ブログ モバイルゲーム分析活用ガイド

モバイルゲーム分析活用ガイド

モバイルゲームは、今やエンターテイメントから新たな文化、教育ツール、さらには社会現象へと進化しました。モバイルゲームはあらゆるユーザーを魅了し続け、2024年の収益は前年比で4%増加し、1,114億ドルに達すると予測されています(英語)。ここで重要な成長要因となっているのがゲーム分析です。

モバイルゲーム業界の現状として、消費者支出にわずかに見られる減少(英語)でさえ人工知能(AI)(英語)や市場戦略などのテクノロジーの進歩によって補われており、アナリティクスがマーケターや開発者がより迅速かつスマートな意思決定を行う上で不可欠なツールであることが分かります。ゲーム分析(アナリティクス)によってプレイヤーの行動や好み、課金傾向に関する詳細なインサイトが得られます。このきめ細かい貴重なインサイトこそ、ユーザー体験を強化させてさらなる成功を掴み取ることに活用できるため、業界の変化に対応して継続的成長を目指す上でゲーム分析は重要な役割を果たします。

この記事では、持続的な成長におけるゲーム分析の重要な役割を解説するとともに、特定のキーパフォーマンス指標(KPI)に焦点を当てることでゲーム分析がモバイルゲームの成功に大きく貢献した事例を紹介します。

ゲーム分析

ゲーム分析とは

ゲームアプリ市場におけるゲーム分析とは、モバイルゲームのプレイヤーのデータを収集して分析し、理解することに特化した分野です。主な目的は、プレイヤーの行動や好み、ゲームとの関わり方などを理解することによって、開発者やパブリッシャーがゲームを最適化し、プレイヤーの体験を全体的に向上させることにあります。アクションにつながる価値あるインサイトや予測モデルや分析システムを強化するデータが得られるため、これらのデータに基づいて戦略を立てることでビジネスに成果をもたらします。つまり、ゲーム分析の質がよいほど効果的なデータが得られ、データの質がよいほど投資収益率(ROI)が向上するのです。

ゲーム分析の重要性

ゲーム分析が重要な理由

変化の目まぐるしいモバイルゲーム業界において、ゲーム分析(アナリティクス)は重要なツールです。プレイヤーにゲームのプレイを継続してもらうためには魅力的なユーザー体験を作り出すことが欠かせず、ゲーム分析を行うことによってゲームを開発する上で必要なインサイトが得られるようになります。ゲーム分析を開発プロセスに活用し、プレイヤーのエンゲージメントを高めて競争の激しい市場で収益拡大を実現させるためのアプローチについて、ここから詳しくご紹介していきます。

プレイヤーの行動を理解する:分析によって、プレイヤーのゲームとの関わり方やユーザーの好みを理解したり、エンゲージメントを高める機能を特定することができます。このデータをゲーム内容の変更や調整、設計上のメカニクスや難易度レベルに反映することで、あらゆるプレイヤーに対し、より個々の好みに合う楽しい体験を作り出せるようになります。さらに、PCやコンソール(英語)などのさまざまなデバイスを横断したパフォーマンス分析を行うことでシームレスなゲームプレイの提供に繋がり、新たなチャンスが生まれるでしょう。

プレイヤーの獲得を最適化する:分析を通して価値の高いプレイヤーを獲得するための戦略を導き出します。価値の高いチャネルやターゲット層を特定できるため、ユーザー獲得コストを削減してマーケティングの投資利益率(ROI)を向上させることができます。

パーソナライゼーションで継続率を高める:分析データに基づいてパーソナライゼーション(英語)戦略を打ち出すことができるため、プレイヤーにカスタマイズされたコンテンツや機能を提供することができます。これにより満足度やロイヤリティ(英語)が向上し、長期的な継続率が増加するとともに離脱率の軽減につながります。

収益化アプローチを改善する:プレイヤーの課金行動を分析して、ユーザーの期待や好みに合う収益化戦略を構築することができるため、ゲーム内課金をプレイヤーに促す要素とプレイヤーが得られる満足度のバランスを保つことができます。

トレンド

モバイルゲーム分析におけるトレンド

データの収集や解釈、プレイヤーの体験(エクスペリエンス)の向上、ゲーム開発の最適化、収益の増加などに影響を与えるモバイルゲーム分析におけるトレンドは、技術の進歩とプレイヤーのニーズの変化により急速に移り変わっています。現在、特に重要であるトレンドは次のとおりです。

