ブログ OTT広告のメリット: 広告こそがストリーミングの将来を担う

OTT広告のメリット: 広告こそがストリーミングの将来を担う

新型コロナウイルスの影響で世界中の人々が自宅で過ごす時間が増える今、動画ストリーミング・サービスはかつてないほどに一般的になっています。ここで注目すべきなのは、ストリーミングがさまざまな方法で行われている点です。エンターテイメント系アプリが自粛生活の中で大きく成長し、Disney、HBO、Amazonのような大手企業が次々と参入する中、動画ストリーミング市場はアプリ開発者と広告主の両者にとってますます重要になっています。

その中でも今注目を集めているのがOTTです。OTT (Over The Top)とは、従来のメディアに代わりインターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービスです。この新しいメディアプラットフォームは、広告業界に大きな影響を与えています。例えば、テレビ放送「ゲーム・オブ・スローンズ」を観る場合は従来通りですが、ストリーミングしてテレビやタブレット、スマートフォンを介し視聴する場合、これはOTTになります。Adjustのイノベーションチームは、OTT分野でマーケターをサポートする方法について研究を続けてきました。この記事では、Adjustイノベーションチームのハイスベルト・ポルス(Gijsbert Pols)を迎え、現代のメディア業界において非常に重要な役割を担うOTTについて取り上げます。

途切れなく計測:OTTが広告業界にもたらす影響

OTTコンテンツはさまざまなタイプのデバイスで視聴されています。『eMarketer』のレポートによると、米国の消費者がOTTコンテンツを視聴する際に最も多く使用するデバイスはテレビです。米国では、ユーザーの63%がテレビでOTTサービスにアクセスすると回答、モバイルは2位ですが、その割合はわずか11.6%にとどまっています。

しかしデバイスあたりの使用時間に注目すると、モバイルは合計視聴時間の約4分の1を占めており、モバイルユーザーが平均よりも長くOTTコンテンツを視聴していることを示しています。OTTと聞いて多くの人がテレビを連想しますが、モバイル端末でOTTコンテンツを視聴するユーザー数は増加しています。さらに、モバイルはOTTをサポートする役割を担うケースが多く、例えばメディアストリーミング端末として米国でシェアが高い「Roku」では、ユーザーがスマートフォンをリモコンとして使うことができます。

モバイルユーザーはOTTサービスにおいて戦略的に重要であり、キャンペーンを施策する上でも焦点を当てるべき存在です。加えて、OTTプラットフォームで広告を配信してユーザー獲得を狙う企業が増えています。モバイルデバイスは、OTTコンテンツを視聴する際にテレビに次ぐサブスクリーンとして使用されていますが、ほぼ誰もが持っています。また、ユーザーがストリーミングサービスを観ている間にアプリのインストールへと誘導することができます。

ポルスは、今後さまざまなデバイスにおいてOTTプラットフォーム上のアプリ広告を見ることが増えるだろうと予測しており、これがアプリのインストール数に影響を与え、マーケターにとって計測を困難にすると見ています。

OTT分野における競争の激化に着目すると、モバイルの台頭を受け、今後マーケティングを最大限活用することが重要になります。ポルスは次のように話します。「Netflixの過去10年間を考えると、最初の6〜7年は文字通り向かうところ敵なしといった状況でした。しかし現在では他のOTTプラットフォームが台頭しており、今後競争はますます激化するしょう。OTTはもはやニッチな市場ではなく、多くの消費者をターゲットとした戦場なのです」。

市場成長に伴い競争が高まる中、モバイルマーケティングからの収益が見込めるOTTは、全てのマーケターにとって魅力的な市場です。競争の激化により、ユーザー獲得担当者は、どの広告ソースがLTVを向上させているかを重要視するようになるとポルスは考えています。つまり、計測とパフォーマンスの証明が求められるのです。

OTT広告の傾向に対するコロナの影響

現状では、あらゆるプラットフォームにおいて広告の競争がより激しくなっています。予算縮小が叫ばれる中、多くの業界で広告費用が制限されており、パフォーマンスに関するより厳しい意思決定が迫られています。この傾向はエンターテイメント業界ではまだ広がっていませんが、Adjustのデータによると、広告費用とインストール数は4月頭にピークを迎えて以降低下しています。これは、ユーザー獲得担当者が購入できるインストール数が減少していることを示しています。

