ブログ ソーシャルが切り開く未来:ソーシャルモバイルゲームのすべて

ソーシャルが切り開く未来:ソーシャルモバイルゲームのすべて

2024年までに98億ドルの収益を上げると見込まれているモバイルゲーム業界。ある調査によると、世界の23億人のモバイルゲーマーの56%が週に10回以上ゲームをしています。この業界が急成長を遂げる中、アプリ開発者たちはゲームにソーシャル性を加えることで幅広いオーディエンスに楽しんでもらうための方法を模索しています。

この記事では、モバイルゲームのソーシャル性を高める要素や、高い業績を上げているソーシャルゲームの例など、マーケターがこのジャンルのゲームについて知っておきたいキーポイントをご紹介します。

ソーシャルゲームとは

ソーシャルゲームとは、SNSの要素を持つモバイルゲームのタイプのことです。例えば、プレイヤーはゲームプレイ中にメッセージ機能や連携されたソーシャルメディアを通して、他のプレイヤーとコミュニケーションをとることができます。ゲーム開発者とマーケターは、コミュニティを作ることでユーザーはより長い時間ゲームをプレイする、というソーシャルゲームの性質を活用することで、広告収益とROASの向上を図っています。

ソーシャルゲームがマーケティングにもたらすメリットは、業界の専門家から過去10年間以上にわたって注目されてきました。アメリカ人のゲームデザイナー、ジェイン・マクゴニガル(Jane McGonigal)氏は、2010年のTEDトーク「ゲームで築くより良い世界」において、ソーシャルゲームが社会に与えるポジティブな影響について次のように話しました「ゲームは、社会をつなぐソーシャルの糸を紡ぐ役割を持っています。例えば、誰かと一緒にゲームをした後、たとえ相手にひどく負かされたとしても、ゲーム相手のことをもっと好きになるという調査結果があります。誰かと一緒にゲームをするには、その人のことを信頼しなくてはなりません。ゲーム仲間は、同じルールのもとでプレイし、共通のゴールを目指し、そしてゲームが終わるまで一緒にプレイしてくれることを信じています」。同氏はこう締めくくっています。「一緒にゲームをすることで、その人との間に絆と信頼、そして協力関係が生まれます。結果として、より強い社会的つながりを築くことができるのです」

コロナ禍がソーシャルゲームの台頭に与えた影響

新型コロナウイルス感染症は、世界中のユーザーのモバイルとの関わり方を劇的に変化させました。自宅で過ごす時間が増え、人に会う機会が減ったことで、モバイルユーザーはゲームを通して他人と交流することをより強く求めるようになりました。世界に先駆けて全国規模のロックダウンを実施した中国では、2020年2月にモバイルゲームのダウンロード数が2億8,300万回に到達しました。他の地域でも、ロックダウンが実施されるにつれ、同様のトレンドが見られるようになりました。それ以降、ソーシャルゲームはコロナ禍において世界中のユーザーに娯楽と人とのつながりを提供してきました。

Comunixのコンテンツ責任者、オレン・トドロス(Oren Todoros)氏は、VentureBeatの記事において次のように述べています。「今回のパンデミックでモバイルゲームが大きく成長した理由の一つは、ゲームで人々が安価に現実逃避できることに加えて、社会的に距離を置く人々の交流をゲームが支えてくれているという点にあります」さらに、トドロス氏はこのトレンドの重要性を紹介し、モバイルゲームが2020年に収めた大きな成功についてこう説明しています。「『Escape Team』、『Heads Up』、『Words With Friends』などのパーティゲームは、友達と一緒に楽しい時間を過ごすのにうってつけの方法です。多くの人が時間の大半を自宅で過ごさざるを得ない状況において、これらのゲームはひとときの間現実を忘れさせ、楽しさや笑いを提供する場となっています」