行動セグメンテーションとプレイヤーのペルソナ

プレイヤーのゲーム内での行動や好み、課金パターンなどを基に、高度な分析によって絞り込まれたグループに分類することができます。プレイヤーの人物像を詳細まで作り上げることで、開発者はゲーム体験やマーケティングメッセージをカスタマイズすることができるため、エンゲージメントや継続率の向上に繋がります。

さらに詳しい情報は顧客セグメンテーション(英語)動的オーディエンスのセグメント化(英語)をご覧ください。

AIを活用したゲーム開発のインサイト

データ分析、ゲーム設計や開発に今や大きな影響を与えているAIを活用することで、従来は不可能だった速さや方法で、ソーシャルメディアやフォーラム、ゲーム内での行動など、さまざまなソースを通してプレイヤーの反応や反響を分析することができます。これにより、開発者はプレイヤーのニーズや好みを瞬時に深いところまで理解することができ、その情報に基づいて、ターゲットとするユーザーを惹きつけるゲームを制作したり、ゲームのアップデートや機能の開発、バグ修正における順位付けなどの意思決定が可能となります。

さらには、AIはゲームのレベルや環境の作成、コンテンツ等のアセットの生成など、ゲーム設計のさまざまな面を自動化するのにも活用できます。プレイヤーのデータや好み、ゲームデザインの原則を基に自動化することによって、プレイヤーの経験値に合う楽しくてやりがいのあるレベルを提供することができます。これをリアルタイムに実施することで、より個々のプレイヤーに合った難易度の調整(英語)、つまり「効果的に継続率に結びつける要素」を加えられるようになります。

エンゲージメントと収益化のための予測型モデル

先進的なツールと捉えられていた予測分析(英語)とは、AIや機械学習、データマイニングなどの進歩と業界の急速な変化やプライバシーへの関心の高まりによって、戦略的な計画を立てる上で重要なデータ分析のアプローチへと進化を遂げました。過去のデータなどを基に、信頼性がある具体的な結果を予測したり、アクションにつながるインサイトを導き出すことができます。さまざまなアクションと、それらがもたらす可能性をあらかじめ把握することで、マーケターは戦略に調整を加えてプレイヤーのニーズや好みにさらに柔軟に応えることが可能となります。集計データから有意義なインサイトを取得できる次世代ツールを活用すると、AppleのSKAdNetwork(SKAN)や、その他の完全に匿名化されたパフォーマンスデータを提供するシステムとの連携もスムーズに行うことができます。

モバイルゲームにおける予測型モデルの主な用途となるプレイヤーの行動パターンの解析によって、プレイヤーのエンゲージメントと継続率を向上させるための高度な戦略を構築することが可能となります。例えば、予測型モデルによってユーザーが離脱する可能性が高いと示されたタイミングに、ユーザーに向けてパーソナライズされたオファーやコンテンツを提供することで、ユーザーユーザーに再度エンゲージすることができます。また、アプリ内購入を行う傾向があるプレイヤーの特徴を認識すると、ターゲットを絞ったマーケティングアプローチを導き出して収益化戦略の有効性を高めることができます。

予測型モデルによって、広範におよぶ市場傾向やプレイヤーの好みの予測が可能のため、関心や行動に合うようなキャンペーンを展開することでプロモーションキャンペーンを最適化することができます。結果的に、ユーザーとつながったり収益化のための取り組みに集中するなど、マーケティング予算をより効果的に割り当てることができるようになります。

移行や実装のサポート

モバイルゲーム分析を活用する方法

モバイルゲームにおいて分析を取り入れるには、プレイヤーの行動の理解やゲーム設計の最適化、ユーザー体験の向上、収益の増加など、さまざまなことに分析データを活用するための戦略的なステップが必要です。ここからモバイルゲーム分析を効果的に取り入れる方法をステップごとに説明します。

1. 目標を設定する

まずは分析によってどのような情報を把握したいのかを決めます。例えば、プレイヤーの行動の理解、離脱ポイントの特定、収益化戦略による効果の計測などです。目標に基づいて、1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)継続率ユーザーあたりの平均収益(ARPU)顧客生涯価値(LTV)、拡張インストール単価(eCPI)など、特定のKPIを定義します。

2. 適切な分析ツールを選ぶ

次に、リアルタイムのデータ処理やユーザーをセグメント化するための機能、マーケティングツールとの互換性などを考慮して、要件に合う分析ツールを選びます。適切な分析ツールを選んだら、ゲームとツールを連携させます。連携は通常、ソフトウェア開発キット(SDK)をゲームのコードベースに実装して行います。

