What is live ops

ライブオプスとは? モバイルゲームをリアルタイムで成長させるためのガイド

モバイルゲーム市場で成功するには、単にプレイヤーを呼び込むだけでなく、継続して遊びたくなる理由を提供することが鍵となります。そこで重要な役割を果たすのが「ライブオプス(LiveOps、ライプオペレーション)」です。ライブオプスは、モバイルゲームを継続的に更新し、収益性に直結する指標を改善するための顧客中心のアプローチです。単発のリリースを積み重ねることでユーザー体験を常に進化させ、サプライズイベントやローテーションチャレンジでプレイヤーの興味と好奇心を引き出します。さらに、パーソナライズされたリワードの提供によって、繰り返しプレイしたくなる仕組みを作ります。実際に、2024年のモバイルアプリ内購入収益の84%が、ライブオプスを使用したゲームに由来しました。95%のスタジオがライブサービスのタイトルを開発または維持している現在、ライブオペレーションが強力な成長原動力であることは明白です。

ライブオプス / ライブオペレーションとは?

従来のゲーム開発は、「ビルド、ローンチ、リピート」という流れが基本でした。ゲームをリリースし、フィードバックを集め、数か月後にアップデートを配信することもありました。しかし、ライブオプスはそのモデルを根本から変えます。現在のゲームは、システムやコンテンツ、そして収益化の仕組みが、プレイヤーの行動に合わせて継続的に進化することを想定してリリースされてます。この進化はスピーディに行われ、アプリ全体の大型アップデートは不要です。開発者は、難易度曲線の調整、ストアオファーのテスト、新イベントの導入、新しいゲームモードの試験導入などをすべてリアルタイムで実施できます。

ライブオプスは、収益が継続率アプリ内購入(IAP)に依存するフリー・トゥ・プレイ(F2P)エコシステムにおいて、特に重要な役割を果たします。プレミアムゲームやハイブリッドゲームでも、プレイヤーのエンゲージメントを高め、コミュニティの活気を維持し、タイトルの寿命をローンチ後も大きく延ばすために活用されています。

例えば、Riot Gamesの「League of Legends: Wild Rift」の「アリーナモード」は、期間限定の2対2対2対2のPvPモードとしてスタートしました。予想外のチャンピオンの組み合わせやスピーディーな試合形式が話題を呼び、短期間で大きな人気を獲得。その結果、プレイヤーのエンゲージメントが急上昇し、Riot Gamesはこのモードを恒久化しました。ライブオプスがスタジオに「試す → 計測する → ヒットした要素を強化する」というサイクルの機会を与える好例と言えます。

ライブオプスの最大の強みは精度にあります。スタジオはオーディエンスをセグメント化し、コンテンツをパーソナライズし、これまで以上に素早く対応できます。さらに、開発・製品・CRMの各チームがリアルタイムデータを共有し、戦略を即時に調整できるようにします。注目を集めるのが難しく、失うのは一瞬の市場において、この機敏性は大きな競争優位となります。

ライブオプスの種類

ライブオプス戦略にはさまざまな形があり、プレイヤー向けに実施されるものもあれば、バックグラウンドで行われるものもあります。効果的なゲームは、これらのアプローチを並行して活用しています。主なカテゴリーは以下のとおりです。

期間限定イベント

シーズナルキャンペーン、競争型チャレンジ、テーマ別コンテンツのドロップ(アイテムや報酬を入手すること)は、ライブオプスの定番です。こうした期間限定の形式は、緊急性を生み出し、特別な目標を提示しつつ、コアループを変えずにゲームを新鮮に保ちます。たとえば「Monopoly GO!」では、定期的に開催される「パートナーイベント」や「ゴールデンブリッツ」を通じて、協力プレイの仕組みと期間限定の目標を組み合わせています。

プロモーションオファー

コマース主導型のターゲティングによるプロモーションオファーは、プレイヤーがすぐに価値を実感できる手段です。内容には、パーソナライズされたバンドル、限定販売アイテム、フラッシュセールなどが含まれます。これらはすべて、ライフサイクルの段階やユーザー行動、地域特性に合わせて最適化されています。

