How to track app installs and uninstalls

アンインストールを正しく計測し、離脱ユーザーを呼び戻す方法とは

ユーザーは1日あたり10個、1ヶ月あたり30個ものアプリを利用していますが、その多くは長くデバイスに残ることなく、短期間で削除されてしまうのが現状です。そのため、インストール数だけを追っていては、ユーザー行動の本質を見落としてしまう可能性があります。アンインストールに関するデータも、インストールと同じくらい重要なインサイトを提供してくれるのです。

すべてのアンインストールには理由があります。ユーザー体験(UX)に問題や期待とのギャップがあったり、ユーザー行動に何らかの変化があったのかもしれません。アンインストール計測をすることで、損失に関するデータだけでなく、ユーザーがいつどこで離脱したのかを理解する明確なインサイトを獲得できます。このような情報を利用してパターンを特定すれば、マーケターは問題に適切に対応できるようになるでしょう。

このブログでは、アンインストールを効果的に計測・分析する方法と、データが示すアプリのパフォーマンスについて詳しく解説します。

ユーザーのライフサイクルにおけるアンインストール

インストールデータはアプリに流入したユーザー数を提供しますが、どのユーザーが利用を続け、どのユーザーがどんな理由でアプリを離脱したのかはわかりません。アンインストールは、ユーザーがアプリを削除した事実を示すものですが、その理由はアプリへの不満だけではありません。ストレージの制限、デバイスの機種変更、そもそも1回だけ利用するつもりだったなど、削除の理由はさまざまです。中には、アンインストールするまで長い間アプリを利用していなかったユーザーもいるでしょう。ですから、アンインストール率だけを見るのではなく、離脱に至るまでのユーザー行動を分析することが重要となります。

たとえばファイナンスアプリの場合、本人確認に時間がかかるとアンインストール率が高くなる傾向があります。一方ゲームアプリでは、初心者向けのステージをクリアして難易度が上がるタイミングでユーザーが興味を失い、アンインストールするケースが頻発しています。アプリ内のユーザー行動やユーザーセッションの状況を評価できなければ、マーケターはユーザーがアンインストールした理由を推測するしかありません。

だからこそ、アンインストールの傾向はエンゲージメントデータとあわせて分析する必要があります。旅行やゲームといった一部のアプリカテゴリーでは一般的に再インストール率が高いため、アンインストールが必ずしもユーザージャーニーの終わりを意味するわけではありません。早い段階でパターンを特定することで、マーケターは戦略を最適化し、アンインストールのリスクを可能な限り減らして、ユーザーの意図をより正確に理解できるようになります。

世界のアンインストールの傾向:アプリ別の比較

ここで使用するアンインストール率は、次のように計算しています。

アンインストール率 =(アンインストール総数 ÷ インストール総数)× 100

この指標は、ある期間内にアプリをアンインストールしたユーザーを、同じ期間のインストール数と比較して割合を示したものです。

2024年、世界の全アプリカテゴリーにおけるアンインストール率の平均は45%であり、2023年の65%から大幅に低下しました。これはユーザーリテンションの強化が成果を上げていることを示していますが、特定カテゴリーのアンインストール率は依然として高いため、引き続き課題が残されていることも明らかです。

ゲームアプリのアンインストール率はこれまで通り最も高く、2023年の80%からは低下したものの、2024年は67%と未だに高い水準にあります。これは、ユーザー獲得(UA)やオンボーディング施策などで前年より改善されてはいるものの、ゲームは依然として離脱率の高いカテゴリーであることを示しています。特にハイパーカジュアルゲームでは、短時間のプレイ後にアンインストールされる傾向が顕著となっています。ソーシャルアプリもアンインストール率に改善が見られ、2023年の68%から2024年は55%へと大きく低下しました。

ヘルス&フィットネスアプリの場合、アンインストール率は47%から28%へと急激に低下しています。これは、パーソナライズされたフィットネスプランを提供するなどして、ユーザーのエンゲージメントを長期化し、アンインストール率の低下に成功したものと考えられます。

ファイナンスアプリ、ショッピングアプリ、旅行アプリは、ユーザーが必要な取引を行うためのアプリとして利用しており、アンインストール率は若干の低下にとどまっています。ただし、これらのアプリは利用が一時的・断続的になりやすい特性があるため、ユーザーが一度きりの目的でインストールし、その後アンインストールしてしまうケースも多く、アンインストール率の変動につながっています。

習慣的に使われることの多いアプリカテゴリーの場合、自然とアンインストール率が下がります。そうでないカテゴリーでは、最初のセッションが終わった後ですぐに離脱されないよう、どれだけスムーズにオンボーディングできるかが重要となります。

プラットフォーム別のアンインストールの傾向:AndroidとiOSの比較

2024年、Androidアプリの平均アンインストール率は66%と、iOSの23%を大きく上回る結果となりました。これは、2024年中にインストールされたAndroidアプリのうち66%がアンインストールされたのに対し、iOSではわずか23%にとどまったということです。

ゲームアプリは両プラットフォームで最も高いアンインストール率を記録しており、Androidでは80%、iOSでは34%となりました。ソーシャルアプリも同様の傾向が見られ、Androidでのアンインストール率は71%、iOSでは36%となっています。

世界全体のプラットフォーム別アンインストール率(2024年)

ヘルス&フィットネスアプリでは、AndroidとiOSの間に特に大きな差が見られました。Androidでは50%のユーザーがアンインストールしているのに対し、iOSではわずか14%にとどまっています。ファイナンスアプリ、ショッピングアプリ、旅行アプリも同様の傾向にあり、Androidユーザーのアンインストール率はiOSの2倍以上に達しています。この違いは、デバイス環境やアプリストアのポリシー、代替アプリがプリインストールされているなどの影響によるものと考えられます。