3. データ収集を設定する

ゲームに適切な分析ツールを連携したら、ゲーム内でモニタリングしたいイベントやアクションを決定します。例えば、レベル達成やアプリ内購入、アプリ内滞在時間などです。分析ツールがこれらのイベントが計測できて、かつデータ収集がGDPR(EU一般データ保護規則)や他の地域における規制に準拠し、ユーザーのプライバシーを保護するものであることを確認しておきましょう。

4. データを分析する

設定したキーパフォーマンス指標(KPI)を常に確認し、目標に対するゲームのパフォーマンスを評価します。このデータはコホート分析やファネル分析、ユーザーのセグメンテト化など、より細かな分析に活用することができるため、プレイヤーの行動やアプリパフォーマンス全体に関するインサイトの取得に繋がります。

5. インサイトからアクションにつなげる

データを収集したら、分析から導き出したインサイトやゲーム設計に関するデータや情報を基に、難易度レベルの設定や新しいコンテンツの追加、バグの修正などの意思決定を行います。インサイトは他にも、ユーザーに操作方法や価値を伝えるチュートリアルなどのオンボーディングプロセスを強化したり、ユーザーインターフェイスのデザインをさらに分かりやすくしたり、パーソナライズされたユーザー体験を作り出すなど、継続的に調整が必要な部分の改善に繋げられます。さらには、何が最も多くの収益を生み出しているのかを把握し、それに基づいた金額設定やオファー、アプリ内購入を促すポップアップのタイミングなどの調整にも活用することができます。個々に向けるような細かな調整やアプローチは、プレイヤーのセグメントグループによって異なることに注意します。

6. ABテストを行う

大きな変更を実行する前は、ABテスト(英語)や簡単なベータテストを行い、その変更がプレイヤーの行動やゲームパフォーマンスに与える影響を評価する必要があります。テスト後は結果を分析し、導き出されたパターンの中から最も効果的と見られるアプローチを見つけ出すことで最適な変更を展開することが可能となります。

7. 継続的な改善を行う

データ収集や分析は継続的に行い、その結果を基にゲームの設計やマーケティング戦略に調整を加えます。新たなデータや進化し続ける市場の傾向をしっかりと把握して、迅速に対処できるように備えましょう。

KPI

モバイルゲームを成功させるために不可欠なKPI

かつてないほど競争が激化するモバイルゲーム市場における複雑さに対応して成長を促進していくためには、特定のKPIを理解して計測することが不可欠です。KPIにおける指標は、マーケティングのパフォーマンスを数値化するだけでなく、プレイヤーのエンゲージメントを高めて収益を拡大させるのに必要な、戦略的な意思決定へと繋がります。

ユーザーエンゲージメント指標

1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)と1ヶ月あたりのアクティブユーザー数(MAU):ゲームがどれほどユーザーを惹きつけて維持しているのかについてインサイトを提供する指標で、DAUは毎日ゲームをプレイするユニークユーザーの数を示し、MAUは毎月のエンゲージメントをモニタリングするのに活用します。

定着率(DAU ÷ MAUの割合):ユーザーが1ヶ月にゲームをプレイする頻度を示します。高い定着率(英語) は、日々のユーザーエンゲージメントが高いことを意味します。

定着率 =(DAU ÷ MAU)× 100

例えば、あるゲームの1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が500、1ヶ月あたりのアクティブユーザー数(MAU)が5,000の場合、定着率は「(500 ÷ 5,000)× 100 」で、10%です。定着率10%は、月のユーザーベースと比較した際に、一日のエンゲージメントが良好であることを示しています。

継続率:初回セッション後も引き続きゲームをプレイしているユーザーの割合です。継続率を日々計測することで、長期にわたってプレイしてもらえるゲームであるのかを把握することができます。

継続率 =(インストール当日のユーザー数 ÷ ⚪︎日目にアプリを再び利用したユーザー数)× 100

例えば、インストール当日を0日目として、1,200人のユーザーが0日目にログインし、インストール翌日である1日目に240人のユーザーが再びアプリを利用した場合、1日目の継続率は「(240 ÷ 1,200)× 100」で、20%です。

収益性を測る指標

ユーザーあたりの平均収益(ARPU):ユーザー1人あたりがもたらした平均収益を計測し、ゲームを収益化するための効率性に関するインサイトを提供します。

ARPU = 合計収益 ÷ ユーザーの合計数

例えば、あるゲームが2,000人のユーザーによって10,000ドルの収益を生み出したとすると、ARPUは「10,000ドル ÷ 2,000」で、5ドルです。

アプリ内購入(IAP):ゲーム内のトランザクションを計測することは、たとえ仮想通貨であっても、ゲームにおける収益化の構造やプレイヤーの課金習慣を評価する上で不可欠です。

