ブログ モバイルゲームで成功するためのデータ主導型インサイト

モバイルゲームで成功するためのデータ主導型インサイト

モバイルゲーム業界が早いスピードで進化し続けていますが、複雑なプライバシー規制への対応や、次世代テクノロジーと計測を開発するための生成型AIの活用など、アプリマーケターや開発者にとって課題と機会の両方をもたらしているのではないでしょうか。競争が激化するこの市場で長期にわたり成功するには、高品質のクリエイティブを制作し、適切なチャネルを見つけ、コネクテッドTVを効果的に活用することが不可欠です。さらに、適切なマーケティングミックスを構築し、セグメントと収益源を多様化し、プレイヤーの好みや行動に合わせてマーケティングの取り組みを調整することで停滞を防ぎ、成長を促すことができます。

モバイルゲームレポート:アプリをグロースさせるためのインサイトでは、AdjustデータとAppLovinおよびSparkLabsの専門家のインサイトをご紹介しながら、2024年以降のモバイルゲームマーケティングをマスターするための戦略を解説します。

レポートをダウンロードして、業界トレンドや最もパフォーマンスの高い地域、ゲームアプリカテゴリーのランキングなどをご確認ください。

ダニエル・チェルナホフスキー(Daniel Tchernahovsky)

AppLovin グローバルビジネス開発部門VP

2024年とそれ以降のモバイルゲーム:潜在的な成長分野

2023年はモバイルゲーム業界にとって驚くべき変化に満ちた1年となりました。10年間成長し続けたにもかかわらず、ゲームのインストール数は2%減少し、セッション数は7%減少しました。しかし、モバイルゲーム業界はその力強さを示し、2023年第4四半期から回復し始め、インストール数が前年比7%増となりました。この成長は今年も続いており、2024年1月のセッション数は前年比3%増となりました。

2023年にさまざまな変化があった中、モバイルゲーマーはゲームを楽しんでおり、1セッションあたりの平均滞在時間は全ジャンルで31.5分でした。例年通り滞在時間が最も長かったのはアクションゲームでしたが、45.8分から45.7分とわずかに減少しています。一方、アドベンチャーゲームは28.8分から29.7分に増加しました。さらに、ハイパーカジュアルゲームが14分から16.4分と最も伸びた一方で、RPGは41.5分から40.4分とわずかに減少しています。

アプリ内滞在時間を地域別に見ると、2023年はAPACがセッションあたり平均35分とトップで、EMEAが29分、LATAMが27分、北米が25分とそれに続く結果となりました。国別に見ると、インドネシアが平均48分とトップで、フィリピンが46分を記録しました。一方、滞在時間が最も短いのはイギリスとアイルランドで24分でした。

こうした地域的な違いは、世界中のゲーマーの好みや行動パターンが多様であることを示しています。APACのゲーマーはアクションやRPGのタイトルを好み、イギリスとアイルランドのユーザーには、ハイパーカジュアルやアーケードゲームが人気です。そのため、ユーザー体験をパーソナライズし、AIを活用してプレイヤーの好みに合わせてゲーム体験をカスタマイズし、アプリ滞在時間を増やし、より早く収益化を図ることが重要になります。

ゲームアプリの継続率トレンドを分析

では、エンゲージメントについて詳しく見ていきましょう。継続率を分析することで、モバイルゲームのプレイヤーレベルを把握できます。2023年におけるゲームアプリの世界的な1日目の継続率の中央値は、2022年の29%から28.3%へとわずかに減少しました。全体としては若干減少したものの、特定のゲームサブカテゴリーが優れたパフォーマンスを見せたことがわかりました。たとえば、ハイブリッドカジュアルゲーム(英語)の継続率は29%と、ハイパーカジュアルゲームより2ポイント高い結果となりました。割合が最も高かったのはスポーツアプリの31%で、次にカジノ、パズル、RPG、シミュレーションゲームがそれぞれ30%続く結果となっています。

地域別に見ると、1日目の継続率はAPACが世界中央値を29%上回りました。APACアジア太平洋地域では、インドネシアとインドが同じ数値を記録し、日本とシンガポールが28%と僅差で続いています。EMEA、LATAM、メキシコでも1日目の継続率が28%を記録しています。一方、韓国、UAE、ブラジルの継続率は25%と低くなっています。

継続率を向上させるために、モバイルアプリのマーケターと開発者は、オンボーディングの最適化、地域の好みに合わせたコンテンツの調整、プレイヤーの関心を維持するためのユーザー体験のゲーミフィケーションなど、さまざまな戦略を立てることができます。しかし、ジャンルによってユーザーパターンやアプリの求めるものは異なります。つまり、モバイルゲームの継続率はどれも適切ということはありません。

モバイルゲームのエコノミクス

2023年において、モバイルゲームのインストール数とセッション数の伸びはあまり見られなかったものの、ゲームアプリのアプリ内収益は前年比6%増と大幅に増加しました。収益は12月にピークに達し、第4四半期のインストール数の急増に伴って、年平均比17%増、前年比21%増を記録しました。1月にはすでに前年比13%増と好調なスタートを見せており、今後もこの傾向が続くと予想されます。

このレポートでは、収益化の効率とユーザーエンゲージメントの重要な指標である1ヶ月あたりの平均収益(ARPMAU)も調査しています。2023年、モバイルゲームの全サブカテゴリーにおけるARPMAUは0.77ドルでした。具体的には、RPGが5.12ドルと最も高いARPMAUを記録した一方で、アドベンチャーゲームは1ヶ月あたりのアクティブユーザー数が3.69ドルでした。

逆に、ユーザーあたりの売上高が多いものの、アプリ内購入(IAP)による収益化が少ないことで知られるハイパーカジュアルゲームのARPMAUは、最も低い0.18ドルでした。これは、1ヶ月あたりのアクティブユーザーあたり0.23ドルを記録したハイブリッドカジュアルゲームより若干低く、また39%と大幅な増加を示しています。

地域別に見ると、ARPMAUは米国が1.25ドルと最も高く、世界平均を62%も上回っています。それに続くのが日本の1.03ドルで、APAC地域の中央値は0.55ドルでした。インドやフィリピンなどのARPMAUが低いため、それぞれ0.07ドル、0.14ドルと記録されています。EMEAは中程度の数字を示し、ドイツ語圏MACH地域のARPMAUは0.60ドルを記録しました。ARPMAUが最も低いのはブラジルとメキシコを含むLATAMで、いずれも0.20ドルを下回りました。

競争が激しいエコシステムにおいて、ARPMAUを高め、財務的に安定しているゲームアプリの維持を目指すモバイルマーケターやアプリ開発者にとっては、効果的な収益化戦略を構築することが重要です。これらの手法には、ユーザーの好みや各地域の行動に合わせて収益化の方法をカスタマイズ、コンテンツのローカライゼーション、従来の広告にとどまらないサブスクリプション、パートナーシップの調査をもとにした収益源の多様化、ターゲットを絞った収益化のためのデータ分析などが含まれます。

モバイルゲーム業界における成長機会のヒントと、それを活用してアプリをスケーリングさせる方法については、モバイルゲームレポート:アプリをグロースさせるためのインサイトをご覧ください。

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