ブログ モバイルアプリのディープリンクの基本と活用方法

モバイルアプリのディープリンクの基本と活用方法

ユーザーの注目を集め、それを維持するのはマーケターにとっての大きな課題です。エンゲージメントを低下させてファネル下部の行動を妨げる可能性のある障害物を取り除き、ユーザージャーニーを簡素化・迅速化することの緊急性はかつてないほど高まっています。このような環境において、モバイルアプリのディープリンクは、ユーザージャーニーを大幅に改善し、コンバージョンの可能性を高め、体験から得られるリターン(Return On Experience、ROX)を高めるために、ユーザーをアプリ内の特定のコンテンツやアクションに直接誘導する必要不可欠な戦略として機能します。

ユーザーを広告やモバイルのWebサイトから目的のアプリ内ページにシームレスに導くディープリンクは、関連性のあるコンテンツに即時アクセスしたいという現代のユーザーのニーズに対応できます。マーケターに必要なインサイトを取得し、アプリユーザーを設定するコンテンツに誘導し、直接的かつ効率的な道筋を提供してくれるディープリンクは重要なツールです。

ディープリンクとは?

モバイルアプリのディープリンクは、ユーザーがWebページまたは他のアプリ上にあるURLをクリックした場合に、アプリを立ち上げて特定のページを開くためのテクノロジーです。ディープリンクはユーザー体験を最適化し、コンバージョン率を向上させます。このテクノロジーのさまざまな使用例と独自のマーケティングキャンペーンでのディープリンクの作成方法を見ていきましょう。

ディープリンクが重要な理由

まず、カスタマージャーニーの中で最も重要な要素である「カスタマー」に注目します。例えば、スマートフォンでFacebookを見ている時に、晩ごはんにぴったりなパスタレシピの広告を見たとしましょう。

そのアプリが既にインストールされている場合、リンクをクリックするとアプリに誘導され、その後、アプリのホームページが開きます。しかし、その広告に紹介されているレシピを見るには何百ものレシピの中から探さなければなりません。レシピをすぐに見つけられなければ、おそらくユーザーはアプリを閉じて、Facebookに戻ってしまうでしょう。ユーザー側から見れば、これはイライラする体験であり、アプリをアンインストールしてしまうかもしれません。

アプリマーケターの視点から見ると、リンクのクリックとセッションは発生したものの、結果としてユーザーが離脱してしまったということになります。期待を裏切られる体験をしたユーザーは、今後広告にエンゲージする可能性が低くなるでしょう。こうした場合にユーザージャーニーを大幅に合理化してくれるのがディープリンクです。先述の広告でディープリンクを使えば、ユーザーはアプリのお目当てのレシピページに直接リダイレクトされることになります。

ディープリンクを使用しない場合のユーザージャーニーと比較したディープリンクのパス。

もう1つの例として、クーポンを使って休眠ユーザーのリエンゲージメントをしたいとしましょう。このキャンペーンでディープリンクを使うことで、ユーザーは商品を検索したり、クーポンコードを手動で入力したりすることなく、プッシュ通知を受け取ったら1回タップするだけでアプリ内の関連商品ページに誘導されます。

モバイルアプリのディープリンクによって、ユーザーはモバイルWebとアプリの間を容易に移動することができます。まとめると、ディープリンクを使うことで以下のメリットがあります。

  • ユーザー獲得が促進
  • 広告のコンバージョン率が向上
  • アプリの継続率が改善
  • ブランドの評価が向上

*ディープリンクキャンペーンで投資利益率(ROI)を最大化するためのディープリンクの効果的な活用方法をご覧ください。

使用するディープリンクの種類

ユーザージャーニーの表向きはシンプルですが、バックエンドではさまざまなことが起こっています。その複雑さは、使用するリンクのタイプと、スマートフォンにアプリがダウンロードされているかどうかによって異なります。

ディープリンクには、「ダイレクトディープリンク」と「ディファードディープリンク」の主な2種類があります。

ダイレクトディープリンク

ダイレクトディープリンクは、すでにインストールされているアプリにのみユーザーを誘導します。アプリがインストールされていない場合、リンクはアプリのエンドポイントに到達できず、ユーザーのスマホにはエラーメッセージが表示されます(このエラーメッセージは、Adjustが使用するディファードディープリンクでは表示されません。これについては以下に説明します)。

ダイレクトディープリンクは、アプリマーケターがアプリインストール済みのユーザーをターゲティングして、アプリに戻るよう促すリターゲティングキャンペーンに有効です。これにより、離脱したユーザーが再びアクティブユーザーになったり、アプリのセッション全般を促進することができます。

また、インダイレクトディープリンクによって、アプリ内の適切な場所にユーザーを誘導する前に、Adjustのドメインを経由してユーザーをルーティングすることが可能です。このプロセスにより、Adjustはユーザーがアプリをインストールしたかどうか、および正しいスキームまたはインテントがあるかどうかを確認できます。

ディファードディープリンク

ディファードディープリンクは、ダイレクトディープリンクよりも複雑です。ユーザーがアプリをインストールしていない場合、ユーザーをApp StoreやGoogle Play ストアに誘導することができます。アプリがインストールされると、ユーザーが本来誘導されることになっていた元のページが開かれます。

例えば、ユーザーが気になった靴を見るためにEコマースアプリの広告をクリックしたものの、アプリをインストールしていない場合、まず、ダウンロードのためアプリストアにルーティングされます。ユーザーがアプリを起動すると、商品ページが読み込まれます。