人気ソーシャルモバイルゲームの例

『Among Us』

2018年にリリースされたInnerslothの『Among Us』は、2年後である2020年に急激な成長を遂げ、世界で最もプレイされたオンラインゲームの1つとなりました。ゲームの舞台は宇宙船で、ユーザー(1人または複数)は偽物のクルーとして他のクルーを倒してしていきます。偽のクルー以外は、どのクルーが本物で信頼できるのかを判断しながら、ゲーム内で怪しい行動をしているクルーを排除します。このゲームではオンラインまたはローカルWiFi環境で4〜10人のプレイヤーが一緒にプレイできます。

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『Among Us』は、偽のクルーが他のユーザーを惑わせる心理戦が展開されるソーシャルゲームです。偽のクルーがタスクをこなしながら偽物を探しているユーザーを欺いていく、という面白さがこのゲームの人気につながっています。『Among Us』は、2020年9月に6,000万人の1日あたりのアクティブプレイヤー数を達成しました。そのユーザーの大半は、iOSやAndroid上でプレイしています。

『クラッシュ・オブ・クラン』

『クラッシュ・オブ・クラン』は、Supercellのモバイル ストラテジー ゲームです。プレイヤーは自分の村を守り、敵のクランとの対戦を計画するタスクが与えられます。このゲームはシングルプレイヤーモードと、複数のプレイヤーとトーナメント戦ができるモードに対応しています。『クラッシュ・オブ・クラン』のソーシャル要素は「クラン対戦」に見られます。対戦はマッチングシステムが採用されており、ユーザーは同等の強さと体格のクランと対戦することになります。2019年、『クラッシュ・オブ・クラン』はSupercellの総収益の42%となる大きな収益を生み出し、無料プレイも可能であるにもかかわらず、プレイヤーの支出額は7億2,200万ドルを上回りました。

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『PPPoker』

2016年にローンチされた『PPPoker』は、世界で最も人気のあるクラブベースのポーカーゲームです。プレイヤーは『PPPoker』でクラブというポーカールームを作って、ネットワーク上の仲間内だけでポーカーを楽しめます。また、トーナメントに参加して世界中のプレイヤーと対戦することもできます。

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『ポケモン GO』

『ポケモン GO』はNiantic、任天堂、株式会社ポケモンが開発したゲームです。このフランチャイズゲームはAR(拡張現実)を採用しており、プレイヤーは現実世界の環境でポケモンを捕まえることができます。2018年、フォーブス誌は『ポケモン GO』を「世界で最も注目すべきゲーム」として発表しました。リリース後、『ポケモン GO』は最も急成長を遂げているモバイルゲームとして1億ドルの収益を上げ、最初の1ヶ月間で過去最多となるダウンロード数を達成しました。

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『ポケモン GO』のプレイヤーは、アプリ内で購入したアイテムやギフト、捕まえたポケモンを友だちと交換することができ、同フランチャイズの他の人気ゲームの機能がここでも活かされています。ゲームには4レベルの「仲良し度」 があり、他のプレイヤーと一緒に仲良し度をアップさせていきます。例えば、「友達」(フレンドになった次の日にレベルアップ可能)、「仲良し」(7日後)、「親友」(30日後)、「大親友」(90日後)というように、仲良し度が順番に上がり、フレンドレベルが上がるにつれて、より簡単にアイテムやポケモンを交換できるようになります。さらに、『ポケモン GO』は限定特典が楽しめるリアルイベントを世界各地で行い、スコアランキングを見れるようにするなど、さまざまなソーシャル機能を活用しています。

モバイルゲームに不可欠な6つのソーシャル要素

ここでは、ソーシャルモバイルゲームをよりインタラクティブにし、ユーザーが楽しめるものにするためのソーシャルな要素を紹介します。ソーシャルモバイルゲームの開発時には、以下6点を検討することをおすすめします。

1. チャット機能

ユーザーがゲーム中に他のユーザーとチャットできるようにすることで、ゲームへの熱中度を高め、より強力なゲームコミュニティを作ることができます。また、他のアプリを使ってコミュニケーションをとる必要がなくなるため、ユーザーがアプリを離れる可能性も低くなります。グループチャット機能もプレイヤーが便利だと感じるものの1つです。

