ブログ iOS 14のApp Tracking Transparency (ATT) に最適なオプトインをデザインする方法

iOS 14のApp Tracking Transparency (ATT) に最適なオプトインをデザインする方法

Katie Madding

2021年2月17日

2020年にAppleがApp Tracking Transparency (ATT) フレームワークを発表して以来、Adjustでは、今後施行される変更に向けて準備をされているお客様を支援するため、さまざまな取り組みをしてきました。 パートナーと緊密に連携し、ATTフレームワークへの対応やユーザーテストの方法など、今後の変化に向けての対策を行っています。

今回は、パートナーとの取り組みで得られたインサイトの一つである、オプトイン率を向上させるためのデザインと避けるべきポイントについてご紹介します。まずは注意すべき点から見ていきましょう。

ダークパターンに注意

「ダークパターン」は、ロンドンを拠点に活動するUXデザイナー、ハリー・ブリヌル(Harry Brignull)氏によって作られたコンセプトです。デザイナーが人間の行動原理を利用して、エンドユーザーの決断に影響を与える事例を定義しています。具体的には、ユーザーにわからないように故意にだます目的で作られたユーザーインターフェースやそのデザインのことを指します。ユーザー行動に影響を与えるダークパターンのタイプは以下のとおりです。

知っておきたいのは、ダークパターンは常に意図的に使用されているわけではないこと、また、多くの企業がダークパターンを回避するために意識的に取り組んでいることです。ATT実装のテストを行う際は、これらのパターンを特定し回避するよう全力を尽くす必要があります。ダークパターンについてより詳しく知りたい場合は、この調査レポートをご覧ください。

一部のアプリ開発者からは、ATT実装のテストを開始する前にアプリがApp Storeで却下されたという報告がありました。この報告に基づいて、AdjustはApp Storeによるアプリの却下につながった3つのパターンをまとめました。

しつこいアプローチ(Nagging)

ダークパターンにおける「しつこいアプローチ」とは、エンドユーザーに対し、何度も邪魔をして異なるタスクに誘導しようとすることです。

ある開発者が、ATTの同意ポップアップの前にプリ パーミッション プロンプト(pre-permission prompt)を表示させました。もしユーザーがIDFA使用同意のポップアップに同意しなかった場合、アプリは同じセッションあるいは続いて起こるセッションでカスタムプロンプトを再度表示し、ユーザーをディープリンクでプライバシー設定画面に誘導しました。そこでユーザーは、IDFA使用同意のポップアップに対する以前の選択内容を変更することができました。また、他の開発者のアプリでは、エンドユーザーが同意するかどうかを決断した後にポップアップを繰り返し表示した場合、そのアプリがAppleによって却下されたとの報告がありました。

Appleはこうした実装例を「しつこいアプローチ」と判断し、次のように回答しました。

iOSのパーミッション リクエスト プロセスは、ユーザーが自身の個人情報をコントロールできるようにするためのものです。個人データの利用方法に関するユーザーの決断を尊重するのは重要なことです。ユーザーがアプリにデータの収集を許可しない場合、その決断を変えることを促すようなプロンプトが表示されたり何回もリクエストを拒否するような状況があってはなりません。

ずるがしこいアプローチ(Sneaking)

「ずるがしこいアプローチ」とは、ユーザーに関連する情報を隠し、姿を変え、その情報を届けるのを遅らせることを指します。例えば、ユーザーが知っていたら行わなかったであろうアクションをさせる場合によく使われる方法です。

他の事例では、ユーザーがGDPRの同意バナーに同意した直後にIDFA使用同意のポップアップを表示させたらアプリが却下されました。このことから、AppleはこのGDPRの同意バナーのポップアップの「直後」というタイミングが、ユーザーがATTにオプトインするかどうかの決断に影響すると判断したのだと考えられます。

インターフェイスへの干渉(Interface Interference)

「インターフェイスへの干渉」とは、ユーザーに特定のアクションをさせるためにインターフェイスを操作することです。結果的にユーザーを混乱させたり、重要なアクションの選択肢を見落とすことにつながります。

この事例では、アプリ開発者はプリ パーミッション プロンプトを表示し、それと同時に、無意識にエンドユーザーの決断に影響を与えるようなイメージを表示させました。「許可する」ボタンの側に「いいね」の絵文字を配置したため、ユーザーがデータ計測に同意するかどうかの決断に干渉したと見なされました。