例えば、キャラクターの新たなスキン(コスチューム)をゲームに追加したことによりトランザクションが20%増加した場合、アイテムのIAPがそのゲームにおいて効果的な収益化戦略であることがわかります。

パフォーマンスと品質の指標

アプリ内滞在時間:1回のセッションでプレイヤーがゲーム内で過ごす時間を指し、ユーザーエンゲージメントとゲームの品質を示します。例えば、平均アプリ内滞在時間がアップデート後に2分から5分に延びた場合、ゲームのコンテンツが改善されたことが分かります。

離脱率:一定期間にわたりゲームをプレイしていないプレイヤーの割合です。離脱率が低いほどプレイヤーの満足度とロイヤリティが高いことを示します。

離脱率 =(期間内に離脱したユーザー数 ÷ 起算日のユーザーの合計数)× 100

例えば、1ヶ月でユーザー合計数1,000人のうち400人が離脱すると、離脱率が40%であり、プレイヤーを維持するにはゲームに改善が必要であることを示しています。

アプリストアの評価とレビュー:アプリストアに反映されるプレイヤーのフィードバックにより、直接、ユーザーの満足度や改善が必要な箇所が分かります。

収益と収益性の指標

月間の収益(MR)と前年比(YoY)成長率 :MRは1ヶ月に発生した総収益を計測し、YoY成長率は収益を前年の同期間と比較します。

例えば、昨年4月の収益が10,000ドルだったのに対し、今年4月の収益が15,000ドルに増加した場合、前年比成長率は50%です。

コンバージョン率:コンバージョン率は、アプリ内購入をしたユーザーの割合です。

コンバージョン率 =(課金ユーザー数 ÷ ユーザーの合計数)× 100

10,000人のプレイヤーのうち500人が課金などにより購入を行なった場合、コンバージョン率は「(500 ÷ 10,000)× 100」で、5%です。

顧客生涯価値(LTV):プレイヤーがゲームをプレイする全期間において、そのプレイヤーから期待できる総収益を表します。プレイヤーが生み出す長期的な価値を理解できるため、プレイヤーの獲得や予算の割り当て、継続率を向上させる戦略において意思決定を行うのに活用できる、非常に重要な指標です。

顧客生涯価値(LTV)= ユーザーあたりの平均収益(ARPU)× プレイヤーの平均寿命

例えば、ARPUが5ドルでプレイヤーの平均寿命が6ヶ月である場合、LTVは「5ドル × 6ヶ月」で、30ドルです。つまり、このプレイヤーのプレイ時間を通して30ドルの収益を生み出すことが見込めるということです。

インストール単価(CPI):すべてのマーケティング予算や広告費用を基に、ゲームをインストールするユーザーを1人獲得するのにかかる平均コストを算出します。ユーザー獲得キャンペーンの効果を評価してマーケティング予算を最適化する重要な指標です。

インストール単価(CPI)= マーケティング費用の合計 ÷ インストール数

例えば、あるゲームのマーケティングキャンペーンに費やした費用が5,000ドルで、それにより発生した新規インストール数が1,000だった場合、CPIは「5,000ドル ÷ 1,000」で、5ドルです。つまり、1人の新規ユーザーによるゲームのインストールにかかるコストが分かり、マーケティング戦略の効果を評価するためのベンチマークとして機能します。また、LTVとCPIを比較することで、プレイヤーがもたらす長期的な収益が獲得コストを上回るのかどうかを判断できます。LTVとCPIの比率のバランスが取れていると、そのゲームは持続可能なアプリであることが分かります。

モニタリング可能なその他の指標

ケーススタディ

ゲーム分析を活用したアプリの成功事例

ゲーム業界のさまざまなクライアントへのサポートを通して、Adjustのアナリティクスやアトリビューションを活用してパフォーマンスを改善し、アプリをさらに成功させた事例をご紹介します。クライアントが実際に導入したアプローチから、各社が焦点を当てたKPIがどのようにアプリの改善に繋がったのかを見ていきます。