ディファードディープリンクは、Adjustが提供するような「ディープリンク機能」によってのみ実現できます。ディープリンクは、ソフトウェア開発キット(SDK)を実装することで作成が可能です。詳細は、iOS向けディープリンクの設定方法またはAndroid向けディープリンクの設定方法をご確認ください。

ディープリンクの種類

ディープリンクフォールバック(リダイレクト)

ディープリンクフォールバックを使うと、ユーザーがアプリをインストールしていない場合、アプリストアにユーザーを誘導する代わりにモバイルWebサイトなどの別の場所にリダイレクトできます。

リダイレクトを使用しても、ディファードディープリンクの動作は変わりません。そのため、ユーザーが後でアプリをインストールした場合でも、ユーザーは意図した特定の場所にリダイレクトされます。

コンテクスチュアルディープリンク

コンテクスチュアルディープリンクは、追加パラメーターを持つダイレクトまたはディファードディープリンクです。このリンクは単独では存在しません。コンテクスチュアルディープリンクの目的は、リンクのカスタムパラメーターを通して取得できる多くの情報(プロモーションコードや紹介サイトなど)を受信することです。これにより、行動・パフォーマンスのパターンを特定するのに役立つ、よりカスタマイズされたインサイトが分析段階で得られます。

ディープリンクの作成方法

ディープリンクを手動で作成するにはさまざまな課題をクリアにする必要があるため、より多くの作業時間がかかる場合があります。アプリ内にリンクを実装してユーザーを目的の遷移先に誘導すると、開発者とマーケターの間で不必要なやり取りが発生する場合があります。また、人為的ミスが発生する可能性も高まります。URLと同様に、ディープリンクはタイプミスがあると機能しません。優秀なエンジニアでさえタイプミスをすることはあり、完全に防げるものではありません。

そこで解決策となるのが、ディープリンク生成ツールです。ディープリンクの作成を自動化するソリューションを使うことで、マーケターはキャンペーンと戦略の最適化に費やす時間とリソースを確保できるようになります。

AdjustのCampaign Labでは、マーケターはAndroidとiOS向けのすぐに使用可能なディープリンクを即座に作成でき、ユーザー体験の信頼性を向上させるとともに作業を大幅に削減することができます。

Androidでのディープリンク

Adjust Android SDKでは、ダイレクトディープリンクとディファードディープリンクを使って、ユーザーをアプリ内の特定のページに誘導することができます。これを有効にするには、URIスキームディープリンクとAndroid アプリリンク(Android 6.0以上で利用可能)の2つの方法があります。

前者は、URIスキームをユーザーをサイトに直接誘導または関連サイトを経由させるために使用できます。ディファードディープリンクは、従来のディープリンクが使うようなプロンプトをユーザーに表示することなく、指定されたデフォルトアプリでURLを開くことができるAndroid固有のリンクです。Android アプリリンクの場合、アプリがインストールされていない場合は、代わりに指定したWeb上の場所を開くことができます。

Androidアプリのディープリンクを設定するには、Adjustダッシュボードの「Campaign Lab」タブを開きます。

  1. カスタムリンク(Custom Links) をクリックします。
  2. +新規リンク(New link) を選択します。
  3. ディープリンクを作成するアプリを選択します。
  4. チャネルキャンペーンアドグループクリエイティブパラメーターを入力します。

これによりディープリンクが生成され、キャンペーンで使用できるようになります。

https://app.adjust.com/jtwfp3?campaign=campaignname&adgroup=adgroupname&creative=creativename

iOSでのディープリンク

iOS 9.2のリリース以降、AppleはディープリンクのURIスキームをサポートしていません。そのため、開発者がiOSでダイレクトディープリンクを使うには、Apple独自のユニバーサルリンクが不可欠となります。

ユニバーサルリンクを作成する

AdjustのCampaign LabでiOSのディープリンク向けにユニバーサルリンクを設定する方法は簡単です。アプリの設定時、ユニバーサルリンクはAppViewに設定済みです。よって、新しいiOSディープリンクを作成する際にCampaign Labは必要な情報(App ID prefixとアプリスキーム)を自動的に取得し、リンクを生成することができます。AppViewでアプリスキームを設定し、ユニバーサルリンクを有効化すると、以下のことができるようになります。

  1. カスタムリンク(Custom Links) をクリックします。
  2. +新規リンク(New link) を選択します。
  3. ディープリンクを作成するアプリを選択します。
  4. トップレベルのチャネル、キャンペーン、アドグループ、クリエイティブパラメーターにそれぞれ名前を追加します。

ユニバーサルリンクの設定についての詳しい説明はAdjustヘルプセンターをご覧ください。

ユニバーサルリンクの例:
https://abcd.adj.st/?adjust_t=abc123

ディープリンクの使用を開始する

モバイルアプリのディープリンクは複雑であり、あらゆる条件で機能する万能なソリューションはありません。Adjustでは、すべての主要なケースに完全に対応し、ディープリンクを機能的かつ拡張的に活用するための最善の戦略をご用意しています。ディープリンクを使用してみませんか?AdjustでiOSAndroid向けにディープリンクを設定する方法をご覧ください。ご興味のある方は、お気軽にデモをお申し込みいただき、ディープリンク機能の導入をAdjustがどのようにサポートできるかをご体験ください。

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