ブログ 効果的なゲームアプリ収益化戦略の秘訣

効果的なゲームアプリ収益化戦略の秘訣

アプリの市場データを提供しているdata.ai(元AppAnnie)によると、2021年、ゲームアプリの消費支出額は1,160億ドルという驚くべき額に達しました。パンデミックによるロックダウンで人々が娯楽を求めた結果、ゲームアプリが爆発的な伸びを見せた2020年よりも160億ドル増加したのです。さらに、経済誌Forbesのデータでは、平均的なスマホユーザーが無料ゲームアプリのアプリ内購入に費やすのは、1ヶ月あたり9ドルだということが判明しました。

このように、モバイルゲーム業界に収益化のチャンスがあるのは明白ですが、収益化を成功させる方法はあまり知られていません。この記事では、アプリ開発者がゲームアプリで収益化を達成する方法をいくつか紹介します。

ゲームの収益化とは

ゲームの収益化とは、「モバイルゲームが収益を得るメカニズム」です。シンプルな概念である一方、実行に移すにはしっかりとした計画が求められます。そのため、ゲーム開発時に収益化の方法を検討することが不可欠です。

収益化戦略の2つの例:

  1. フリーミアムのアップグレードを獲得できるチャレンジの構築
  2. ゲームプレイの合間に自然なインタースティシャル広告を配信

収益を最大化するには、使用したい収益化モデルと、アプリのオーディエンスに合わせた戦略最適化の方法を理解するための時間と労力を惜しまないことが重要です。

モバイルゲームの収益化の仕組み

ゲームアプリは種類が多く、収益化方法も多岐にわたります。アプリ収益化戦略には、広告のみから収益を得る無料でプレイできるゲームや、プレイヤーが課金してゲームをプレイするアプリ内購入またはサブスクリプションゲームなどがあります。今回は、各種収益化モデルと、最も相性の良いゲームジャンルを紹介します。

ゲームアプリの収益化モデルとトレンド

ゲームアプリ開発者は、多面的なアプローチで収益化を実行しています。さまざまなタイプのプレイヤーに対応するために、異なる収益源を活用しているのです。

では、なぜプレイヤーに合わせて異なる収益源を活用する必要があるのでしょうか?

それは、一人ひとりのユーザーが貴重な存在である一方で、アプリにより多くの収益をもたらすユーザーもいれば、そうでないユーザーもいるからに他なりません。たとえば、女性は男性よりもゲーム内コンテンツにより多く課金する傾向があります。女性ユーザーの60%が毎日ゲームをプレイするだけでなく、プレイヤーのうち36%はゲームアプリに課金しています。そのため、収益化の方法を開発する際には、潜在的なユーザーとその関心事項について考えることが不可欠です。

では、ゲームアプリの収益化において最も選ばれている、効果的な方法を見ていきましょう。

広告付きゲーム

これは、カジュアルゲームアプリのプレイヤーにとっておなじみの収益化モデルです。ユーザーはゲームを無料でダウンロードできますが、プレイ中に何度も広告が表示されます。(多くの場合、レベルアップ時またはその他の自然な中断時)

広告付きゲームのタイプ
  • 動画リワード広告は、広告を視聴した対価として、ユーザーにゲーム内リワード(追加のライフや限定コンテンツなど)が与えられるものです。
  • プレイアブル広告では、ゲーム本編の簡易なトライアル版を提供してユーザーに試してもらい、購入につなげることができます。プレイアブル広告は、米国の広告代理店で働くプロフェッショナルの間で、最も効果的なアプリ内広告フォーマットと評されています。

このモデルはハイパーカジュアルとカジュアルゲームで頻繁に使用されており、サブスクリプションやアプリ内課金をする傾向が弱いとされるユーザーの特徴にマッチしています。

上記の例では、「TangleMaster」というゲームで使用されている2つのタイプの広告を紹介しています。左のスクリーンには、下部に小さなバナーが表示されています。右のスクリーンでは、インタースティシャル広告で別のゲームが宣伝されています。

フリーミアムゲーム

この収益モデルでは、プレイヤーはゲームを無料でダウンロードしてプレイできます。しかし、プレイヤーはアプリ内購入をすることで、限定コンテンツへのアクセス、追加のライフ獲得、レベルのスキップなどによってゲームを有利に進められます。広告と組み合わせて収益を補完したり、ユーザーをサブスクリプションへと誘導するきっかけにできるため、この収益モデルは多岐にわたるタイプのゲームでよく使われています。

キャンディークラッシュは「3マッチパズルゲーム」と呼ばれるカジュアルゲームで、競合のタイトルと同様に、アプリ内購入に収益化を頼っています。たとえば、追加のライフを購入したり、ゲーム内のリワードをアップグレードするオプションがキャンディークラッシュでは頻繁に表示されます。

有料ゲーム

有料ゲームは、その名のとおりユーザーがゲームを購入しなければプレイできません。モバイルの文脈で言えば、ユーザーがお金を払ってゲームをスマホやタブレットにダウンロードするということです。ダウンロードの料金は少額(例:0.99ドル)の場合もあれば、より多くの機能を備えたゲームは高額になる(例:15.99ドル)場合もあります。

多くのゲームでは、収益を得る機会を最大化するために複数の収益化戦略が組み合わせられています。人気のボードゲームがアプリになった「Ticket to Ride」では、プレイヤーはゲームを有料でダウンロードする必要があり、さらにアプリ内購入オプションもあります。

サブスクリプションゲーム

サブスクリプションゲームの収益化モデルのユースケースは、2通りあります。1つは、ユーザーがゲームをプレイするためにサブスクリプションを購入するモデルで、もう1つは、サブスクリプションを購入して広告を非表示にするモデルです。ここからは、ゲームアプリのサブスクリプションで最も多い3つのタイプを見ていきましましょう。

サブスクリプションゲームのタイプ
  • 個別ゲームのサブスクリプション: 特定のゲームに対するサブスクリプションで、通常月額プランや年間プランがあります。
  • パブリッシャー傘下ゲームのサブスクリプション: ユーザーは特定のアプリパブリッシャー、またはApple Arcadeなどのサードパーティを通して、さまざまなゲームにアクセスできます。
  • バトルパスのサブスクリプション: プレイヤーはリワードを獲得するために「バトルパス」を購入します。ユーザーはゲームを進めて特定のプレイ時間内にリワードを獲得する必要があるため、頻繁にプレイするようになります。

ゲームアプリ収益化の全体像

収益化は、ゲームアプリをローンチする前に検討すべき重要なポイントです。アプリ開発者は、ゲームアプリでどのくらいの収益が生じるかだけでなく、収益化の方法を通してプレイヤーにより良いゲーム体験を提供するにはどうしたらいいかを考える必要があります。適切な収益化によりユーザー体験を向上させることができれば、結果的に収益の増加につながります。

ゲームアプリのマーケティングと収益化の方法についてより詳しく知るには、2022年版モバイルゲームのマーケティングガイド:重要インサイトと効果的なマーケティング戦略(英語のみ)をご覧ください。

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