APPS社:ROASが向上

APPS(英語)は、自社開発のゲーム『Drill and Collect』にてプレイヤーのアプリ内滞在時間の向上とアプリ内購入の増加を目指していました。そこで、モバイル計測パートナーであるAdjustや、ユーザー獲得のためのモバイル広告プラットフォームであるAppSamuraiと連携して、高度なアナリティクスとターゲティングソリューションを戦略に取り入れました。この連携した取り組みによって、プレイヤーの高いレベルへの到達率が2倍伸び、28日目のROAS(広告費用回収率)も107%に増加しました。

Widogame社:収益が大幅に増加

Widogameでは、ユーザーの継続率を改善してライフサイクルのスパンを伸ばすためにはキャンペーンのパフォーマンスを管理する必要があり、Adjustが提供する正確なデータによって、高いパフォーマンスのチャネルとキャンペーンを特定できるようになりました。また、Adjustのサポートによりインストール数が4,900%増加し、収益も2,200%アップしました。これにより、同社は自信を持って広告予算を増やすことができ、マーケティングの取り組みを最適化することが可能になりました。

Duolingo社:ユーザーの継続率が向上

語学アプリで知られるDuolingoは、Adjustのソリューション「Measure」を活用してユーザージャーニーを深いところまで理解できたおかげで、7日目の継続率やLTVなどの重要な指標をさらに掘り下げて計測することができるようになりました。包括的なデータ分析により、同社が最も重要視するKPIのパフォーマンスを大幅に向上させることに成功しました。

課題

モバイルゲーム分析における課題

モバイルゲーム分析を適切に行うために、重要な課題と解決策をご紹介します。

クロスプラットフォーム計測

クロスプラットフォーム計測や連携における課題は、PCやモバイル端末、ゲームコンソールなど、さまざまなプラットフォームを横断してデータを収集したのち、データを統合して分析する必要性にあります。昨今、クロスプラットフォーム計測によってゲームのリーチが拡大する一方で、各ソースに独自のフォーマットや指標があるだけではなく、準拠しなければならないコンプライアンスがあるため、複数のソースからデータを集計すると分析が複雑化してしまいます。

ゲーム業界では、例えば、ある端末で開始したゲームを別の端末でも中断することなく引き続きプレイできるというアプリが増え、マルチプラットフォームやクロスデバイスでもシームレスに使えるようになってきています。このような継続性のあるゲームの場合、あらゆるプラットフォームを横断してプレイヤーの行動を計測するという高度な分析が必要となりますが、クロスプラットフォーム計測により、一連のユーザージャーニーを包括的に把握することができるようになります。異なるプラットフォームでプレイヤーがどのようにゲームをプレイしているのかを理解することで、パーソナライゼーションや最適化に欠かせないユーザーの興味や関心、エンゲージメントにおける行動パターンに関する貴重なインサイトが得られます。

包括的なクロスプラットフォーム分析は、さまざまなプラットフォームからデータを取り込んでデータの整合性と一貫性を高める「正規化」を行ってから、収集分析のために一元化されたリポジトリに転送するため、高度なデータ連携ツールが必要です。データ形式の違いやプラットフォームごとに異なる指標、膨大な量のデータなどの技術的な課題も対処しなくてはなりません。統合されたリポジトリにて歪みのないデータを確保することは、分析をアクションにつなげるためには必須です。

データプライバシーとセキュリティ

iOS端末を認識するAppleのデバイスIDに利用制限がかかるようになったポストIDFA時代におけるフレームワークや、SKANの使用、今後導入が予定されているGoogleのAndroid向けプライバシーサンドボックス(英語)などからも明らかなように、データプライバシーとセキュリティはモバイルゲーム分析における極めて重要な課題です。

一方で、開発者が広範なオプトインユーザーのデータとデバイスIDを収集することは現時点では可能であり、よりパーソナライズされた体験(エクスペリエンス)をユーザーに提供したり、ターゲットを絞ったマーケティングを促進するのに非常に役立ちます。また、これらのデータは機械学習アルゴリズムの基礎を構築するためにも利用され、集計データセットに対して予測分析を行うことができます。しかしながら、原則として、ゲームを含むすべてのカテゴリーがデバイスIDに依存しない計測へと移行措置を取らなくてはならならないため、粒度の細かいアトリビューションデータと集計データ(英語)は、業界の基準に従って適切に使用する必要があります。

キャンペーンを最適化するためのインサイトを提供する次世代テクノロジーやソリューションを率先して取り入れることが、将来の変化への対応やプライバシー保護における戦略的な動きといえるでしょう。