また、プリ パーミッション プロンプトはそれ自体がIDFA使用同意のプロンプトとして機能してはなりません。プリ パーミッション プロンプトは実際のIDFA使用同意ポップアップではなく、あくまでユーザーに選択肢を伝えるためだけのものであり、Appleはユーザーのアクションに影響を及ぼしてはならないという考えを変えていません。

上記で取り上げた問題点を修正することで、パブリッシャーは再びApp Storeでアプリを公開することができました。

何に気をつけるべきか分かったところで、次は、より良い結果が得られたデザインを見ていきます。

一般的な傾向とパターン

幅広いカテゴリーのクライアントと連携する中で、Adjustは、AppleのIDFA使用同意のポップアップに対するユーザーのレスポンスに影響を与える要因を発見しました。ここではユーザーのオプトイン率を向上させるデザインのパターンをご紹介します。

ロケーション

ユーザージャーニーの中で、オプトインのリクエストを表示するのに最適なタイミングを見極めることが重要です。これまでのテスト結果から、プロンプトを表示するのに最も効果的なタイミングはオンボーディング中だということが分かりました。

オンボーディング中にプロンプトを表示する

プリ パーミッション プロンプトをオンボーディングの一部として表示することで、ユーザーがプロンプトに対して自然に反応することができます。それが緩衝材として働き、AppleのIDFA使用同意のポップアップが表示されても驚かずに済みます。また、オンボーディング画面に移動する際に、データプライバシーについての画面を表示できます。そこではデータプライバシーについて広いレベルで取り扱うことができ、GDPRメッセージも表示できます。こうすることで、ユーザーはポップアップに驚いたり邪魔に感じることなく、IDFA使用同意のリクエスト内容を理解できます。

プリ パーミッション プロンプトをオンボーディング中に表示することで、その後AppleのIDFA使用同意のポップアップを自然に表示できます。このアプローチでは最大65%のオプトイン率が得られました。しかし、このアプローチは新規ユーザーにしか適応していないためご注意ください。

メッセージ

IDFA使用同意のポップアップに向けた合図として、オプトインをすることのメリットをユーザーに強調するプリ パーミッション プロンプトが高いパフォーマンスを見せています。しかし、メリットを伝える時に情報を掲載し過ぎてユーザーの負担とならないよう注意する必要があります。そのため、2〜3文で簡潔に留めることをおすすめします。UIコピーの効果的な活用方法に従い、なるべく簡潔明瞭で読みやすく理解しやすい文面であることが重要です。

テストで明らかになったことは、ユーザーはダイレクトで自分にとって有用な情報を求めていることです。つまり、アプリが何のコンテンツを提供するかを明記することが重要です。対照的に、他と比較するかたちで信用を高めることはあまり効果がありませんでした。

サイズ

すべてのテストで共通に見られたのは、ユーザーはモーダルよりもフルスクリーンで表示されるプリ パーミッション プロンプトにより良いレスポンスを示したことです。これは、アプリで次に表示される画面と関連したフル スクリーン プロンプトのほうが、よりシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供するためです。それに対して、ユーザーはモーダルスクリーンを不必要なポップアップや広告だと見なし、邪魔に感じてしまいます。全体的にオプトイン率が低くなっているのはこのためです。

ボタンの配置

行動喚起ボタンの配置とデザインを工夫することで、良い結果をもたらすことができます。他の方法に比べてオプトイン率への貢献度は低いものの、GDPRに関する学術調査とiOS 14のテスト事例は同様の結果を示しました。

例えば「後で」や「次に進む」といった簡単な言葉を横に並べることで、ユーザーに積極的な行動を促すことができます。また、右矢印に対して肯定的な印象を利用すると、次のステップに進む抵抗が少なくなります。

一方で、ボタンを縦に配列すると、ユーザーはより時間をかけて慎重に選択するようになります。ボタンへのリーチがより難しくなり、ユーザーエンゲージメントを促進せず、ユーザーに不満を抱かせることにつながります。

今後の展望

すでにテストを実施している場合でも、あるいはこれから開始する場合でも、オプトイン戦略を練る時間はまだ残されています。Adjustは、すべてのアプリ開発者にテストを実施して、ユーザーパフォーマンスのベンチマークを得ることをおすすめします。また、時間やリソースがない場合でも、ここでまとめた傾向をご活用ください。特定のオプトイン率を獲得できる保証はありませんが、Adjustはこれらのインサイトや効果的な活用方法とともに、お客様をサポートして参ります。

iOS 14に関する最新情報については、今後の新着記事をご確認ください。ご質問やご相談などがございましたら、Adjustの担当者またはsupport@adjust.comまでお問い合わせください。

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