなくより広範囲に及んでいます。現在、AdjustはAppLovinと共同で、このアップデートがターゲティング広告と広告収益にどう影響しているかを調査しています。

この記事では、ユーザーの同意率、SKAdNetwork、広告収益の影響など、業界で話題になっているトピックについて取り上げます。AppLovinのデータを詳細に分析し、今回の変更がアプリエコノミーに与える影響について解説します。

同意率

iOS 14.5以降、アプリが複数のWebサイトやアプリを横断してターゲティング広告を配信するには、エンドユーザー(デバイスを使用している人)に同意をリクエストする必要があります。1ヶ月前のリリースから掲載された複数の記事によると、世界的に見たユーザーの同意率はわずか5%に留まっていると言われていました。しかし、AppLovinの自社スタジオのアプリで収集したデータを分析して見えてきた現実は、これよりはるかに楽観的です。

人気ゲームでの調査結果

ユーザーの同意率はアプリによって異なりますが、全体的な平均同意率は当初の予測を大きく上回りました。その理由として、初期に報告された複数の調査のように、明示的に同意をリクエストしたアプリのみを対象にするのではなく、全体的な数値(同意をリクエストしたアプリから、同意フローが未実装、または、未計画のため同意リクエストをしなかったアプリまで)を基に算出したためであると考えています。

主な調査結果

1.広告経由のインストール率の高いアプリは、同意率も実質的に高くなる

消費者は、関連性のある広告を通じて、これらのゲームを見つけています。というのも、興味のあるコンテンツをこの手段で見つけることに慣れているからです。たとえば、上記の「Animal Transform」と「Save the Girl!」は、広告経由で消費者が見つけているハイパーカジュアルゲームです。このユーザーの大部分は、広告からゲームにたどり着いているため、さらにそのゲーム内で表示された広告から関心のあるゲームやアプリを見つける可能性が高いと考えられます。これらのアプリの同意率は、すでに70%以上に達しています。

こうした高い同意率を確保するためには、ユーザーがトラッキングに同意してデータ共有を許可することで、ユーザーがより関連性のある広告を受け取れることのメリットを分かりやすく明確に伝えることが重要です。ユーザーは、そのメリットを経験したことのあるオーディエンスに属しているため、関連広告を受け取ることの価値を納得してくれる可能性が高くなります。データがどう使われるかを明確に伝えることで、ユーザーは情報に基づいた意思決定ができるのです。

2.同意率は時間が経つにつれて増加する

一般的な意見とは反対に、iOS 14.5以降のバージョンの普及が進むにつれて、同意率は上昇傾向にあります。現在、iOS 14.5の普及率は15%以下です。しかしAdjustでは、このアプリバージョンが普及するにつれて、より多くのアプリがユーザー同意をリクエストすることで、ユーザーが関連性のある広告のメリットをさらに理解でき、結果としてオプトイン率が増加するのではないかと考えています。

現在のデータに基づいたAdjustの予測では、同意率は平均40%ほどになり、その後、50%まで上昇する可能性があるとみています。

SKAdNetwork

iOS 14のリリースに備えてAppleは2020年6月にSKAdNetworkを発表しましたが、その時の業界の反応は、今後のアトリビューション計測は正確性に欠け、パブリッシャー間で普及しにくいのではないかというものでした。iOS 14の当初の発表からiOS 14.5のリリースまで時間があったため、アプリエコシステムはこれらの変更に対応するモデルやソリューションを開発し、対策をすることができました。

iOS 14.5のリリース以降、AdjustはSKAdNetworkのダウンロードや再ダウンロードに関するテストをしています。そこで明らかになったのは、新しいアトリビューション計測の正確さは、従来のものとほぼ変わらないということです。iOSの広告在庫の大多数がすでにSKAdNetworkをサポートしており、Adjustはこれらのコンバージョンを正確にレポートできています。結果として、Appleのソリューションは問題なく動作することが分かりました。今後技術が進歩するに伴い、Adjustも引き続き自社ソリューションの機能を強化していきます。また、AppleがSKAdNetworkにどういった機能を追加していくのかに期待したいと思います。

広告収益への影響

iOS 14の発表後にリリースされたレポートでは、業界の大半の企業が、広告収益が50%減少すると予測していました。iOS 14.5が登場した今、Adjustは目に見えるデータに基づいた結果から、広告収益への実際の影響を把握したいと考えました。AppLovinが提供する業界トップクラスのメディエーションプラットフォームMAXが、その影響を調査したところ、まだ同意していないiOSユーザーがCPM(1,000回表示あたりの広告費)の30%減をもたらしていることが分かりました。しかし、オプトインしたiOSとAndroidユーザーがCPMを増加させていることから、収益減は完全に相殺されています。これにより、パブリッシャーの広告収益は増加し、結果としてオプトアウトしたユーザーグループによる収益損失を補っています。

全体的にみて、広告収益への影響は、ないにしてもごくわずかであるように思われます。

この調査結果は、業界が今後も急速に成長し、広告エコシステムが拡大し続けることを示す強力な指標となるでしょう。

この1年半で、私たちの住む世界は目まぐるしく変化しました。iOS 14はアプリ開発者やマーケターのモバイル広告への取り組み方に大きな影響を与えた一方で、同意率やSKAdNetworkの正確性と普及率、さらに広告収益への影響の点では、業界の現状は当初の予測よりもはるかに楽観的なものです。市場と消費者、プラットフォームは、新しい変化に柔軟に対応しています。

iOS 14に関するAdjustの最新インサイトや分析データ、プロダクトリリースについては、こちらのiOS 14リソースセンターをご覧ください。

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