新規ユーザー向けの割引スターターパックやVIPプレイヤー向けの限定装飾品など、これらのオファーは、プレイヤーがいる場所や最もコンバージョンしやすいタイミングでアプローチすることで、より効果的な収益化に役立ちます。そしてABテストを用いて、チームは価格設定からタイミングまですべてを最適化して、最大限の効果を発揮できます。

バトルパスと進行システム

バトルパスは、モバイルゲームにおける最も強力な長期エンゲージメント施策のひとつです。日次・週次・シーズンごとのタスクを構造化された報酬パスに組み込むことで、プレイヤーを負担なく引き込み、継続的にプレイする理由を提供します。明確な目標設定、適切なペース配分、達成感のある進行を実現し、新規プレイヤーから熟練プレイヤーまで幅広くメリットをもたらします。ジャンルを問わず効果を発揮するのも特長です。

ライブオプスの実装例

新しいコンテンツと機能のテスト

ライブオプスを活用すれば、スタジオはゲーム全体を危険にさらすことなくテストを実施できます。大型アップデートをリリースして結果を期待するだけではなく、メカニズムやユーザーインターフェース (UI)を変更したり、ゲームモードなどを特定のユーザー層に限定して試すことが可能です。その反応を見ながら、素早く改善を重ねられるのです。

例えば、「Phase 10」では、期間限定の目標やお祝いムードを演出するビジュアルを取り入れた、ホリデーシーズン向けキャンペーンを実施しました。その結果、キャンペーン期間中にダウンロード数が160%増加し、収益も20%伸びました。軽量なコンテンツであっても、タイミングと関連性が合えば、大きな成果を上げられる好例です。

ソーシャルと協力プレイ機能

ライブオプスはゲームプレイのためだけでなく、プレイヤー同士が「またプレイしたい」と思えるようなコミュニティも支えています。ギルドミッションやチームイベント、招待ボーナス、リーダーボードの共有といった仕組みは、エンゲージメントを高め、セッション時間を延ばす効果があります。

サポートとプレイヤー体験

反応速度の向上、フリクションの軽減、信頼の構築といった、最も価値の高い取り組みの多くは舞台裏で行われます。ライブオプスは、バグを即時に修正し、リアルタイムでバランスを調整し、プッシュ通知やアプリ内アンケートを通じてパーソナライズされたCRMを実現します。さらに、フィードバックループを製品に直接組み込む最適な方法でもあります。これにより、プレイヤーは「自分の声が届いている」と感じ、開発チームもその声に迅速に対応できるのです。

ゲームタイプ別ライブオプスの活用方法

ライブオプスに万能なかたちはありません。ジャンルごとに固有の流れやプレイヤーの期待、収益化戦略があり、それらに適した設計であることが重要です。新鮮さと収益性を保つために、各カテゴリーがどのようにライブオプスを活用しているのかを紹介します。

カジュアルゲーム

カジュアルゲームは、幅広いユーザー層に支持され、シンプルなメカニズムと短時間でフリクションの少ないゲームプレイが特徴です。ライブオプス施策は、ローテーションチャレンジや季節イベント、収集可能な装飾品などを中心に展開され、複雑さを増すことなく驚きと喜びを提供し、再エンゲージを促します。さらに、「ライフ」を贈る、期間限定チームに参加するなどのソーシャル機能が、ユーザーを再び呼び戻すインセンティブとなっています。

RPGおよびミッドコアゲーム

これらのタイトルは、PvPシーズン、新ヒーローのドロップ、期間限定ダンジョン、物語性のあるイベントなど、ライブオプスを駆使して新たな要素を次々と導入しています。プレイヤーはすでにゲームに深く関わっており、ライブオプスがその体験を進化させ続けています。

例えば「AFK Arena」では、新しいキャラクターのローテーションバナーやイベント型コンテンツを通じて、プレイヤーにログインする機会を与えています。これにより、ドロップのタイミングに合わせて計画を立て、競争力を継続的に維持することができます。時間制限コンテンツは、報酬を提供し、戦略的なプレイや定期的なログインを促します。

