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インクリメンタリティ テスト:モバイルアプリに活用された5つの実例とアイディア18選
モバイルアプリのマーケティングにおいてAIの存在感が急激に増している昨今、ビジネスで競争力を維持するためにはAIテクノロジーの導入が必須となる時代を迎えています。AIをマーケティング戦略に取り入れることで生産性を向上させて、さらなる成果へと転換させるチャンスを積極的に見出す必要があります。他方で、今では数多くのテクノロジーが世に登場しているため、ツールの選定がより難しくなりました。
まずは、AIを活用したAdjustの次世代インクリメンタリティソリューション『InSight』から始めてみませんか。多くのクライアントがすでにInSightを活用し、何百ものインクリメンタルテストが実施されています。さまざまなタイプのアプリで予算を最大限に活用するために実施されたテストの実例とともに、AIによって遥かに強化されたテスト機能を備えるInSightの活用方法を解説します。
シーズナリティのテスト例
1. マーケティングにおけるシーズナリティをテストする
シーズナリティ(季節要因)は、年中行事やある時期特有のトレンドに起因する消費者の行動の変動を指し、モバイルアプリにおけるユーザー行動やエンゲージメントに影響を与えます。これをテストすることでマーケティングの取り組みを強化したり、予算を調整するのに最適なタイミングなどを特定することができます。
カテゴリー | 質問 | KPI | 変数 | 定数 |
---|---|---|---|---|
ショッピング | ブラックフライデーの期間にキャンペーン予算を増やすことは効果的か? | インストール数 | キャンペーン期間 | デバイス:iOS、国:米国 |
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テスト結果 :有意なオーガニックカニバリゼーション(11.28%)
テスト結果から、マーケティングの取り組みを実施していなくても多くのインストールが発生していたであろうことが分かりました。つまり、ブラックフライデーの期間には、ショッピングアプリはオーガニックユーザーのトラフィック増加によって利益を得られることを示しています。今後、キャンペーンを最適化するには、同じような期間に同程度の予算を投下し、他のチャネルとオーガニックトラフィックを活用して検証するとよいでしょう。
シーズナリティを基にしたカテゴリー別のテストには、以下のような例があります。
カテゴリー | 質問 | KPI |
---|---|---|
ファイナンス | 確定申告の時期にマーケティング活動に力を入れると、納税に関連する機能の使用にどのような影響があるのか? | イベント(税金計算ツールの使用) |
マッチング | 年末年始にマーケティング予算を増やすことは適切か? | インストール数 |
フードデリバリー | NBAファイナルの期間にフードデリバリーのプロモーションを強化すると、アプリ内購入は増加するか? | イベント(オーダーの完了) |
チャネルのテスト例
2. 成長するチャネルをテストする
カテゴリー | 質問 | KPI | 変数 | 定数 |
---|---|---|---|---|
ライフスタイル | TikTokでの広告配信はイベント登録数に影響するか? | イベント(イベントへの登録) | 広告チャネル | デバイス:Android、国:ブラジル |
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分析により、イベントへの登録にインクリメンタルリフト(増分効果)が見られました。このことから、ブラジルではAndroidユーザーに対して新たな広告チャネルが有効であることが分かります。この会社の場合は、このキャンペーンによる広告費用回収率(ROAS)も確認して、他の国・地域でも同様のテストを実施し、結果によって別のキャンペーンでも同じチャネルを使用することを検討するとよいでしょう。
チャネルを基にしたカテゴリー別のテストには、以下のような例があります。
カテゴリー | 質問 | KPI |
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ニュース | ソーシャルメディアですでに多くのフォロワーがいる場合、検索キャンペーンによりアプリが発見される率は増加するか? | インストール数 |
旅行 | Google検索にて割引クーポンが付いた新しいキャンペーンを実施すると、初回予約数は増加するか? | イベント(初回予約) |
動画ストリーミング | インストール単価(インセンティブ)が低価格帯の別の広告パートナーは、新規インストールのソースとなり得るか? | インストール数 |
OSのテスト例
3. OS間の差をテストする
ユーザーのOS(オペレーティングシステム)によって、ユーザーが広告クリエイティブや広告コピーに異なる反応を示すことがあります。iOSとAndroidにおけるインクリメンタリティをテストすることで、それぞれのOSのユーザー層がマーケティングの取り組みに対してどのような反応を見せるのかを把握することができます。
カテゴリー | 質問 | KPI | 変数 | 定数 |
---|---|---|---|---|
ゲーム | 広告を掲載したOSでは、ゲームにおけるレベルアップ率が増加するか? | イベント(レベルアップ) | OS(iOSとAndroidの比較) | デバイス:iOS・Android、国:中国 |
テスト結果 :iOSでわずかに有意(6.82%増)、Androidでわずかなオーガニックカニバリゼーション(4.41%)
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結果を見ると、iOSにおけるコンバージョンのパフォーマンスは良好だったものの、Androidにおいてオーガニックインストールのカニバリゼーション(奪い合い)がわずかに見られることが分かりました。マーケティング戦略を最適化するには、インストール数などの他のターゲット変数や異なる期間によるテストを実施して、Androidへの予算をより効果的なチャネルに割り当て直すとよいでしょう。
