ブログ モバイルアプリ計測の基本「アトリビューション」とは?

モバイルアプリ計測の基本「アトリビューション」とは?

アトリビューション計測は、ユーザーがアプリにたどり着くまでの経緯と、アプリを入手したユーザーのアプリの使用状況をマーケターが理解するための手段です。的確に計測すれば、広告のクリックから実際の購入に至るまでのユーザー行動が可視化されます。

しかし問題もいくつか存在します。例えば、計測に使用されるデータの定義が業界で確立していないこと、モバイルアプリのアトリビューションモデルが複数存在すること(どのKPIを考慮して計測するか)、または、ユーザーが複数の広告に接触した場合の計測方法などです。モバイル業界に蔓延するアドフラウドも深刻な問題です。

この記事では、アトリビューション計測にまつわるデータとアトリビューションの仕組みを、技術的な観点から解説します。モバイルを使ったマーケティングを初めて担当される方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひご覧ください。

モバイルアトリビューションの仕組み

アトリビューションプロバイダーとは、アプリ広告の効果を測定するツールを提供している企業ですが、Google Analyticsのようなツールとの違いは何でしょうか?モバイルアプリのアトリビューションプロバイダーの大きな特徴は、計測にSDKを使用することです。このSDKにより、マーケターは十分な情報に基づいた意思決定をリアルタイムで行えるようになります。例えば、動画広告を経由してアプリをダウンロードしたユーザーの流入元の把握が可能になります。ユーザーがアプリの内部でどんな行動をとっているかを理解し、別のソースから流入した他のユーザーの動きと比較することも可能です。

モバイル計測をとおして、パフォーマンスを発揮するキャンペーンを特定し、どの広告が一番効果が高く、施策を継続する価値があるのかを見極めることができます。これらの情報を基に広告のクリエイティブを最適化したり、リターンが低下した広告を停止したりなどの調整を行います。リターゲティングの実践やターゲットの絞り込みが可能になり、例えば、アプリを一度は使用したものの、現在休眠中のユーザーをセグメント分けして広告を配信することもできます。

アプリユーザーは、さまざまな広告媒体を経由してアプリをインストールしています。ユーザーがいつ、どうやって、どんな理由でアプリにたどり着いたかを計測できなければ、優良ユーザーが流入するネットワークやユーザーの相対的な価値を特定したり、あるいは、広告費がどれだけ不正なクリックやインストールで無駄になっているかを把握したりすることができません。

Adjustのようなモバイルアプリアトリビューションプロバイダーを導入することで、複数の計測パートナーから集めたデータを照合したり調整することなく、1つの管理画面レポートにアクセスするだけでデータ全体を俯瞰でき、詳細な分析ができるようになります。また、Adjustでは購入認証をしたりアドフラウドの防止ができるため、正確で信頼あるデータが入手できます。

アプリユーザーが広告をクリックすると、何が起こるのでしょうか?

例えば、ユーザーがiPhoneを使ってゲームをしていたとしましょう。ゲーム中に動画広告がポップアップ表示され、その動画広告を見た後にCTA(Call To Action、行動喚起)をクリックします。画面はリンク先であったiTunes storeのアプリストアに移動しますが、Adjustにほんの一瞬だけリダイレクトされます。この間に、アトリビューションプロバイダーは、最初のデータポイントである広告のエンゲージメント情報を受け取ります。

リンク(CTA)をクリックしてアプリストアに移動し、アプリをダウンロードして最初にアプリが開かれた時、アトリビューションプロバイダーは次の情報を受信します。

  1. 広告ID – 世界中に存在するスマートフォンやタブレットを特定するための文字列。
  2. IPアドレス – インターネットを経由してデバイスがお互いに通信するための固有のアドレス。
  3. ユーザーエージェント – ユーザーのブラウザとオペレーティングシステムを特定するための文字列。
  4. タイムスタンプ – リンクがクリックされた時間(CTA)。
  5. 初回起動時間 – アプリのインストール後、最初にアプリが起動された時間。

これらの情報を使って、アトリビューションプロバイダーは新規ユーザーか既存ユーザーかを判断します。新規ユーザーの場合、ユーザーのインストールは特定の広告とエンゲージメントに紐付けられます。この判断に必要な情報交換を行う手段は複数ありますが、最も一般的なのは、モバイルアプリにアトリビューションプロバイダーのSDKを組み込む方法です。

