ブログ iOS 14.5以降のアトリビューション計測

iOS 14.5以降のアトリビューション計測

iOS 14.5対応のSDKアップデート

本日より、Apple社はAppTrackingTransparency(ATT)に関連するSDKの制限を開始しました。これによって、同社のガイドラインに即していないと指摘するソースコードがAdjust SDKに含まれていたため、リジェクトされる事象がありました。このソースコードは、Adjustの不正防止機能の改善のためにSDKに含まれていたものです。これを受けて、Adjustはこの問題に対応するAdjust SDK 4.28をリリースしました。この最新SDKを実装してApp Storeに提出されたアプリは、すべて承認されていることを確認しています。今後アプリを提出される際は、最新バージョンのSDK 4.28を実装していただくようお願いいたします。

私たちは消費者のプライバシー保護に責任を持って取り組んでおり、Appleの新しい変更点もサポートしています。当記事では、アトリビューション計測を提供し、この分野に従事する一企業として、今後のiOSへのアプリ申請と、SDKやアトリビューション計測のありかたについて解説します。

Adjustは、透明性と誠実さを重要視しています。まずはじめに、4月1日に発生した事象について詳しくご説明を差し上げます。

アドフラウドの手口のひとつであるSDKスプーフィングは、Adjustのデータの完全性とSDKを利用されるお客様に対し大きな損額を与える可能性がある不正行為です。よって、Adjustはこのような不正を検出するための情報を収集するコードを作成しました。Appleはこれらのパラメータを確認し、フラグを立てました。その理由は、ユーザー同意がなくてもpersistent ID(永続的識別子)が作成される際に使われる場合がある、他のSDKで利用されていたパラメータと類似していたためです。Appleがフラグを立てたパラメータの全リストはこちらに公開しています。

Adjustでは、上記の目的でパラメータを活用したことはなく、過去に該当SDKコードを追加したことを問題として指摘されたこともありませんでした。但し、今後も皆さまに安心してAdjustをご利用いただくため、該当するソースコードを削除し、最新バージョンのSDK 4.28をリリースいたしました。

これとは別に、AdjustではAdjust SDKでATTの同意フローをテストしています。その結果、ATTを参照しているにもかかわらず、iOS 14.5+でのみ同意を求める場合、Appleの審査担当はすべてのOSで同意フローが確認されることを期待するため、初回提出時に却下される可能性があることがわかりました。これについては、同意がiOS 14.5+でのみ存在するという情報を添えて再提出すれば承認されることもわかりました。時間を節約するために、同意フローに関する補足を最初のアプリ提出時に追加することをお勧めします。

今後のアトリビューション手法

この出来事を踏まえ、今後主要となるアトリビューション計測についてAdjustの見解をご説明します。

SKAdNetwork: Appleのシステムが提供するアトリビューションメカニズムには限界があることは周知の通りですが、集約されたインストールのラストクリックアトリビューションにおいては非常に正確であると考えられます。

Deterministic Attribution(確定的アトリビューション ): ユーザーがIDFAの共有に同意した場合、広告が表示されるメディアソースとダウンロード後のアプリ内の両方でIDFAが参照され、Adjustの計測URLを介してクリックを実行する限り、確定的に一致させることができます。

Imprecise/ Probabilistic Attribution(確率的アトリビューション): 基本的なデバイス情報を使って、どの広告がどのインストールを促したかを推測することができます。正確性は低下しますが、このレベルのデータはクリエイティブを分析したり、広告費用の効率化モデルを構築するのに十分な情報を提供します。この方法は確定的ではなく、永続的でもないため、Appleポリシーの範囲内で許容されると考えており、この方法は有益なオプションのひとつだと考えます。

マーケティング活動を継続して成功に導くためには、上記の戦略をどのように併用するか、あるいは別々に使用するかを検討し、それぞれのトレードオフを理解することが重要です。次に、Adjustが広告主と行った協議から得た今後の計画とベストプラクティスをご紹介します。

  • SKAdNetworkのみ
    一部の広告主はSKAdNetworkのみを利用しています。Adjustはこれをサポートしていますが、これでは効率性が制限されると考えています。ラストクリックアトリビューションは正確ですが、広告主がクリエイティブを分析したり、ウェブやインフルエンサーのキャンペーンを実施したり、広告費用に対する長期的なリターンレポートやコホートデータを取得する能力が妨げられる可能性があります。さらに、長期的な可視性が得られないことで、新規インストールのためにアプリのユーザーエクスペリエンスを最適化する能力が低下します。
  • SKAdNetworkとDeterministicの組み合わせ
    一部の広告主はSKAdNetworkとDeterministic アトリビューションのみを使用します。そのためには、Adjustのアトリビューションリンクを以前のように実行し、ProbabilisticアトリビューションをOFFにしておきます。ユーザーが広告を配信するアプリと自分のアプリの両方でIDFAを共有することに同意した場合、アトリビューションの正確性が高まり、長期的なユーザーのアトリビューション、ROASやコホート分析、クリエイティブのレポートも、これまで通り計測されます。しかし残念ながら、双方において同意するユーザーはごく一部であるため、大多数のユーザーの詳細なアトリビューション情報を取得するのは難しく、上記のような制限が残ります。
  • SKAdNetwork、DeterministicおよびProbabilisticの組み合わせ
    上記の3つをすべて組み合わせる広告主もいます。複雑になりますが、新たなアトリビューション手法でもあります。これが複雑である理由は、ユーザーがIDFAを共有しているアプリに広告が表示され、アプリのダウンロード時にIDFAを広告主と共有することに同意しなかった場合、そのインストールが重複してしまうからです。このインストールがSKAdNetworkでアトリビュートされ、Probabilisticアトリビューションも起こる可能性があるために重複が発生します。さらに、ユーザーがDeterministicによりアトリビュートされた場合、同一ユーザーが別の広告ソースや重複排除できなかった同じソースからSKAdNetworkのインストールに紐づく可能性もあります。重複するのは問題ですが、結論としては、この方法によりクリエイティブのデータの可視性が格段に向上し、Webやインフルエンサーのキャンペーンを完全にサポートするだけでなく、ROASや長期的なコホートの成熟度分析にもアクセスできるため、より多くのインサイトを得て、最終的にはより良いアプリを構築することができます。

アプリ開発者、モバイル計測ツール、およびアプリのエコシステムに関わるすべての関係者は、Appleの新しいポリシーを遵守しながら、必要なデータを継続的に取得するための最良策の確立に取り組んでいます。この目標を達成するには、3番目に挙げた3つのアトリビューションを組み合わせる手法が、最も有効であると考えています。

SKAdNetworkが展開され、広告主の希望に合う手法をご利用いただくことで、重複率をより正確に測定するためのツールも増えていきます。重複率の理解が深まれば、広告主はメディアバイイングの価格を適切に設定し、買い付けや製品を最適化するための十分なインサイトを得ながら、利益のある取引を行うことができます。

Adjustは、潜在的なインサイトの欠落やパフォーマンスの低下に対処するための戦略について、業界全体でより透明でオープンな協議が行われるべきだと考えています。成長を続けるこの業界には、常に進化と変化が伴います。パートナーとして皆が一丸となれば、業界全体の理解を深めることができ、お互いに助け合うだけでなく業界を前進させることができます。そのためにも、今後もブログやセミナーでの情報提供を続けて参ります。お客様、パートナー様、そしてすべてのMMPの皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

本件につき何かご不明な点がございましたら、担当のテクニカルアカウントマネージャー、カスタマーサクセスマネージャー、セールスマネージャー、もしくはsupport@adjust.com までお問い合わせください。

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