Android向けGoogleプライバシーサンドボックス用語集
Tiahn Wetzler, Director, Content & Insights, Adjust, 2024年8月14日.
プライバシー時代である昨今、AdjustではAndroid向けプライバシーサンドボックス(英語)のリリースに先駆けてGoogleと密接に連携しています。継続的にテストを行うことで、技術的な仕様などあらゆる詳細を把握し、その機能がクライアントが期待する要件を満たしているかどうか検証を進めています。
先日、GoogleがChromeでのサードパーティクッキーの廃止方針を撤回すると発表したことを受けて、Android端末のGAID(Google広告ID)(英語)にどのような影響があるのか疑問が生じました。Googleによってプライバシーサンドボックスの現状が変更されることはなく、GAIDへの依存を減らす方向性は維持されていますが、少なくとも近い将来にGAIDが廃止されるわけではありません。Googleがリリースに向けてこのソリューションを開発、改善をしていく中で、広告主や開発者も準備を進め、テスターとして参加することが可能です。
一方で、プライバシーサンドボックスを複雑にしている要素の1つは、機能を説明するために使われる用語です。なぜならアドテック業界全体で一般的に使用されている用語とは異なるからです。そのため、今回はアプリマーケターや開発者が、プライバシーサンドボックスのリリースに向けて必要となる用語をまとめました。
Android向けGoogleプライバシーサンドボックス用語集
用語 | 意味 |
---|---|
トリガー | モバイルアプリでユーザーが起こすアクション。例えば「インストール」「セッション」「イベント」などを指します。(注:プライバシーサンドボックスでは、「アンインストール」は現時点ではレポート対象ではありません。) |
イベント | 「インプレッション」「ビュースルー」「広告ビュー」など、ユーザーに配信された広告。 |
ナビゲーション | 一般的な「クリック」のこと。 |
ソース | ユーザーに広告を配信するエンティティ(企業、サービスなど実体となるもの)。例えば「パートナー」「チャネル」「アドネットワーク」などを指します。 |
ソース登録 | ソース (「アドネットワーク」)が、イベント(「インプレッション」)とナビゲーション(「クリック」)をプライバシーサンドボックスとMMPに共有できるようにするプロセス。MMPとのイベントとナビゲーションの共有は、リダイレクトURLを介するか、MMPとの共有ソースキーによって行われます。後者の場合、MetaやByteDanceなどの主要なアドネットワークによって使用される可能性があります。Google 広告はすでに実装されてソースキーを使用しています。MMP は、広告主が扱うすべてのソースのデータを受信することができる唯一のエンティティです。 |
Attribution Reporting API | Cookieや広告IDを使用せずに、広告キャンペーンの効果を計測するのに必要なデータを提供するAPI(ソフトウェアやプログラム同士を連携させて機能を拡張するツール)。Attribution Reporting APIは、「イベントレベル レポート」と「集計可能レポート」の2種類のレポートをサポートします。 |
イベントレベル レポート | すべての通常のキャンペーンレベル(ネットワーク、キャンペーン、広告グループ、クリエイティブ)におけるイベント(「インプレッション」)とナビゲーション(「クリック」)に関する非集計データを表示するイベントレベルのレポート。このレポートのデータはトリガーデータ(「インストール」、「セッション」、「イベント」)とは直接紐付けられず、「粒度の粗い値」に対してのみアトリビュートされます。「イベントレベル レポート」のデータはリアルタイムではなく、アトリビューション後の30日間を最大値として「2日間」「7日間」「カスタム期間」にて期間を設定することができます。 |
(粒度の)粗い値 | 広告主が頻繁に発生するであろうと期待するトリガー(「インストール」、「イベント」、「セッション」)の組み合わせ。広告主は、これらの「粗い値」をトリガーパターン(イベントパターン)として設定する必要があります。「粗い値」はトリガーに対するイベント(「インプレッション」)やナビゲーション(「クリック」)にアトリビュートされ、「イベントレベル レポート」で広告キャンペーンの効果を把握できるようにします。広告主は「粗い値」を8つ、事前に定義することができます。最も頻繁に発生するパターンがイベントにアトリビュートされ、そのうち最も多く発生した3つがナビゲーションにアトリビュートされます。 |
Protected Audience | 広告主がTopics APIで利用可能なデータに基づいてオーディエンスを作成できるオーディエンスビルダーツール。 |
SDK ランタイム | AndroidアプリとAndroid OSの間にある技術的な層。アプリ開発者がデバイスレベルのデータにアクセスするのを防ぎます。 |
ハイスベルト・ポルス
コネクテッドTV部門・新規チャネル部門ディレクター
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