オプトイン|Opt-in
オプトインとは?
「オプトイン」という用語は、デジタルマーケティング業界全体で、さまざまな状況においてユーザーの同意を得るプロセスを指す言葉として使用されています。モバイルマーケティングにおいては、ユーザーがマーケティング関連のコミュニケーション、プッシュ通知、パーソナライズド広告やアプリサービス、ターゲティング広告(リターゲティングを含む)を自発的に受け取ることに同意するプロセスを意味します。オプトイン(同意の提供)は多くの場合、チェックボックスへのチェック、フォームへの登録、アプリの利用規約への同意といった具体的なアクションを伴います。特にAppleのApp Tracking Transparency(ATT)においては、「オプトイン」という言葉はATTの選択肢そのものを指す言葉として使われるようになりました。ユーザーは「トラッキングを許可」を選ぶことでオプトインし、「Appにトラッキングしないように要求」を選ぶことでオプトアウトの状態を維持することになります。
オプトインの実施は、プライバシー規制の遵守を確保するとともに、ユーザー自身が受け取るコミュニケーションや広告の種類および頻度をコントロールできるようにすることで、ユーザーとの信頼関係を築く助けになります。オプトインする価値をユーザーに適切に伝えているブランドやアプリでは、同意率の向上やユーザーエンゲージメントの改善が見られることが一般的です。これは、より詳細なデータによってパーソナライズされたユーザージャーニーの実現が可能になるためです。
マーケターが特定の情報へアクセス・保存したり、広告目的でユーザーとコミュニケーションを取るためにオプトインが必要となるケースには、以下のようなものがあります。
- SMSマーケティング
- プッシュ通知
- ニュースレター購読
- Eメールマーケティング
- Cookie
- App Tracking Transparency (ATT)
- 位置情報サービス
- GoogleのGAID(Google広告ID)
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オプトインが必要な理由
オプトインは、マーケティング活動がプライバシー関連の法律や規制、ルール、枠組みに準拠するために必要とされるプロセスです。たとえば、一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)、そしてATTのようなフレームワークが該当します。これらの規制では、データ収集やマーケティング目的のコミュニケーションを行うにあたり、ユーザーによる明確な許諾が必要であると定められています。モバイル領域においては、デバイス識別子を共有する場合にもオプトインが求められます。デバイス識別子は、アトリビューションやパーソナライズド広告のターゲティングによく使用されるものです。
AppleのATTは、広告主向け識別子(IDFA)へのアクセスを管理するものであり、モバイル広告における「プライバシーを最優先する」業界全体の流れを促進させました。iOS 14.5以降、ユーザーはIDFAの共有についてオプトインする必要があります。一方、GoogleもユーザーがGoogle Advertising ID(GAID)とプライバシー設定をデバイス上で管理できるようにしており、これによりユーザーはデータ共有をオプトアウト(拒否)することが可能です。今後、GoogleのAndroid向けプライバシーサンドボックスの展開により、GAIDへのアクセスはさらに制限されるか、新しいプライバシー重視の仕組みに移行していくと見られています。
ダブルオプトインとは?
ダブルオプトインとは、ユーザーの同意が本物であり、かつ本人の意思に基づくものであることを確認するために、オプトインに追加される確認ステップです。ユーザーが初回の登録やデータ共有、コミュニケーションの受信に同意した際にダブルオプトインが有効になっている場合、確認用のメールやメッセージが送信されます。ユーザーはそこに記載されたリンクをクリックする、またはメッセージに返信することで、同意を改めて確定します。この2段階のプロセスによって、入力された情報の正当性と、ユーザーが本当にオプトインを希望しているかどうかが確認されます。
この手法は最終的なオプトイン件数を減少させる可能性がある一方で、スパムの可能性を低減し、登録者リストやデータベースの質を高める効果があります。なお、いくつかの国では、収集したデータの保存および処理においてダブルオプトインの実施が法的に義務付けられています。これに該当する国には、オーストリア、ドイツ、ギリシャ、ルクセンブルク、ノルウェー、スイスが含まれます。
App Tracking Transparencyのオプトインはどのように機能するの?
ATTは2021年にAppleが導入したフレームワークで、モバイルアプリに対して、個人のデバイス識別子へのアクセスについて明確な許可を得ることを義務付けるものです。この識別子、すなわちIDFAへのアクセスが可能になることで、アプリは他のアプリやウェブサイト上でのユーザー行動を追跡できるようになります。これにより、精度の高いターゲティング広告、キャンペーンの最適化、およびアトリビューションの実現が可能となります。
ユーザーがATTが適用されているアプリを初めてインストールまたは起動する際には、トラッキングを許可するかまたは拒否するかを選べるプロンプトが表示されます。ユーザーが同意した場合、アプリはIDFAへのアクセスが許可され、広告パフォーマンスの測定やパーソナライズド広告の配信が可能になります。一方で、ユーザーが許可しない場合、アプリはIDFAにアクセスできず、代わりにAppleのSKAdNetwork(SKAN)やAdAttributionKitを使用してアトリビューションを行う必要があります。このオプトインプロセスにより、ユーザーは自身のデータに対するコントロールを持ち、プライバシーに関する判断を自分で選択できるようになります。
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オプトイン率を高める方法
オプトイン率を向上させるには、どのチャネルやキャンペーンタイプであっても、プロセスをできるだけスムーズかつ魅力的にすることが重要です。
- 価値を明確に提案: 限定コンテンツ、パーソナライズされた特典、アプリ機能の強化、より関連性の高い広告の表示や広告の削減など、オプトインすることでユーザーが得られるメリットを明確に伝えましょう。
- プロセスを簡素化: 可能な範囲で、かつ法令に準拠したうえで、オプトインに必要なステップ数を減らし、ユーザーにとって直感的で分かりやすいUX設計にしましょう。
- タイミングとコンテクスト: タスクを完了した後や人気の機能を利用した後など、ユーザーが最もエンゲージするタイミングでオプトインを求めましょう。多くのアプリでは、オンボーディングプロセスの特定の部分に、関連性のあるオプトインを組み込んでいます。
- 透明性の確保: 収集するデータとその使い道をはっきり伝え、ユーザーにプライバシー保護への配慮があることを伝えましょう。AppleのPrivacy Nutrition Labelsでは、アプリに対してこれらの情報を提供することが義務付けられており、何を、なぜ明示すべきかを理解するための有効な指針となります。
- インセンティブ: ユーザーにオプトインを促す方法として、ディスカウントや無料お試し、プレミアム機能へのアクセスなどのインセンティブを提供してみましょう。
- ABテスト: すべてのマーケティング戦略と同様に、ABテストは異なるセグメントに対して何が最も良い結果をもたらすかを判断するのに役立ちます。ユーザーのペルソナによっては、異なるフローやプロンプトの方がオプトイン率が高くなる場合があります。
オプトインに関する詳細情報や、進化し続けるプライバシー規制下でのアプリ成長の促進方法、SKANやAdAttributionKitの活用についてさらに詳しく知りたい方は、Adjust担当者までお問い合わせいただくか、デモをお申し込みください。
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