これを受けてポルスは、OTT分野の広告主はより創造性の高いマーケティングを行う必要があると話します。「Huluは一時停止中のスクリーンに広告を表示することを発表しました。このようなソリューションは今後ますます一般的になるでしょう」。

さらに、ストリーム上でショッパブルな(買い物ができる)コンテンツなど、番組内での収益化がOTT分野の広告で広く採用される可能性もあります。Amazonの「メイキング・ザ・カット」のようなテレビ番組では、すでに視聴者が番組放送後にAmazon Primeでデザイナーの商品を購入できるようになっています。中国のTencentは、動画ストリーミング上でシームレスに広告を表示するテクノロジーを開発しました。例えば、スクリーン上の俳優が持っているコーヒーカップに広告を表示することが可能になります。この傾向はモバイルの分野でのみ強化されます。モバイルユーザーは広告を頻繁に見ることに慣れており、ショッパブル広告による戦略においてその強みが最も発揮されるためです。

ポルスは次のように述べています。「コロナ後の世界では消費者が支出を抑えるようになるため、契約中のサブスクリプションを解約しようとするようになり、OTTプラットフォームはこれに対応しなくてはなりません。今後はOTTプラットフォームでより多くの広告を目にするようになるでしょう。多くのプロダクトプレイスメントが行われ、限定コンテンツや番組の途中で入る広告などを使ったフリーミアムな収益化モデルが増える可能性があります」。

より多くの広告が配信されるOTTの将来

OTTプラットフォームでの広告配信を検討しているアプリにとって、広告インベントリーの数は限られています。しかし、消費者がサブスクリプションへの支払いに対して財布の紐を締める中、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響もあり、広告ベースのビデオオンデマンド (AVOD) は大きな成長を見せています。よって、ポルスはこのインベントリーの不足問題は今後解消されていくと読んでいます。

ストリーミングサービスの「Reelgood」は、AVODが新型コロナウイルスの状況下で148%と大きな成長を見せたことを明らかにしました。OTTの広告フォーマットにはすでに多くの工夫がなされています。Hulu Sling TVでは一時停止画面に広告が表示され、プライムタイムに番組を無料で放映する「ハッピーアワー」を導入しています。このフリーミアムモデルは今後より一般的になり、OTT分野でより多様なマーケティングが行われるようになります。

ポルスは次のように話します。「コロナによる景気の低迷が現在のダイナミクスをどう加速させていくか、これから非常に面白くなるでしょう。ある時点で『サブスクリプション疲れ』が起こるだろうとアナリストの多くが予測しているように、消費者はいくつものサブスクリプションを契約するのに消極的になります。しかし、観たいコンテンツのあるユーザーは広告に対してより寛容になるかもしれません」。

私達はすでにテレビやYouTubeで広告を見ることに慣れていると話すポルスは、今後最も劇的に変化する点は、これまで配信されていなかったコンテンツがOTTプラットフォームで配信されることと予測しています。

「インドのOTTプラットフォーム「Hotstar」は2017年、クリケットのインディアン・プレミアリーグにおけるストリーミング権を獲得しました。権利獲得には激しい入札競争が行われ、Facebookも参加しています」。

長期的に見ると、現在のコロナ危機から脱出した後は、OTTプラットフォームでさらに多くの広告が配信されるようになることは避けられないとポルスは考えています。

AdjustのSDKは現在、Android TV、TVOS (Apple TV)、Fire TV、Windows(ラップトップ/デスクトップ/ネイティブ)、MacOS(ラップトップ/デスクトップ/ネイティブ)、Safari(ラップトップ/デスクトップ/Web)およびAndroid / iOSデバイスにおけるOTTアプリの計測をサポートしています。

今後のOTTに関するポルスのさらなる予測については、近日公開予定の記事をご覧下さい。計測の新たなパラダイムがモバイルの収益化においてどう重要となるかを掘り下げます。

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