ブログ ベビーブーマーからZ世代まで:世代別アプリマーケティング

ベビーブーマーからZ世代まで:世代別アプリマーケティング

私たちの社会には、世代を隔てるステレオタイプが存在します。ベビーブーマー(1946年〜1964年の間に生まれた世代)は、経済的に影響力が大きいジェネレーション。Z世代(1996年〜2015年の間に生まれた世代)とミレニアル世代(1981年〜1995年の間に生まれた世代)は、現代のテクノロジーを使ってオンラインで時間を過ごすことに慣れた世代です。世代間の格差を包含する「OKブーマー」という言葉にも注目が集まりました。とは言っても、ステレオタイプに基づいてモバイルマーケティング戦略を構築しても、効果的ではありません。データ主導の意思決定を行い、各世代の行動傾向とターゲティング方法を明確に把握することが重要です。このガイドでは、さまざまな世代向けにアプリマーケティングを調整する手段と基本をご紹介します。

世代別のデモグラフィックとは?

はじめに、どのデモグラフィック(人口統計学に基づく属性)が各グループを構成しているかを把握しましょう。主要な課題点に対する一般的な意識を測定し、デモグラフィックの属性別相違をドキュメント化しているPew Research Centerでは、代表的な5つの世代を次のように説明しています。

  • 沈黙の世代:1928年~1945年の間に生まれた世代
  • ベビーブーマー:1946年~1964年の間に生まれた世代
  • X世代:1965年~1980年の間に生まれた世代
  • ミレニアル世代:1981年~1996年の間に生まれた世代
  • Z世代:1997年~2012年の間に生まれた世代

Pew Research Centerの社長であるMichael Dimock氏は、次のように述べています。「世代別のコホート調査により、研究者は考え方が経時的にどのように変化したかを分析できます。さまざまな成長期の体験(世界的なできごと、テクノロジー、経済、および社会変化など)が生涯過程や老化過程にどのように作用して世界観を形作るかを理解することができるのです」。Dimock氏はさらに続けます「世代の分割点は精密な科学ではありません。主に[このレポート内の]詳細分析を可能にするツールと見なす必要があります」

本稿では、「沈黙の世代」を除く各デモグラフィックに関するインサイト、およびオーディエンスのターゲティングに役立つベストプラクティスについて説明します。

ベビーブーマーへのマーケティング

ベビーブーム時代の米国の出生数は合計約7,900万人と、人口が非常に多い世代の1つです。ベビーブーマーの現代的なテクノロジーの使用率はミレニアル世代ほど高くありませんが、50~64歳のグループの60%は少なくとも1つのソーシャルメディアサイトを使用しています。Forbesによると、ベビーブーマーの60%は情報を手に入れたり好奇心を満たしたりするためにブログやその他のオンライン記事を読むことに時間を費やし、70%は製品やサービスに関する動画を視聴して楽しんでいます。Caring People IncのシニアデジタルマーケティングマネージャーであるKarina Tama - Rutigliano氏は、同記事で次のように述べています。「この世代をターゲティングするマーケターは、ベビーブーマーがこの数十年間テクノロジーとともに生活してきたことを考慮する必要があります。彼らは想像した以上にテクノロジーに慣れており、ミレニアル世代とは異なる方法で使用しています」。また、ベビーブーマーは自由に使えるお金がある裕福な世代です。

ベビーブーマーへのマーケティング:3つのベストプラクティス

1. ベビーブーマーはFacebookでターゲティングする

この世代は、他のソーシャルネットワークよりもFacebookを多く利用しています。友人や家族と連絡を取り合ったり、プラットフォームを通じて記事を読んだりしているのです。Facebook広告でベビーブーマーにマーケティングし、ソーシャルネットワーク上にブランドのコミュニティを構築すると効果的です。カスタマーサポートに問い合わせるためのもう1つの方法をベビーブーマーに提供することもできます。

