ブログ CTVのマーケティングパフォーマンス分析:アシスト力の活用

CTVのマーケティングパフォーマンス分析:アシスト力の活用

現在、米国の世帯の87%以上が少なくとも1台のコネクテッドTV(CTV)端末を所有しており、この数は2014年以降年々増えています。世界の市場がこの動きに追随する中で、CTVはその地位を確立し、オンライン、アプリ、モバイルマーケティングの世界で大きな存在感を放つ存在となりました。過去には、CTVが「費用のかかる、計測が難しいエコシステムだ」という印象から、CTV広告の導入をためらうマーケターも一部いました。しかし現在では、CTVを戦略に組み込むマーケティングチームが増加しています。常にこの動きの最前線にいたのがAdjustです。Adjustのソリューション、CTV AdVisionは、クライアントがCTVを「認知度向上のためのメディア」から「パフォーマンスチャネル」へと変え、「CTVのアシスト力」を理解し、活用できるようにします。

しかし、多くのマーケティングマネージャーにとって、CTVキャンペーンのパフォーマンスを評価する具体的な方法を決定するのは依然として複雑なプロセスです。CTVキャンペーンの計測には独特の利点と特異性があり、Webまたはモバイルでユーザー獲得(UA)キャンペーンを計測する方法と完璧に一致するわけではありません。

このブログ記事では、Adjust コネクテッドTV部門・新規チャネル部門ディレクターのハイスベルト・ポルス(Gijsbert Pols)に、チャネルミックスの不可欠なパートであるCTVの役割をマーケターがどのようにして包括的に理解できるか、そしてどうすればキャンペーンのパフォーマンスを効果的に分析できるかについて話を聞きました。

CTVキャンペーンの設定方法

どのマーケティングキャンペーンにも言えるように、達成したい目標と、チームの能力との兼ね合いを見極めることが重要です。以下では、CTVキャンペーンを始める上で決断すべきポイントをいくつか紹介します。

目標を定義する

CTVキャンペーンを始める上でまず考えるべきことは、目標が「ブランドの認知度を向上させること」なのか、それとも「パフォーマンスチャネルとしてCTVの効果を試すこと」なのかです(後者の方が間違いなくより面白みのある目標だとお伝えしておきます)。ブランディングチャネルとしては、CTVは従来の地上波テレビと同様に機能する上、より明確な計測と、はるかに粒度の高いターゲティングの機会を提供します。一方で、CTVをパフォーマンスチャネルとしてテストしたい場合、チームメンバーの専門知識のレベルを評価することが重要です。なぜなら、それがCTV広告のメディアバイイング戦略を左右するからです。

アドネットワークかベンダーかを決定する

CTVの分野で豊富な経験がある場合は、ストリーミングサービスやCTVプラットフォーム(RokuやHuluなど)が提供するアドネットワークなど、インベントリ(広告枠)サプライヤーに直接連絡を試みるのも非常に効果的です。逆に、経験や専門知識があまりない場合は、キャンペーンを実施するベンダー(tvScientificVibe.coThe Trade Deskなど)と連携して、自社製品に適したオーディエンスを見つけることをおすすめします。これらのベンダーは、Hulu、ABC、Roku、Peacockなど、CTV分野のさまざまなインベントリサプライヤーに製品をマーケティングできるため、特に有利な立場にあります。

広告フォーマットを選択する

広告フォーマットの種類を決めることも重要です。大画面で音声の質も保証されているCTVには、従来ユーザーが広告を受け入れやすいフォーマットのため、デスクトップやモバイルにはない複数の選択肢が存在します。また、CTVは共同で使用される端末であり、消費者は誰かと一緒にテレビを見ることが多いことから、セグメンテーションによっては「個人」ではなく「世帯」をターゲティングできるでしょう。目標を定義し、パフォーマンスチャネルとしてCTVを活用する方法を把握するには、クリエイティブで新しいさまざまなCTV広告フォーマットを試してみることが不可欠です。

キャンペーンを最適な形で設定し、クリエイティブが準備できたら、次は計測に進みましょう。

CTVのパフォーマンス計測:カスタムCTVアシスト分析

キャンペーンを実施する前に、Adjustのようなアトリビューションプロバイダーと計測を開始することが重要です。ダイレクトサプライヤーや中間事業者とのパートナー連携により、設定は比較的簡単にできます。また、Adjustが提携していない企業やサプライヤーと連携する場合でも、Adjustは計測を提供し、設定をサポートすることが可能です。

