Retargeting vs new user acquisition

リターゲティングと新規ユーザー獲得のパフォーマンス比較

マーケティングチームがモバイルアプリの成長戦略を考える際、「休眠・離脱ユーザーのリターゲティングに力を入れるべきか」または「ユーザー獲得(UA)施策で新規ユーザーのインストール数を増やすべきか」で悩むことが少なくありません。

Adjustでは、この問いに対する答えをデータで導きだすことにしました。私たちの仮説は「多くのキーパフォーマンス指標(KPI)において、リターゲティングユーザーは新規ユーザーを上回る」というシンプルなものです。指標には継続率、アプリ内イベント、収益イベントなどが含まれます。

主要ポイント

リターゲティングユーザーと新規ユーザー獲得のコホートを比較すると、統計上の違いだけでなく、成長戦略における違いが浮き彫りとなりました。リターゲティングユーザーはエンゲージメントに強いだけでなく、より多くの収益イベントを生み出し、ライフサイクルで重要となる初期段階での継続率が比較的高いことが分かりました。本調査から得られた主要ポイントは以下のとおりです。

  • エンゲージメント: リターゲティングユーザーは、30日間の新規ユーザー獲得キャンペーンで獲得したユーザーと比較して、エンゲージメント率(ユーザーごとのアプリ内イベント数で計測)が152%高い結果となりました。
  • 収益: リターゲティングユーザーがインストール後の最初の30日間にトリガーした収益イベントは、新規ユーザーよりも37%多い結果となりました。つまり、収益化の可能性を最大にするには、リエンゲージメント戦略への投資が有効であることが示唆されます。
  • 継続率: インストール後1日目のリターゲティングユーザーの継続率は、新規ユーザーより5%高く、その差は7日目まで続いたものの、その後の数週間で縮小しています。

調査方法

6ヶ月間に発生したインストールを計測し、4つの主要なコホートKPIについて分析しました。

より多くのアプリ内イベントをトリガーするリターゲティングユーザー

イベントとは、特定のレベル達成、リンクのクリック、機能の利用など、ユーザーが実行したアプリ内の行動を指します。イベントを計測すれば、ユーザーがインストール後にどれだけ深くアプリを利用したのかを計測できます。

リターゲティングとユーザー獲得との比較

Adjustの分析によると、リターゲティングユーザーのイベント数は、新しいユーザー獲得キャンペーンで獲得したユーザーに比べて、常に高い数字を維持しています。

  • インストール後1日目:リターゲティングユーザーは1人あたり86件のイベントをトリガーし、新規ユーザーの44件と比較して約2倍の多さとなっています。
  • 4週目:どちらのユーザーグループにおいても、時間の経過と共に全体のイベント数は減少しますが、リターゲティングユーザーは平均で新規ユーザーよりも10件多い数のイベントを毎週実行しています。

これは、過去にアプリを利用したことのあるユーザーの場合、オンボーディング時の負担がなく、すぐにアプリの機能を使いこなしてエンゲージできるためだと考えられます。

リターゲティングユーザーはより多く購入する傾向に

収益イベントとは、特にアプリ内購入(IAP)やプレミアムサービスのサブスクリプション購入などの収益につながる行動を指します。

リターゲティングとユーザー獲得の収益の比較

一般的にリターゲティングユーザーのエンゲージメントが高いのはこれまで説明したとおりですが、さらに、新規ユーザーよりもはるかに高い確率で収益イベントが発生していることがわかりました。

  • 1日目:リターゲティングユーザーによる再インストール直後の収益イベントは、新規ユーザーよりも9%多い結果となりました。
  • 7日目:リターゲティングユーザーによる収益イベントの発生率は新規ユーザーと比べて49%多くなり、差が広がりました。
  • 8週目以降(以下のグラフを参照)では、時間の経過と共にリターゲティングユーザーと新規ユーザーとの差は縮まりますが、リターゲティングユーザーは最も重要な初期段階で大幅に新規ユーザーを引き離し、最後まで数字を上回る結果となっています。
リターゲティングとユーザー獲得のコホート比較(12週間)

課金ユーザーの獲得コストは高く、場合によっては100ドルを超えることもあります。リターゲティングキャンペーンに投資することで、顧客生涯価値(LTV)を向上させ、ユーザー獲得コストを抑えることができます。

リターゲティングユーザーがより多く購入し、しかも獲得コストが低い場合、広告費用を抑えられるだけでなく、LTVも向上します。休眠ユーザーにまだアプローチしていないのであれば、リターゲティングは非常に有望な戦略と言えるでしょう。もちろん、リターゲティングユーザーも元々は新規ユーザーだったわけですから、新規ユーザーとリタ―ゲティングユーザーの両方を獲得することが重要となります。

リターゲティングのコホートを分析することで、ユーザーが離脱した原因や、リエンゲージメントに効果的だった施策を明らかにできます。これにより、ユーザー体験を包括的に改善し、離脱の最小化につなげることが可能になります。

リターゲティングユーザーの優れた継続率

継続率はモバイルアプリマーケティングで最も重要な指標の1つであり、リターゲティングユーザーの数字のほうが新規獲得ユーザーを上回る傾向にあります。

リターゲティングとユーザー獲得との継続率の比較

Adjustによる30日間の継続率分析:

  • 1日目の継続率:リターゲティングユーザーは、新規ユーザーよりも5%高い継続率を示しました。
  • 7日目の継続率:リターゲティングユーザーの継続率は新規ユーザーよりも5%高い数字で安定しています。
  • 6〜8週目:最初の数週間を過ぎると、双方の継続率は徐々に収束に向かいますが、リターゲティングユーザーの場合、アプリライフサイクルの初期段階で新規ユーザーよりも高いロイヤリティを示す傾向にあります。

つまり、アプリを使ったことがあるユーザーにリエンゲージメントすることは、戦略的に価値があると言えます。このユーザー層に再度アプローチすることで、企業ブランドはアプリを利用するユーザーのライフサイクルを大幅に延ばし、利用時間が延長されることで収益を増加させることができます。

新規ユーザー獲得とリターゲティングの最適な組み合わせで成功する成長戦略を構築

Adjustの調査で明らかになったのは、ユーザーエンゲージメントを高めて収益イベントを増加させ、初期の継続率を向上させるには、リターゲティングが非常に重要だということです。すでにアプリに慣れているユーザーにリエンゲージすることで、マーケティング予算を最適に利用しながらより高い価値がもたらされます。

しかし、健全かつスケーラブルなアプリビジネスを構築するには、新規ユーザーの獲得が不可欠であることは言うまでもありません。新しいユーザーが常にファネルに流入していなければ、リエンゲージメント可能なユーザーが現れることもないからです。

モバイル成長戦略を成功させるには、ユーザーベース拡大のためにユーザー獲得に投資して新しいユーザーにリーチすること、そしてリターゲティングを実施してすべてのインストールの価値を最大に利用し、ロイヤリティを高め、LTVを向上させること、この2つを適切なバランスで実行しなければなりません。

ユーザー獲得とリエンゲージメントの取り組みを戦略的に組み合わせることで、マーケターや開発者は、より収益性の高い持続可能な方法でアプリを成長させることが可能となります。

Adjustによるユーザー獲得とリターゲティング戦略サポートを活用してアプリビジネスの成長を実現するには、デモにお申し込みいただき、詳細をご確認ください。

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