Adjustを選ぶ理由

モバイルゲーム分析にAdjustを選ぶ理由

Adjustの次世代モバイル計測ソリューションは、強化されたアナリティクスや戦略的なインサイト、クロスデバイスやクロスプラットフォームによるアトリビューション機能を備え、これをモバイルゲームに取り入れることで市場での競争優位性を獲得することができます。Adjustのソリューションを使用したゲーム分析がマーケティングに大きな影響を与えられる理由は次のとおりです。

チャネルと計測の多様化を促進

Adjustは、プレイヤーにリーチして惹きつけるには多様なマーケティングミックスが重要であると考えています。従来のモバイル広告からコネクテッドTV(CTV)PC・コンソールなどの新しいチャネルまで幅広く計測し、キャンペーンよるユーザー獲得やアプリ内でのエンゲージメントなどのパフォーマンスの全体像をAdjustでは提供しています。マルチチャネルの取り組みを計測することで、例えば、ユーザーがCTVで広告を見た後、次にモバイル端末で広告を見た際にインストールを行う可能性が高くなるのか、といったことが分かるようになります。どのチャネルのユーザーが最も優れたパフォーマンスをもたらしているのかや、実際のインストールとユーザージャーニーにどのような相互関係が見られるのか、などの重要なデータを把握することが可能となります。

高度な分析で戦略的計画を構築

Adjustは業界の変化に対応するだけではなく、変化を予測するためにインクリメンタルテスト(英語)メディアミックスモデリングを取り入れています。ゲームアプリを展開するクライアントが変化する時代でも戦略的な意思決定を行えるように、プライバシーを重視した最新のサービスを提供しているため、クライアントはマーケティングの影響や予算配分の細部まで理解することができ、複雑化が進むデジタルエコシステムにて長期的な成功へと繋げることができます。

カスタマイズ可能な包括的なアナリティクス

Adjustでは強力なアナリティクスソリューションであるプラットフォーム「Datascape」を提供し、基本的な指標はもちろん、プレイヤーの行動やキャンペーンのパフォーマンス、収益化の効率性などのインサイトを取得することができます。Datascapeのダッシュボードは、カスタマイズ機能により企業の目標に最も関連する指標に焦点を当てることができるため、アプリを展開するあらゆる企業が、ジャンルを問わず成長や最適化に必要かつ的確なデータを取得することが可能となります。

高度なキャンペーンの最適化

ユーザー獲得コストが上昇する中、AdjustのAutomateソリューションは、モバイルゲーム企業のマーケティングの有効性と運用効率をオートメーション(自動化)によって向上させます。リアルタイムの最適化や統一されたデータ分析、カスタマイズ可能なレポート機能で素早くインサイトを提供し、スマートアラートにより重要な指標や潜在的な不正をモニタリングすることができます。Automateのオーディエンスターゲティング・リターゲティング機能は、パートナーとのシームレスな連携や、キャンペーンを最適化してターゲットとする特定のユーザーへリーチすることを可能にします。マーケターや開発者は、Adjustを使用することにより広告予算の価値を最大化させて、結果的に、より多くのリソースをより戦略的な取り組みに割り当てることができます。

SKAdNetworkに対応する専門技術

SKANにてマーケティングを成功させることはモバイルマーケターにとって大きな課題であり、AdjustではiOSでのキャンペーンを最適化させるためのさまざまなソリューションを提供してサポートしています。SKANデータに特化したAdjustの「Conversion Hub」がconversion valueを簡単にマッピングし、SKANアナリティクスによりスマートかつ迅速な意思決定に必要となる詳細なレポートを作成します。

詳しくは、AdjustのiOSとSKANソリューションをご覧ください。

データのセキュリティと柔軟性

Adjustでは、各地域のコンプライアンスや法的な基準に沿うために、クライアント側がデータ保管や処理を行う場所を任意に選択できるようにしています。世界中のクライアントのニーズに合わせられるよう、データのセキュリティやプライバシーに対するAdjustの強いコミットメントを表しています。

クライアントに合わせたサポート

Adjustのプラットフォームはあらゆる規模のクライアントをサポートできるように設計され、グローバルに拠点を置いて、17言語によりサービスを提供しています。大企業から成長の著しいスタートアップ企業まで、アプリの成長を拡大するために必要なツールや戦略を提供します。

モバイルゲームをさらに成長させるために、今すぐデモをお申し込みください。アプリ計測に関するAdjustのサポートについて詳しくご案内いたします。併せて、モバイルゲーム市場の動向を詳細に分析したAdjustの「モバイルゲームレポート」もぜひご覧ください。

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