2. メールや電話などの複数のサポートオプションを提供する

ベビーブーマーは、メールや電話などでできる従来型のカスタマーサービスに慣れ親しんでいます。この世代をターゲティングする場合は、カスタマーサポートネットワークにこれらを追加することが必要です。最大限の成果を出すには、ライブチャットやチャットボットなども有効です。

3. ベビーブーマーへのマーケティングでもモバイルは重要

さらに、大半の時間をモバイルで費やしていないとはいえ、少なくとも毎日2.5時間はスマホを使用しています。最大限の成果を出すため、製品によっては、ベビーブーマーをデスクトップとモバイルでターゲティングする戦略を策定する必要があります。

X世代へのマーケティング方法

X世代は、ミレニアル世代やベビーブーマーよりも少ない人口で構成されています。ただし、その購入能力は米国の全体所得の31%を占めており、平均所得は国の平均よりも高いことがわかっています。X世代は複数のソーシャルメディアを利用し、世代の95%がFacebook、35%がLinkedIn、25%がTwitterで定期的に投稿しています。

X世代へのマーケティング方法:3つのベストプラクティス

1. 購入プロセスを簡素化してブランドロイヤリティを構築

eMarketerによると、X世代の約50%はブランドに忠実です。レポートでは、「キャリアや子育てによって多くのX世代は多忙であるため、利便性のためにより多くのお金を支出する傾向がある」と述べられています。これを裏付けるのが、マーケティングおよびデータテクノロジー会社Acxiomのマーケティング戦略担当バイスプレジデントであるErin Winters氏です。Winters氏によれば、X世代は「浪費はしないが、時間を節約する便利なものは確実に評価します」。自由な時間があまりない世代の暮らしをサポートするには、ロイヤリティを構築することでLTVの高いユーザーを得ることができます。

2. 動画広告の影響を活用

Think with Googleの米国における調査では、X世代はその75%以上が少なくとも月に1回はデジタル動画を視聴し、米国では毎日15億回YouTubeを閲覧しているとあります。また、X世代がノスタルジーに浸る(75%)、最新のニュースやトレンドを把握する(86%)、新しいスキルを習得する(73%)ためにYouTubeに頻繁にアクセスしていることがわかりました。これは、動画広告がこのグループを複数のチャネルにわたってターゲティングするための効果的な方法の可能性があることを示唆しています。メディアエージェンシーCaratの戦略およびイノベーション責任者のJustine Bloome氏は、次のように述べています。「X世代は、ニュースやエンターテインメントへのアクセスや人とのつながりを促進する多くの画期的な技術革新にもすばやく適応してきました。VCR、CD、デジタルポータブル音楽プレーヤー、携帯電話を考えてみてください。彼らは、ソーシャルメディアの大規模な早期導入者でした」Bloom氏は、これこそが、この世代がYouTube動画へ移行した理由だと示唆します。「関係を保ち、疎外されていないと感じることがこの層のアイデンティティにとって重要です。したがって、YouTubeで最新のイベントを把握するのは当然です」

3. インセンティブとロイヤリティプログラムを提供

Forbesに寄稿するClearbridge Branding Agencyのデジタル担当バイスプレジデントRebecca Kowalewicz氏は、このターゲット市場へのインセンティブのメリットについて次のように述べています。「オンラインでX世代に接触し、従来の広告を利用し、インセンティブとロイヤリティプログラムを提供すると、この独特の世代の特徴を表すX世代/ベビーブーマーとX世代/ミレニアル世代という2つの柱の間のバランスをうまく取ることができます」。ロイヤリティプログラムや同様のインセンティブを使用することが、X世代の顧客をより長く維持し、時間をかけてブランドロイヤリティを構築する鍵となります。