キャンペーンを開始すると、CTVによって直接もたらされるインストールとエンゲージメントを完全に把握することができます。 Adjustは、CTVがお客様のすべての幅広いキャンペーンにどのような影響を与えているかをアシスト力という形で表します。Adjustが提供するこのインサイトは、ベンダーやネットワークがもたらすものとは大きく異なるでしょう。ベンダーやネットワークは、多くの場合、CTVの全体的なパフォーマンスに関するインサイトを提供するものの、自社のキャンペーンからのデータしか取得していないため、その視点は偏ったものになります。一方、Adjustは、すべてのチャネルに対してファネル全体に渡る文脈に基づいた視点を提供します。さらに、それらがどのように相互作用するかを可視化し、CTVが検索やソーシャルといった典型的なファネル下部のチャネルに与える影響の良し悪しを理解するために必要なインサイトをお届けします。簡単に言うと、カスタマージャーニーにおけるCTVの位置付け、アトリビューション ウォーターフォールモデルでのCTVの役割、キャンペーンパフォーマンスへの影響に関する全体像を提供することで、CTVがコンバーション獲得をいかにアシストできるかをご覧いただけます。

特定のカジュアルモバイルゲームアプリのCTVキャンペーンを見てみると、インプレッションによるインストールへの直接のコンバーション率は0.25%と比較的低いことがわかりました。一方、アシスト力を考慮した場合、CTVのアシストによりコンバーションに至ったのは全体の8.8%で、iOSでは9.4%にもなりました。現在Adjustを使用して実施中のCTVキャンペーンでは、全チャネルのうちCTVのアシスト件数は最大15%にもなり、特定のアプリのトップパフォーマンスチャネルでは、25%に達することがわかっています。

CTVのアシスト力を理解する

結局のところ、CTVはファネル上部に位置しているため、ラストタッチアトリビューション(LTA)ではその効果を完全に計測できません。CTVを正確に評価するには、ファネル上部を可視化し、CTVがマルチチャネルキャンペーンレベルで全体的に果たす役割を理解するための計測データが必要です。パフォーマンスチャネルとしてのCTVの働きを理解し、その効果を真に発揮させるには、複数のKPIに注目しなければなりません。最も決定的なのは、LTAだけではCTVの役割を十分に把握できない点です。CTVが関係するカスタマージャーニーのうち、実際にCTVチャネルに貢献度がアトリビュートされるのはわずか2〜5%に留まっています。

考慮するべきポイント

  • CTVはあくまでもテレビであり、スマートフォンやパソコンのような個人向け端末ではなく、色々な意味でソーシャルな(複数の人が共有する)端末です。CTV広告にも訴求力はありますが、実際にコンバーションにつながる確率は、他の端末(Webやモバイル)における広告よりも常に低くなります。しかし、それと引き換えに提供できるのが、大画面表示のより優れた広告体験です。つまり、消費者は小さなデバイスで見るよりもはるかに鮮明に製品の映像を目の当たりにするため、ファネル下部のチャネルにおいてコンバーションが期待できるのです。
  • アシスト分析から得たインサイトの活用方法は、基本的に2つあります。Adjustが提供するLTAモデルを調整できるほか、予算に関する実験的な取り組みも始められます。チャネルAがチャネルBに大きくアシストされていることがわかれば、片方の予算を減らし、その影響を分析するという選択肢もあるでしょう。こうしたテストをする際には、必ずセグメントとコントロールグループを設けるようにしてください。
  • また、アシスト管理画面では、強力なアシスト力を発揮している特定のクリエイティブに関するデータをドリルダウンして、より粒度の高いレベルでの分析ができます。

CTVはいまだに破壊的イノベーションとしての過渡期にあり、マーケターがその活用方法を詳しく調べ、テストするための道筋、可能性、技術的ソリューションが数多く存在する、とても素晴らしい分野です。AdjustのCTV AdVisionは、CTVをパフォーマンスチャネルに変え、キャンペーンの効果を正確に判断することで、マーケターがこの可能性あふれる機会を生かすことができるようサポートします。

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