ハイブリッドカジュアルゲーム

ハイブリッドカジュアルゲームのプレイは最小限ですが、ライブオプスによって連続プレイボーナス、ミッションチェーン、ローテーションショップといった仕組みが加わり、ゲームに構造が生まれます。重要なのはメカニズムを増やすことではなく、軽量なゲームプレイの上に長期的なエンゲージメントを築くための戦略的な枠組み(スキャフォールディング)を提供することです。「Matchingham」のパズルタイトルはこの手法を巧みに活用し、定期的に開催されるチャレンジ形式や期間限定のミニショップを組み込み、進行と収益化の両方を促進しています。プレイヤーは参加するかどうかを自由に選べるため、体験は任意参加型でも十分な報酬が得られる設計になっています。

ライブオプスのためのABテスト

ABテストは、トップスタジオが優れたアイデアをライブオプスに変えるための方法です。オファーのタイミングの調整やイベントフォーマットのテストなど、結果を得るフローは以下のとおりです。

  • 明確な仮説から始める: テスト対象と仮説を明確にしましょう。例 : 「スターターバンドルの割引は、初期のコンバージョンを増加させるか?」
  • オーディエンスを戦略的にセグメント化する:プレイヤーの行動、進行状況、または課金レベルに基づいて コホートを作成し、よい成果を生み出しましょう。
  • 構造化されたバリアントテストを実施する: イベント期間、ミッションの難易度、報酬の種類など、変数は1回のテストにつき1つだけ変更し、その影響を正確に切り分けましょう。
  • 適切なKPIで計測する: 顧客生涯価値 (LTV)、継続率、購入率、アプリ内滞在時間など、目標に沿った指標に注目しましょう。
  • インサイトに基づいて改善を重ねる: 成功した施策は継続し、効果がないものは廃止しながら精度を高めます。優れたライブオプスは単発の成功ではなく、継続的な最適化によって構築・実施されます。

ベストプラクティス:ペース、多様性、価値

適切なバランスを欠くと、どんなに優れたコンテンツでもプレイヤーを疲弊させたり、本来の成果を上げられなかったりします。ここでは、ライブオプスを効果的かつ持続可能に保つ方法を紹介します。

  • カレンダーを詰め込みすぎない: アクティビティを重複させすぎると、プレイヤーが混乱し、効果が薄れてしまいます。大規模リリースの間には十分な間隔を設け、フォーマットをローテーションして疲労を防ぎましょう。
  • メカニクスに変化をつける: バリエーションは不可欠です。たとえば、ある週はリーダーボード競争を実施し、翌週はカジュアルな協力チャレンジやミニミッションに切り替えるなど、イベント形式を交互に展開しましょう。
  • スマートに再利用し、ローテーションする: 毎回ゼロから新しいフォーマットを開発する必要はありません。経験値ブースト、装飾品のローテーション、期間限定ショップなど成果があったコンポーネントを、露出しすぎないようにリサイクルしてください。馴染みのあるものでも、適切なテーマやタイミングと組み合わせることで、新鮮な印象を与えることができます。
  • データでリズムを形作る: 参加率が低下したり、アプリ内滞在時間が短くなったり、フィードバックに変化が生じた場合、それをシグナルとして活用し、ペースを変更したり、報酬を微調整したり、形式を切り替えたりしましょう。レスポンシブなカレンダーは、固定されたカレンダーよりも良い結果をもたらします。

計測とインサイトでライブオプスを強化

ライブオプスは長期的な製品戦略です。今日成功しているゲームのほとんどは進化するように構築されており、すべてはデータから始まります。プレイヤーをライフサイクルの段階、プレイスタイル、課金行動別にセグメント化することで、スタジオは期間限定のオファー、マイルストーンベースの報酬、またはプッシュ通知など、関連性のあるコンテンツを完璧なタイミングで提供できます。

計測が、大きな違いを生み出します。Adjustのアトリビューションおよびアナリティクスソリューションを使用して、ゲームスタジオは変化に迅速に対応し、離脱率を減らし、コホート、プラットフォーム、タッチポイント全体でLTVを高める要因を強化することができます。

ライブオプスは継続的な改善によって成り立っています。各判断の裏付けとなる適切なデータがあれば、すべてのアップデートがより効果的かつ大きな成果をもたらす一歩となります。

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