ブログ QRコード:YouTubeでコネクテッドTV広告をスケールさせる秘策

QRコード:YouTubeでコネクテッドTV広告をスケールさせる秘策

YouTubeでモバイルアプリを宣伝するマーケターにとって、2021年の「55.4%」という数字は、大変注目に値するものです。Insiderによると、これは2021年にコネクテッドTV(CTV)経由でYouTube動画を視聴した米国のユーザーが全体に占める割合です。この割合は2019年の33.8%、2020年の52.8%から増加しており、2025年には60.8%に達すると予想されていますが、これを視聴者数に換算すると1億2380万人になります。

これは米国だけの傾向であると主張する人もいるかもしれません。たしかに、世界的に見ると、コネクテッドTVでYouTubeを視聴する人の割合はこれを大きく下回ります。Convivaの調査では、2021年の第2四半期、全世界におけるYouTube視聴時間の14%がコネクテッドTV経由の配信であったのに対し、63%はモバイル経由の配信であったと試算されています。

とはいえ、米国で視聴者数の割合が高いのは、米国がコネクテッドTVの主な市場であり、全人口の実に64.5%がCTVの利用者であるいう事実と相関関係にあることは明らかです。Research and Marketsによれば、スマートテレビの他国での普及率はそれほど高くはありませんが、その差は着実に縮まっています。スマートテレビの販売台数だけを見ても、2019年の2億930万台から2025年までに2億6640万台に増加すると見込まれています。CTVデバイスのさらなる普及に伴い、コネクテッドTVでYouTubeコンテンツが視聴される割合は確実に増え、将来的にはCTVが世界標準になるであろうと予測されています。

米国のYouTube視聴者の過半数をコネクテッドTVの利用者が占めているという事実を、モバイルマーケターは今すぐにでもその戦略に織り込むべきであるといえるでしょう。

実践方法

マーケターにできることは何でしょうか?それは、コネクテッドTV向けのYouTube広告にQRコードを追加することです。技術的にはシンプルですが、ユーザーを別の場所に誘導するという意味では、QRコードのスキャンと広告のクリックは同等です。これは、確定的アトリビューションと確率的アトリビューションの両方で計測が可能です。実際QRコードを使用すれば、広告の効果が計測できるようになるだけでなく、YouTubeをブランド認知度向上のチャネルからパフォーマンスツールへと変えることができます。

2010年初頭に世界中で注目を集めたQRコードは、もはや単なるトレンドや誇大宣伝ではなく、私たちの日常生活の一部となりました。新型コロナウイルスのパンデミックが始まってからというもの、QRコードを使って公共施設にチェックインしたり、診療予約やイベントに参加したり、レストランのメニューを読んだりするのにも慣れてきたはずです。これが「QRコード」ブームの再来だと感じる人もいるようですが、路上営業の屋台から自動販売機まで、生活のほぼすべての支払いをQRコードで完結できる中国などでは、このような感想を抱く人はまずいないでしょう。

QRコードをコネクテッドTV広告に連携する方法

潜在顧客は、自宅のコネクテッドTV端末を通じて(そして、おそらくスマートフォンがすぐ手元にある状態で)お気に入りの番組を視聴しています。モバイルストリーミングにおけるAdjustの調査では、デュアルスクリーニング、すなわち、テレビを視聴しながらモバイル端末を使用する行為は、多くの人にとって日常的な習慣であることが判明しています。これを踏まえ、ほとんどのコネクテッドTV端末では、ユーザーがモバイル端末をリモコンとして使える仕様になっています。たとえば、広告を見ながらQRコードをスキャンしてアプリストアにアクセスし、TV画面上で宣伝されているアプリをダウンロードして使用を開始するという選択肢をオーディエンスに提示するのです。

もちろん、広告でのQRコードの使用が不適切な場合もあります。過去には、QRコードを高速道路脇の広告版に掲出したという事例が報告されています。YouTube広告でQRコードを使用する場合は、このような失敗から学ぶことができます。QRコードをスキャンするには一定の時間が必要となるのですが、その点YouTube広告は、完璧なフォーマットといえるでしょう。

その好例とされるのが、こちらの米国におけるBurger Kingの広告です。「フードレビュアー」という明確なフックがあり、おいしい具材全てを含めた商品を魅力的に紹介し、「このハンバーガーに足りないのは、もう一つの口だけだ」という解説で、レビュアーはオーディエンスの疑念を完全に打ち消します。それに続いて、ハンバーガー2個で5ドル、配達は無料という情報を顧客に提示して、商品に対するインセンティブを高めています。最後にQRコードが表示されます。QRコードは、音楽とナレーション付きの静止画面に10秒間表示され続け、それ以外の部分とは大きく異なっています。さらに、QRコードのスキャンが間に合わなくても、次のセグメントでまたスキャンする機会があることを顧客に知らせています。

要約すると、このQRコードは広告のメッセージをあいまいにするものではなく、行動を促す不可欠な要素といえます。別の広告では、Burger Kingはスキャンするプロセスのゲーミフィケーションを取り入れました。カウントダウン後に画面上を動き回るQRコードをスキャンすることに成功した消費者にハンバーガーを無料でプレゼントするという仕掛けです。テレビのデジタル化が進み、広告のフォーマットが変化していくのに伴い、QRコードの活用方法もさらに進化していくことでしょう。

結果

ここまでQRコードをコネクテッドTVに連携させる手法を紹介しましたが、果たしてその効果はあるのでしょうか。正直なところ、実際の施策事例はまだそれほど多くありません。コネクテッドTVは、多くのモバイル広告主にとってまだまだ目新しいものであり、これからテストしたり実験したりする手法はいくつも存在します。それでも、QRコードを導入し、非常に有望な成果を上げる事例がすでにいくつか確認されています。コネクテッドTV広告にQRコードを追加した後、800%のコンバージョン率上昇を達成したクライアントの例がその良い例です。

Adjustとしては今年、市場、プラットフォーム、季節性を軸にQRコードの成功を分析することに取り組んでおり皆様のお役にたつ情報を共有してまいります。

YouTubeやその他のコネクテッドTV/OTTプラットフォームの広告で、QRコードを導入すると、キャンペーンを拡張し、ブランド認知チャネルをパフォーマンスチャネルに進化させることができます。併せまして、QRコードの計測方法や、コネクテッドTVキャンペーンの設定についても是非ご覧ください。

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