広告疲れのテスト例
4. 「広告疲れ」をテストする
「広告疲れ」は、ユーザーが同じクリエイティブ(広告)を何度も目にして飽きることにより発生し、エンゲージメントや広告の効果の低下に繋がります。キャンペーンのパフォーマンスやユーザーの関心を維持するには、広告疲れを特定して対処することが不可欠です。
| カテゴリー | 質問 | KPI | 定数 |
|-----------|---------------|--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------|--------------------------------------------------------------------------------------------------------|------|
| ファイナンス | このキャンペーンは広告疲れを引き起こしているか?| インストール、イベント(ローン承認) | デバイス:iOS、国:ドイツ
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テスト結果 :インストール数のインクリメンタルリフト(増分効果)はわずか、「ローン承認(イベント)」はわずかに減少
このテスト結果から、フィンテックアプリのイベントとインストール数の両方に対してキャンペーンによる影響はさほど大きくないことが分かり、「広告疲れ」が見られることを示唆しています。この会社がキャンペーンを活性化させて有効性を取り戻すためには、クリエイティブやメッセージ、広告フォーマットなどを変更することを検討するとよいでしょう。
地域差のテスト例
5. 新たな地域をテストする
アプリの世界展開を検討する場合、新たに開拓したい国や地域をテストすることで、成長や収益性において最も高い潜在力がある市場を特定することができます。ユーザー行動やユーザー獲得コストにおける地域差を理解することで、マーケティング戦略を最適化して収益を最大化させ、ユーザー層を効果的に拡大することができます。
カテゴリー | 質問 | KPI | 変数 | 定数 |
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フードデリバリー | 最も価値のあるインストールをもたらす新しい国や地域は? | インストール数 | 国 | デバイス:iOS |
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インクリメンタルテストの結果によると、地域Aでは低いコストで高い顧客生涯価値(LTV)をもたらすインストールをわずかに多く生み出しているものの、ユーザーのカニバリゼーションが激しいため、キャンペーンなどによって増えた分のインストールによる価値は低いことが明らかになりました。一方、地域Bでは、コストがより高いにも関わらず地域Aのような大きなカニバリゼーションが見られないため、強力なLTVを持つユーザーがいることが分かります。したがって、地域Aではインストール増分による価値はカニバリゼーションによって起こるマイナスの影響に勝ることができず、地域Bへの投資の方がより価値がある可能性を示しています。
18のアイディア
インクリメンタルテストの18のアイディア
上記の例以外にも、次世代のインクリメンタリティソリューションであるAdjustの『InSight』はインクリメンタリティにおける業界屈指のツールとして、アプリ内イベントやインストール数を選ぶだけでテストすることができ、またテストする事象に制限はなく、その活用には可能性が広がっています。以下に、効果的なクリエイティブを生み出すのに役立つ18のアイデアをご紹介します。
- 異なる広告クリエイティブが、インストール数にどのような影響を与えるのか?
- 高い価値をもたらすユーザーが多い国・地域は?
- 広告のパーソナライゼーションによりインストール数は増加するか?
- 広告予算を増やすことがサブスクリプションの増加に繋がるか?
- 検索キャンペーンはオーガニックインストールに影響するか?
- 広告予算を減らすことが、日々のユーザーの継続率の減少に繋がるか?
- 長期間にわたって使用することを目指す「エバーグリーン広告」は、インストール数にどのような影響を与えるのか?
- SKANキャンペーンは、全体的なアプリのインストールにどのような影響を与えるのか?
- 週末に実施するキャンペーンは、アプリ内購入にどのような影響を与えるのか?
- 季節限定のプロモーションは、新規ユーザーの登録にどのような影響を与えるのか?
- ロイヤリティプログラム(優良顧客への特典など)によりリピート購入は増加するか?
- 期間限定の割引を提供することは初回購入の促進となるか?
- 無料体験期間を提供することは、サブスクリプションへのコンバージョンに繋がるか?
- 最も多くのインストールをもたらすのは、どのアドネットワークか?
- 自然発生的な有名人による推薦はペイドキャンペーンにどのような影響を与え、果たしてその間は広告費用を一旦中断するべきだったか?
- ペイドキャンペーンは、コンバージョンの遅延や紹介(自然発生的な上昇)などの要因を通して、オーガニックインストールに対してどのようなプラスの影響を与えているのか?
- アプリのオーガニックカニバリゼーションは支障となっているのか、あるいは全体的なインストール数の増加に少なからず貢献しているのか?
- ユーザーがアクションを行うことができる「インタラクティブ広告」を活用することは、サブスクリプションに対してどのような影響を与えるのか?
今回は、高度なAIテクノロジーを活用したAdjustの『InSight』を使ってクライアントが実際にインクリメンタリティをテストした実例とアイディアをご紹介しました。テストしたいアプリ内イベントやインストール数を選ぶだけで、マーケティングの取り組みを強化するための貴重なデータを取得することができます。また、テスト対象となり得る要素は無限にあり、結果から導き出された分析を活かしてマーケティング戦略を継続的に改善していくことが、さらなる成果に繋がります。
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