アプリはAdjustのSDK(Software Development Kit、ソフトウェア開発キット)によって、Adjustのサーバーとの通信が可能になります。アプリ開発者がアプリのコード内にSDKを組み込む作業を行いますが、これは自動車のオーナー自身が車をアップグレードできるように、メーカーが新しい部品を提供するようなものです。SDKによりアプリとAdjust間の通信手段が確立され、アトリビューションデータをリアルタイムで受信できるようになります。

AdjustのSDKはオープンソースです。アプリ開発者は、自由に利用できるコードをアプリの要件に合わせて編集、変更、改良することができます。AdjustのSDKはGithubで確認いただけます。

アトリビューション:アトリビューション期間とAdjustのアトリビューションモデル

ユーザーがアプリをインストールしたことが確認されると、アトリビューションプロバイダーはインストール前の広告へのユーザーエンゲージメント(クリックやインプレッション)を参照して、マッチングするものがないかを確認します。Adjustでは、過去の全てのエンゲージメントではなく、アトリビューション期間内に発生したものを対象にします。

アトリビューション期間は、パブリッシャーが広告のクリック、またはインプレッション(閲覧)がインストールに結びついたことを主張できる期間です。

例えば、広告主とパブリッシャーの間で「7日間」という期間が合意され、ユーザーがその期間内にパブリッシャーの広告に接触しアプリをインストールしたことが証明できれば、パブリッシャーはインストールに貢献したとみなされ、報酬を受け取ることができます。

アトリビューション期間を設定することにより、コンバージョンが発生するタイミングを理解できます。多くの場合、ユーザーが広告を閲覧してから実際にアプリをインストールするまでに時間差があります。例えば、朝の通勤中にFacebookの広告を見て知ったゲームアプリに興味を持ちますが、仕事中は忙しいので、時間ができた夕方の帰宅途中にそのアプリをインストールする場合です。アトリビューション期間の設定機能は、広告を見てすぐに行動しなかったユーザーもアトリビューションの対象に包めることができるツールなのです。

Adjustは、アトリビューション期間内のデータを遡って探すため、最小限の情報でアトリビューションに有効なデータを見つけ出します。

  1. 広告ID:はじめに、同じ広告IDを持つ広告がクリックされていたかどうかを確認します。iOSの広告IDはIDFA、AndroidはGPS ADIDと呼ばれています。
  2. Androidリファラー:Androidの携帯端末の場合において、Adjustは、ユーザーをストアへリダイレクトさせる際に(クリック毎に)固有の値を付与し、Adjust SDKに実装されているGoogle Playストアのリファラー経由でその値を取得します。その値をもとに、クリック時のユーザーとアプリ初回起動時のユーザーが一致しているかどうかを確認できます。これらのIDは一時的なものではなく、広告IDと同様に正確です。
  3. クリックベースのフィンガープリント:上記のデータが利用できない場合、Adjustは同じIPアドレスとAdjust SDKで取得できる端末情報(デバイス名、OS、バージョン、言語設定など)を持つクリックがなかったかどうかを確認し、共通する端末情報が最も多いクリックに対してアトリビュートします。なお、IPアドレスは動的で、ユーザーが移動した場合などに変化するため、アトリビューション期間はより短く設定されています。
  4. インプレッションベースのデバイスマッチング:上記の情報が確認できない場合、Adjustは同じ広告IDを持つ広告においてインプレッション(広告の閲覧)が計測されていないかどうかを確認します。
  5. インプレッションベースのフィンガープリント:上記のデータが利用できない場合、Adjustはインストールに付随するIPアドレスと同一のIPアドレスが計測されたインプレッションが過去に存在したかどうかを確認します。存在する場合、共通する端末情報が最も多いクリックに対してアトリビュートします。

以上が、Adjustのアトリビューション計測とデータの活用方法の基本です。ユーザーの最初のエンゲージメントからアプリ内購入に至るまでの過程を把握するために、アトリビューションプロバイダーの緻密なアプリ計測がモバイルマーケティングにどう貢献するかをご理解いただけたかと思います。

モバイル計測の導入をご検討の企業様や、Adjustの機能についてご興味のある方は、Adjustまでお気軽にお問い合わせください。

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