ユーティリティアプリはiOSでのアンインストール率がわずか7%と最も低く、Androidの41%と比べても大きな差があることから、プラットフォームごとのユーザー継続率に大きな開きがあることが浮き彫りになっています。

地域・カテゴリー別のアンインストール率

2024年の地域別のアンインストール率は、LATAMが全体で68%と最も高く、MENAが46%と最も低い結果となりました。LATAMではインストールされたアプリの3分の2以上が最終的にアンインストールされているのに対し、MENAでは半分以下にとどまっています。

すべての地域で最もアンインストール率が高いのが、ゲームアプリとソーシャルアプリです。中でもラテンアメリカ(LATAM)は突出しており、ゲームアプリで76%、ソーシャルアプリで73%がアンインストールされています。同じく高い数値だったのがアジア太平洋地域(APAC)です。エンゲージメントが高く離脱率も高いと言われる地域の傾向を反映してか、ゲームアプリ、ソーシャルアプリともアンインストール率は約70%となっています。ゲームのアンインストール率は、それぞれヨーロッパが65%、北米が60%にとどまりました。

ファイナンスアプリは地域ごとの差が最も大きかったカテゴリーで、APACのアンインストール率は58%、ヨーロッパは30%という結果となりました。同様に、ヘルス&フィットネスアプリも地域差が顕著で、LATAMは61%、ヨーロッパは33%と大きな開きが見られました。

一方、全地域でアンインストール率が最も低かったのはショッピングアプリで、特にLATAMは31%、MENA(中東および北アフリカ)は35%となっています。これらの地域では、アプリを利用して定期的に買い物をするニーズが高く、アプリの継続利用を押し上げている可能性があります。また、ユーティリティアプリも同様で、アンインストール率はヨーロッパとMENAではいずれも32%と低いのですが、APACは54%と高めの数字となっています。

Adjustでアプリのアンインストールを計測する方法

Adjustのアンインストール・再インストール計測機能を活用することで、マーケターはユーザーがいつ、どこで離脱したかを可視化して、データに基づいた最適化を実現できます。Adjustでは、サイレントプッシュ通知と呼ばれるバックグラウンドシグナルを使用して、アプリがユーザーデバイスから削除されたかどうかを検出します。これは一般的なプッシュ通知とは異なり、ユーザーの画面には表示されず、アプリが存在していることを確認するためだけに機能します。iOSおよびAndroidにおけるアンインストール計測の詳細については、Adjustのヘルプセンターを参照してください。

アンインストールと再インストールデータへのアクセス

Datascapeは、Adjust製品のひとつであるAnalyzeの一部として提供されています。アンインストール行動についての要約を包括的に提供するもので、マーケターはアプリの削除状況を計測し、時間軸での傾向を見極め、ユーザー離脱に影響を与える要因を評価することが可能になります。アンインストールとコホートベースのアンインストールを計測すれば、ユーザー獲得やエンゲージメント、製品の使用体験などをデータに基づいて最適化できます。

リアルタイム計測と高いレベルの連携を実現するのが、Adjustが提供するアンインストールコールバックです。アンインストールデータを直接社内の分析システムに連携させることで、自動リエンゲージメントやアプリのパフォーマンス診断などのアクションを即座に実行できるようにします。

再インストールの計測:ユーザーの復帰を計測

すべてのアンインストールが永続的とは限りません。中にはアプリに戻ってくるユーザーもおり、Adjustはその「再インストール」を、オーガニックな再インストールとリアトリビューションによる再インストールに区別して計測することができます。オーガニックな再インストールは、ユーザーが外部の影響を受けずに自分でアプリに戻ってくることを指します。リアトリビューション 再インストールは、ユーザーがリターゲティングキャンペーンや広告を通じて再インストールすることを意味します。

マーケターは再インストールを計測することで、アンインストール後に誰がアプリに戻ってきたのか、どのように復帰したのか、マーケティングの取り組みがユーザーの意思決定に影響を与えたかどうかを評価できます。

アンインストールデータを活用する方法

アンインストールデータは、アプリのパフォーマンス問題を診断し、ユーザー体験を最適化するための強力なツールであり、中でもUX問題の解決に即座に対応できるようになります。たとえば、アップデート後にアンインストールが急増した場合、バグや操作性の問題、遅延が原因である可能性がありますが、このようなパターンを早期に特定すれば、問題が大きくなる前にプロダクトチームが解決できます。

また、アンインストールに関するインサイトで、オンボーディングの問題も明らかになります。もしユーザーが早い段階で離脱している場合、登録プロセスに問題があったり、アプリの価値をすぐに提供できていないことが原因かもしれません。マーケターが最初の数セッションのアンインストール傾向を確認し、オンボーディングのフローをスムーズにして機能をもっと活用してもらえば、新規ユーザーも長期的に利用してくれるようになります。

適切なインセンティブを提供すれば、多くのユーザーがアプリに戻ってきます。Adjust Engageでは、マーケターがオーディエンスを作成し、ディープリンクを使用して復帰したユーザーをアプリ内の特定の場所に誘導します。たとえば、ストリーミングアプリの場合、無料トライアル終了後にアンインストールしたユーザーをセグメント化し、リターゲティング広告やEメールオファーにディープリンクを使用することで、ユーザーをアプリ内のパーソナライズされた再登録ページに直接誘導します。これにより、余分な手順を省いて簡単にコンバージョン率を高めることができます。

アンインストールは避けられるものではありませんが、データに基づく施策をプロアクティブに実施することは可能です。アンインストールデータを計測して理解を深めるために、今すぐデモにお申し込みいただき、Adjustの機能をご体験ください。

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