ブログ ポストIDFAにおいてユーザー獲得マネージャーがより重要になる理由

ポストIDFAにおいてユーザー獲得マネージャーがより重要になる理由

広告の自動化が進む中、ユーザー獲得 (UA) マネージャーの役割が問われています。広告の購入やパフォーマンスの評価が大幅に効率化される状況で、UAマネージャーはどのようにして価値を提供し続ければよいのでしょうか

iOS 14の登場後は、モバイル広告業界はそれがもたらす激変と格闘し続けています。このような変化を受けて、UAマネージャーは、iOSの複雑な新しいモバイル広告エコシステムをナビゲートするという、マーケティングチームにとって不可欠な役割を取り戻しています。

UAの推測作業の必要性が復活

iOS 14からAppleが行っているプライバシー関連の変更により、アトリビューションとユーザー獲得(UA)の性質が変わりました。UAマーケターは、iOSユーザーがAppTracking Transparency (ATT) フレームワークのプロンプトでIDFAを共有しないことを選んだ場合、ユーザーレベルのデータを取得できません。ユーザーがキャンペーンにどう反応したかがわかりにくくなり、チャネルごとの正確なROIやROASを確認できなくなります。また、これまで自動化が進んでいたUAワークフローが大きく損なわれることになります。

その一方、ユーザーがATTにオプトインした場合、広告主はユーザーのIDFAを使い続けることができるため、これまでと同様にUAマーケティングが実施できます。iOSで競争力を高めるために、できる限りユーザーのオプトインを増やすことが重要なのはそのためです。また、多くのマーケットで主流であるAndroidのユーザーへのUAマーケティングも、(今のところは) 変更がありません。

見直されるUAマネージャーの役割

モバイル業界は、ユーザーのプライバシーを保護しデータアクセスを制御する方向に進んでいます。データの複雑さと曖昧さが増したことで、個々のUAマネージャー (またはUAチーム全体) のスキルや創造性、知識がこれまで以上に重要になりました。以下に、ユーザープライバシーへの注目が高まるモバイル業界のUAチームにとっての新たな課題と機会をご紹介します。

SKAdNetworkと集計データに関する作業

iOSユーザーがIDFAの共有に同意しなかった場合、Appleが認める方法でインストールの確定的アトリビューションデータを得る唯一の手段はSKAdNetworkです。これにより、UAチームの仕事が複雑化します。

第一に、UAマネージャーは、遅れて送信される集計済みのSKAdNetworkデータポイントを残りのデータやBIスタックとどのように接続できるかを理解し、ソース間のデータの不一致を手動で解消して、IDFAを使用するすべてのプロセスをやり直す必要があります。多くの場合、ユーザーのセグメンテーションや行動モデリングといった主要なタスクは、不可能とは言わないまでも相当の困難を伴います。この変更による影響は、組織のレベルによって大きく異なります。そのため、影響を理解する能力自体が重要なスキルになります。

第二に、SKAdNetworkを最大限に使用して変更に対応することが、UAのパフォーマンスにとっての鍵になります。UAチームは、インストール後のアトリビューションペイロードのconversion valueスキーマを最適化するために、SKAdNetworkを細かく理解する必要があります。これにより、最初の24時間以内のアプリの使用状況についての多くのインサイトを獲得でき、使用パターンの学習や推定につながるデータフローも入手できます。

また、UAチームは、iOS 15でのSKAdNetworkによるポストバック動作の変更など、Appleが行うSKAdNetworkの変更にも対応しなければなりません。SKAdNetworkの意味を理解して機能の利用を最適化し、変更に対応することは、それ自体が新しい分野であり、対応力と批判的思考を備えたUAプロフェッショナルの知識が必要です。

さまざまな戦略を活用

IDFAのない世界から生じるもう1つの結果として、他のマーケティングチャネルが再び注目を集めることになります。UAの成功にとって、広告を購入してそのパフォーマンスを測定することが欠かせない点は変わりません。しかし、マーケティングチームは、これまで以上に利用できるあらゆるチャネルを駆使し、新しいユーザーを引き付けて既存のユーザーを維持する必要があります。それには、UAマネージャーやクリエイティブ、その他のマーケターが緊密に連携し、これまでデータ主導ではなかった戦略を策定して最適化することが必要です。例えば、以下のような内容です。

  • オーガニックにアプリを見つけてもらう方法としてApp Clipを使用し、それを使ったユーザーにアカウント作成を勧めます。(App Clipとは、自転車のレンタル、駐車場の支払い、食事の注文などのタスクをすばやく行える小型のアプリです。App Clipには、Safari、マップ、メッセージからアクセスできるほか、現実の世界からNFCタグ、QRコード、App Clipコードを通して使用することもできます。App Clipコードは、特定のApp Clipを開くための一意のマーカーです)
  • プッシュ通知でターゲットを絞ってパーソナライズされたメッセージを送ったり、アプリ内メッセージを活用したりすることで、アクティブユーザーへのアプローチや維持を実現します。
  • コミュニケーションを目的としたメールや、アプリをインストールしたりアカウントを作成したりしたユーザーのリターゲティングを目的とするEメールマーケティングを統合します。
  • アフィリエイトや招待プログラム、無料トライアルやデモを活用して、新しいユーザーを引き付けます。
  • ポートフォリオに複数のアプリがある開発者においては、クロスプロモーションの可能性も追求できます。

クリエイティブテストと最適化

UAマネージャーの未来は、メディアの購入からクリエイティブのテストや最適化まで、量的な厳密さを適用することにあるという考え方もあります。当然ながら、UAとクリエイティブの連携は始まっており、iOSの変更によってその重要性は増しています。iOS 15では、プロダクトページ最適化 (PPO) とカスタムプロダクトページという、UAマーケターにとって重要な2つの新機能が導入されました。これにより、マーケターはさまざまなApp Storeのプロダクトページやクリエイティブを試したり、有料広告キャンペーンの特定のオーディエンスとリンクした独自のプロダクトページを作ったりできるようになりました。

ターゲットオーディエンスの理解

多くのマーケターは、メディアミックスを再考し、ユーザーを見つけて引き付ける新たなチャネルを探しています。例えば、関連パブリッシャーと連携したコンテクスチュアル広告や、インフルエンサーによるマーケティングを通してソーシャルおよびUGCプラットフォームのオーディエンスにアピールすることなどがそれに当たります。この種のチャネル管理は、これまでのマーケティング機能の中核です。しかし、これにはモバイルのパフォーマンスマーケティングで行われなくなってきていた推測作業が求められます。

これらのチャネルでパフォーマンスの高いキャンペーンを実施するには、ターゲットオーディエンスが時間を費やしているプラットフォームやコミュニティ、よく使われている他のアプリについて、マーケターが把握している必要があります。その上で、それぞれのコンテキストでオーディエンスに共感してもらえるクリエイティブを制作します。

成功を収めるのは、見込み顧客の習慣や価値を深く理解しているUAマーケターです。インストール後の顧客ロイヤリティを促し、ユーザー体験のパーソナライズに役立つゼロパーティデータを収集して高いユーザー維持率につなげるには、このようなオーディエンスとのつながりも不可欠です。

モバイル広告エコシステムは急速に進化を続けています。その中で、変化するリアリティに適応して拡大できるUAマネージャーは、今後もユーザーの成長に重要な貢献を続けることになるでしょう。その仕事は難しくなる可能性もありますが、計測と最適化がアプリのマーケティングを成功に導く鍵であることに変わりはありません。

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