2. アクティビティフィードとスコアランキング

この機能により、プレイヤーはネットワーク内の他のプレイヤーのアクティビティを見ることができます。たとえば、ユーザーの友達が新しい高スコアを出した時や、ゲーム内のアイテムを必要な分だけ集めて交換できるようになった時に、それを知ることができます。また、他のプレイヤーがゲーム内でアクティブかどうかや、これまでに集めたポイントなどを表示するだけでも効果があります。アクティビティフィードに加えて、プレイヤーのネットワークを使ってパーソナル化されたスコアランキングを表示することも可能です。

3. アイテムを贈ったり交換したりする機能

モバイルゲーマーは、他のゲーマーとアイテムを交換して目標を達成したいと考える場面があります。ゲーム内のアイテムを他のゲーマーに贈ったり、交換したりできる機能により、ユーザーがギルドに参加して新規ユーザーがゲームを楽しめるようにサポートするのを促すことができます。また、アプリ内購入による収益増加にもつながります。『ポケモン GO』の交換機能は、ユーザー同士の交換アクティビティをソーシャルモバイルゲームに実装した良い例です。

4. プッシュ通知

プッシュ通知は、あらゆるアプリカテゴリーにとって有効な機能です。モバイルユーザーの42%がデバイス上でプッシュ通知を許可しており、アプリの成長とエンゲージメントを最大化88%させることが可能です。ソーシャルモバイルゲームの場合、ユーザーがゲームに招待された時や、ゲーム内チャットに新規メッセージが届いた時、ネットワーク上の誰かからアイテムを受け取った時などにアラートを送信できます。また、ターン制のゲームでプッシュ通知を使ってユーザーの番が来たことを知らせることも可能です。

プッシュ通知を受け取るには、ユーザーはこれにオプトインする必要があります。また、ユーザーがどのアラートを受け取るかを選択できる機能も有益です。こうすることで、ユーザーが興味のないゲームエクスペリエンスに関するアップデートで、ユーザーを苛立らせることがなくなります。最善の効果を得るには、プッシュ通知をパーソナル化すると良いでしょう。通知を受け取るメリットを知らせるだけではなく、それらが1人1人のユーザーにどのように価値を提供するかを特定しましょう。プッシュ通知をパーソナライズすることにより、適切なユーザーを適切なタイミングで、最適なクリエイティブを使ってターゲティングできます。

5. ギルドメカニクス

モバイルゲームにとって、ギルドはユーザーとつながり、強力なコミュニティを作るためのスマートな方法です。ギルドは、マルチプレイヤーでのゲームエクスペリエンスをより楽しめるものにするためのチームです。ギルドメカニクスにより、ユーザーは同じユーザーと繰り返し一緒にプレイし、グループで目標達成に取り組むことができます。モバイルゲームの性質によっては、プレイヤーは仲間とゲーム内のリソースを共有し、より強いチームを作ることが可能です。これらの点から、ギルドはロイヤリティの高いゲーマー同士をつなぎ、同じようなユーザーのグループと一緒にゲームをより楽しんでもらう上で非常に効果的な機能だと言えます。

6. ソーシャルメディアとの連携

ソーシャルメディアとの連携により、ゲームのファンユーザーのおかげで無料でゲームを宣伝できます。ある調査によると、2019年に平均的なユーザーがソーシャルメディアに費やす時間は1日あたり136分間であることがわかりました。成功しているソーシャルゲームの多くは人気のSNSでアカウントを持っており、ソーシャルメディアとの連携機能を取り入れています。たとえば、ユーザーがゲーム内で最高スコアを出した時、連携機能を使って複数のソーシャルメディアチャネルでそれを手軽に共有できるようにする、という活用方法があります。この機能は、コミュニティの構築に役立ち、友だちと一緒にゲームをプレイしたいと考えるオーガニックユーザーを引きつけるのに有効です。

ソーシャルメディアを活用することで、ゲーマーはより気軽にサポートへ問い合わせができるようになります。さらに、ユーザー生成コンテンツを通してゲームを宣伝したり、ユーザーエクスペリエンス改善のための貴重なフィードバックが得られるようになります。

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