顧客生涯価値 (LTV) | Lifetime Value

用語集 顧客生涯価値 (LTV) | Lifetime Value

顧客生涯価値 (LTV) とは

LTVは、顧客と製品との間における継続した関係から発生する純利益を予測したものです。特定の消費者がアプリでどれくらい課金する可能性があるかを試算し、LTV値として提示することで、マーケティング予算を設定し最も効果の高いユーザーを特定します。

ユーザーの顧客生涯価値をうまく予測できれば、マーケティングにおける優れた判断要素となり、広告費用の効果を最大限に高められます。顧客生涯価値は、CLV、CLTVまたはLCVとも呼ばれます。

LTVの計算方法

LTVは、特定の期間におけるユーザーの平均離脱率と平均課金(購入)額を計算し、アプリにおける全体の収益を予測するものです。モバイル広告ネットワークのTapdaqが開発したシンプルなLTV計算方法は次の通りです。LTV = ARPU x 1/Churn

この計算式では、ユーザーの特定期間の予測購入額(ARPU:平均ユーザー収益)と離脱の頻度 (1/churn) により生涯価値を算出しています。この計算式を使って、ユーザーがアプリケーションを使い続ける間に、どれだけの収益が見込めるのかを予測できます。

LTVがAPRUなどの他の指標より重要視される理由

APRUなどの指標は、特定の期間におけるユーザーの価値を示すだけにとどまります。継続率をLTVと組み合わせることで、マーケターはユーザーの将来価値を予測する大まかなモデルを手に入れられます。平均収益と比較してユーザーは長期的により大きな価値を提供するといったことがわかり、マーケターは、ユーザー獲得キャンペーンの予算を増やし、より価値の高いユーザーを獲得できるようになります。

例えば、アプリの月間ARPUが5ドルだったと仮定します。ここで計算を止めてしまうと、支出が収益に見合う前に、インプレッション単価 (CPI) が4.99ドル以上伸びないとマーケターが判断し、ユーザー獲得に制限を設ける結果になります。

しかし、マーケターが離脱率を30%と計算できれば、LTVの算出が可能です。結果的にマーケターは、ユーザーの獲得に向け最大16.65ドル使えることになり、ユーザー獲得のオプションを大幅に拡大できます。

LTVを計算する際の注意点

LTVを計算する際の最大の問題は、それが予測指標であり、決定的なものではないということです。基本的に、LTVはユーザー行動の変化によって変わるものです。つまり、上記の計算式はLTVの優れた使用例ではありますが、モバイルマーケティングの目的に使用するには正確さに欠けることを意味しています。

例えば、アプリのユーザー100人のうち、20人を3ヶ月間維持できていたとしても、アプリのアップデートの失敗により、最終月にはARPUが突然減少する場合もあります。このような場合、マーケティング予算額の計算に用いられたLTVは高すぎると予測され、以降のLTV値に影響を与える可能性があります。多くの場合、LTVの算出法には予測に特化した別の仕組みも含まれており、その計算をさらに複雑なものにしています。

LTVを困難にする他の要因は、各ユーザーに対して価値を割り当てなければならないことです。ほとんどのアプリが数千ものユーザーベースを発生させるため、各ユーザーのLTVにマーケティング費用を独自に割り当てることが課題となります。LTVを使用するマーケターは、ユーザーをコホートにグループ分けする必要があります。各グループの行動タイプごとに全体的なLTVを算出することで、マーケティング予算をより的確に配分できるようになります。

アプリのLTVを正確に計算する方法

LTVを正確に計算するためには、3つのステップがあります。

  1. マーケターは、アプリ内分析によって、ユーザーが経時でどれだけの収益をもたらしているか、またどれだけの期間、ユーザーを維持できているかといった点を正確に測定する必要があります。つまり、収益を発生させるアクション(広告の閲覧やアプリ内購入など)とユーザーの関係を全て記録し、ユーザーの継続率の計算を可能な限り正確にできるよう、適正な計測や分析のためのインフラを準備しなければなりません。

  2. ユーザーのLTVをさまざまな視点から観察できるよう、ユーザーをコホートにグループ分けします。

  3. どのようにLTVを計算するかを決定します。アプリ分析の設定の正確性や計算に必要なリソースの確保など、現実的な制約により、必然的にマーケターが出来ることと出来ないことが発生します。

LTVとAdjust

管理画面にあるコホートセクションで、アプリのLTVを確認できます。Adjustは、平均的なユーザーが生み出す収益合計に基づいてLTVを計算します。このセクションでは、コホートに属する全てのユーザーを対象に計算したLTVとは別に、課金ユーザーの顧客生涯価値を確認することもできます。LTVは時間と共に変化し、最終的には損益分岐点に達してアプリ収益を得られるようになります。

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