ミレニアル世代へのマーケティング

ミレニアル世代は米国で年間約6,000億ドルを消費し、ミレニアル世代の71%がモバイルデバイスから定期的にオンラインでショッピングをしています。

ミレニアル世代へのマーケティング:3つのベストプラクティス

1. インフルエンサーマーケティングを通じてのユーザーエンゲージメント

ミレニアル世代は、従来の広告手法を通じてだけでなく、自分の関心に関連があるコンテンツを通じてブランドに関わりたいと思っています。実際、ミレニアル世代の84%は従来の広告を信用していません。この世代の信頼を構築するには、コンテンツ作成とインフルエンサーマーケティングを使用しましょう。これにより、ターゲットオーディエンスの間で人気があるソーシャルメディアインフルエンサーと連携してブランドを露出し、人気を集めることができます。

2. オンラインレビューはブランドの評判と収益にとって重要

オンラインユーザーレビューなどの品質指標は、ミレニアル世代の間で販売を促進し、継続率を高めるための効果的な方法になり得ます。メールマーケティングを通じて製品のレビューを残すようユーザーに促す必要もあります。これにより、ユーザーが考えを共有できるようになるとともに、エクスペリエンスに関心がある顧客を最初から最後まで把握できます。

3. ブランドアイデンティティの一貫性を維持

ミレニアル世代が慣れ親しみ信頼できるブランドを購入する可能性が高い場合は、ブランドアイデンティティの一貫性を維持することが従来にも増して重要になります。これには、すべてのオンラインおよびオフライン広告、Webサイト、モバイルアプリ、ブランドと関連のあるその他のすべてのものが含まれます。これは、ユーザーの維持とオーガニックインストールの実現に役立つことがあります。

Z世代へのマーケティング方法

Z世代は、スマートフォン、インターネット、ソーシャルメディアにアクセスして成長しました。これらのテクノロジーに慣れ親しんでいるため、その点をうまく活用することができます。また、この世代に特徴的な社会的、道徳的責任感も、オンラインでの購入方法に反映されています。このグループの70%は、エシカルな企業から購入したいと考えており、社会の向上のために役割を果たすべきだと考える人は、前世代よりも3倍多いことがわかっています。さらに、Z世代の61%は倫理的で持続可能な製品に対してより多くのお金を支出しています。

Z世代へのマーケティング方法:3つのベストプラクティス

1. パーソナライゼーションが重要

半数以上であるZ世代の58%が、個々のパーソナリティをターゲットにした製品に多くの出費をしています。Z世代をターゲティングする場合、パーソナライゼーションは販売を促進し、継続率を高めるための優れた方法です。メーリングリストなどのマーケティングチャネルでは、パーソナライゼーションによって開封率を増やし、ブランドロイヤリティを高めることもできます。

2. インフルエンサーマーケティングを使用してオーディエンスへリーチ

Z世代の69%は広告を妨げだと考え、52%は製品またはブランドに関してアドバイスをするソーシャルメディアインフルエンサーを信頼しています。ミレニアル世代と同様に、インフルエンサーマーケティングはZ世代への効果的なマーケティング方法です。実際に、76%がソーシャルメディアでインフルエンサーをフォローし、45%が10人以上をフォローしています。

3. ソーシャルメディアでブランドペルソナを確立

ある調査によると、Z世代が毎日ソーシャルメディアで費やす時間は平均3時間弱で、ミレニアル世代の平均よりも約1時間多いことがわかっています。また、この世代はソーシャルメディアを介して新製品を知る可能性が高く、Z世代の54%がその他のマーケティングチャネルよりもソーシャルメディアの影響を多く受けていると話しています。ソーシャルメディアのマーケティング戦略を策定する際は、製品の特性と属性のソーシャルメディアの使い方に合わせてペルソナを作成することが必要不可欠です。

この記事が役に立ったら、プレイアブル広告の構築と最適化を紹介するこちらの記事や、2021年のアプリの世界的傾向を調査したこちらのレポートをご覧ください。

Adjustニュースレターに登録して、最新情報をいち早くご確認ください!